2022/09/08

2022年9月10日は、中秋の名月

100910(これは2018年の「中秋の名月」)

 

新暦で生活している日本人ですが、1年に何度か、旧暦を意識せざるをえない日、というか、旧暦でないと意味がない行事、というものがあります。

そのひとつが「中秋の名月」。今年は新暦9月10日です。

中国では「中秋節(チョンチゥジェ)」、韓国では「秋夕(チュソク)」といって、祝日にもなっていて盛大にお祝いします。

秋を初秋(旧暦七月)、仲秋(旧暦八月)、晩秋(旧暦九月)の3つに分けますが、「中秋の名月」は、「秋の真ん中」=「旧暦八月十五日夜」のことです。だから旧暦で生活していれば、毎年、「中秋の名月」は八月十五日で日付は固定されています。

あくまでも「名月」です。「満月」ではありません。たまたま「満月」の年もありますが、基本的には月はどこか欠けています。「満月」でなくても「名月」です。いや不完全の美を愛する日本人には、「満月」ではないからこその「名月」なのかもしれません。

ところで、先日、オンラインで「令和5年版 旧暦棚田ごよみ」の会議をやりました。来年は閏年なので、13か月あります。なので、表紙の棚田と合わせて、14点の棚田写真を選びました。

文章とキャプションも提出したので、あとはできるのを待つだけです。

令和5年版は、雪景色が3点も入っています。これは今までで一番多いのではないかと思います。水の張った初夏の棚田やまっ黄色の秋の棚田もいいですが、雪景色の凛とした雰囲気も好きです。

 

 

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2022/08/28

日本石仏協会公開講座「民間信仰の中の動物石像~オオカミを中心にして~」

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日本石仏協会公開講座で、長野県富士見町博物館協議委員の下平さんの「民間信仰の中の動物石像~オオカミを中心にして~」を拝聴しました。日本全体の狼信仰についての流れがよくわかるお話でした。

東日本では、あまりにも三峯信仰が強く、土着の狼信仰の上に、うっすらと霧のようにかかっているというのも、よくわかりました。

そして、現在は狼信仰の痕跡が薄い地域ですが、熊野が狼信仰のルーツと関係するのではないか、という話にはハッとさせられました。

今回は、日本石仏協会 の会員でもある明治大教授、川野さんに誘われたのでしたが、川野さんと再会したのは、中国雲南省以来、20数年ぶりです。今、狛犬・神使像なども研究されているそうです。

そしてずっと気になっていたことを確認できました。水木しげるさんの雲南旅に同行できたのは、川野さんのおかげでした。水木さんの雲南旅は2回あったそうで、2回目の参加者が誰だったのかは俺は知るよしもなく、記憶は間違っていなかったことに、ようやく安心しました。

というのは、水木さんの雲南旅に同行した女性がいたはずだと、ある人に言われたことがあったのですが、どうしてもその女性を思い出すことができず、俺の記憶に自信をなくしていましたが、川野さんも参加者は男だけだったといい、その女性は2回目の参加者だったようです。ちゃんと確かめてから指摘してほしかったですね。

川野さんに紹介してもらった「狛犬千万無量」、参道狛犬ナビゲーターの山元さんに『房総の狛犬』をいただきました。とくに巻頭の「参道狛犬百景」は、単なる資料としてだけではない芸術的価値もあり、新しい狛犬写真の可能性を見た感じがします。

そして狛犬についても知らないと、狼像はわからないんだなぁと、あらためて思います。俺は、犬→犬像→狼像 と移ってきたので、今まで「狛犬」というのはあまり興味がなかったからです。でも、やっぱり神使像は、狛犬の影響だろうし、そのあたり、もう一度調べ直す必要がありそうです。

山元さんのサイトはこちらです。

https://komainu-senman.amebaownd.com

そして下平さんの発表後、下平さん、川野さん、山元さんと、その場で話題になったのは、「狛犬と狼像」の境がわからないというものでした。俺も、この点についてずっと感じてきたので、みんなそうなんだなぁと。

個人的には、それに加えて西日本の狼像は狐像とも似ていて、混迷は深まるばかりです。

 

 

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2022/08/27

【犬狼物語 其の六百二十三】岡山県備前市 備前焼の里

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1000年以上の歴史を誇る備前焼の里を訪ねました。伊部地区には多くの工房・ギャラリーが建ち並んでいます。

天津神社は、さすが備前焼の里、狛犬や十二支など、備前焼動物像の宝庫です。

「子宝いぬ」の備前焼像もありました。子宝犬、子育て犬など、子安信仰にまつわる犬像は全国各地にあって、正確には数えていませんが、今まで20カ所くらいは周ったのではないかと思います。

神門脇には、見落としてしまいそうな、小さな犬像もいました。どことなく、明恵上人が愛した子犬像(オリジナルは京都・高山寺に)と似た雰囲気です。

また神社の近くには天保3年ごろに築かれた「天保窯」があります。

昭和15年ごろまで焼き続けられたそうです。昔の姿をとどめている備前焼の古窯はここだけです。 

 

 

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2022/08/25

8月25日は、秋田犬の旧2円切手の発行日

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これは旧2円切手の秋田犬。この立ち姿には威厳が漂います。

よくこんな切手を持っていたなぁと思いますが、小学・中学のとき、学校で切手集めが流行って、俺も一時期集めたことがあったからです。

秋田犬2円の発行日は、昭和28年(1953年)年8月25日。発行されたとき、初日カバーには、忠犬ハチ公の写真が使われていたそうです。なので、この切手の秋田犬もハチ公だと思った人がいたとしても不思議ではありません。紛らわしい初日カバーでした。

実は、モデルはハチ公ではなく「橘号」だといわれています。 「橘号」は昭和18年3月15日生まれの雌の秋田犬の純血種です。ただ、どうしてこの犬がモデルに採用されたのか、調べてもよくわかりません。

当時、封書10円、はがき5円だったので、2円切手はそれほど使われなかったのですが、1989年の消費税導入で封書62円になったことでたくさん使われたようです。

1953年から1988年までの初代のデザインと1989年から2002年まで発行された2代目のデザインは違います。2代目は「2」「日本郵便」のフォントが違い、「NIPPON」の文字が入りました。全体の色も青みがあります。この写真は初代の2円切手です。

 

 

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2022/08/23

今日からは、二十四節気「処暑」、七十二侯「綿柎開」

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今日からは、二十四節気「処暑」の初候「綿柎開」です。

「処暑」は、暑さが峠を越えて後退し始めるころ、「綿柎開」は綿を包む萼(がく)が開くといった意味です。

暑さのピークは越えたのかと思われますが、それでもまだ暑いというのが実感です。今年は世界各地で異常な高温、水不足で、川や湖が干上がり、戦争で沈没した艦船や古代の遺跡や600年前の仏像が発見されたりしています。

 

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2022/08/21

【犬狼物語 其の六百二十二】内モンゴルの狼の呼び名「大口さん」

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千葉大学「ユーラシア言語文化論集」第19号、サランゴワ氏の「内モンゴル東部における狼の民俗」に興味あるモンゴル人の民俗について書いてありました。

ひとつは、おまじないのようなもので、家畜を狼に襲われないように、ハサミの口を開けて石を入れて挟み、それを布で強く包んでおく習慣があります。ハサミは明らかに狼の口を象徴しています。石は堅く、嚙み砕くことができません。石で、家畜の安全を願っているという。

また、内蒙古東部のモンゴル語で狼のことはチョンといいますが、名前を直接呼ぶことを避ける習慣があり、

「へーリン・ノハイ(野良犬)」

「テングリ・イン・ノハイ(天の犬)」

「ヘイ・アマト(大口さん)」

などと呼ぶという。

日本の猟師・木こりなども、忌言葉(いみことば)としての「山言葉」を使います。狼は「お客」「やせ」「やみ」と言ったりします。忌言葉は、「神や神聖な場所に近づく際には不浄なものや行為を避けるだけでなく、それを言葉に出していうことも忌み、代用語を用いていい表したことから生まれたと考えられている」(世界大百科事典)

モンゴル人が「チョン」と直接呼ばない理由は、名前を直接呼ぶと数が増えて、害が拡大するからだという。牧畜民にとって狼は害獣でもあるのですが、ここにも数のバランスの大切さが現れています。多くてもダメ、少なくてもダメなのです。

この数のバランスについては、狼信仰ではちょくちょく目にするもので、例えば、日本でも、津山市の奥御前神社(狼さま)では、本勧請と呼ぶ正式な祀り方で、霜月の大祭に狼さまをいったん本宮に戻し、新しく生まれた狼さまを迎えますが、それはその家で狼さまが勝手に増えるのを防ぐ意味があるそうで、牧畜民の狼に求める数のバランスと共通しているのが面白い。

「大口さん」は、日本の「大口真神」を思わせますが、実際、狼の「大きな口」は、モンゴル人にも日本人にも同じような特徴として捉えられているんですね。

 

 

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2022/08/20

赤坂氷川神社の狛犬と江戸型山車

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赤坂氷川神社を参拝しました。

境内には7対の狛犬があります。

その中で、中門両脇の狛犬は、延宝3年(1675)奉納の東京都内で2番目に古いといわれています。(都内最古の狛犬は、以前紹介した承応3年(1654)の目黒不動にある狛犬)

頭のてっぺんに丸い穴(溝)が開いていますが、宝珠か角が埋め込まれていたのかもしれません。

それと境内では、全国的にも貴重な「江戸型山車」が展示されています。

「山車は江戸の祭の華でした。時代の変化や震災・戦禍により東京から姿を消しましたが、ここ赤坂には奇跡的に一部が遺されていました」(「赤坂氷川山車保存会」より)

掲載の「祭礼山車行列額絵」は、明治44年に奉納されたもの。赤坂氷川祭での、江戸型山車13本が悠々と巡行する様子です。

 

 

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2022/08/13

【犬狼物語 其の六百二十一】世界(国際)オオカミの日

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8月13日は「世界(国際)オオカミの日」だそうで、2年前にアップした狼像をまとめたものを掲載します。

これはコロナ収束祈願で、半年にわたり(183日)SNSにアップしたお犬さま(狼)像です。狼信仰では、狼は、疫病退散のご神徳があったとされることにちなんだものでしたが、さすがに俺も、狼が直接コロナをやっつけるなどとは思ってなく、これは狼のイメージを借りた自分なりのコロナに対する決意表明みたいなものですね。

すっかり下火になってしまいましたが、当時はやった「アマビエ」もそんな感じでしょうか。あれでみんなで盛り上がることで、集団の精神的免疫力をあげたという一面はあったと思います。

最初は、「コロナ終息」でしたが、途中からこのウイルスは「終息」はないなと思ったので、「コロナ収束」に変更しました。

それで今、まだ「収束」したともいえず、こんなに長引くとは正直思ってませんでしたが、これからは「共存」しかないなと思います。


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2022/08/11

【犬狼物語 其の六百二十】 「山の日」。メコン川源流と山の神の眷属オオカミ像

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今日は「山の日」です。

山の日にちなみ、今までで一番高い所へ行ったときの写真を。

それはメコン河源流を探しに行った中国青海省。雑多県莫雲郷から馬で2日目の源流地点は、標高約4600mくらいだったと思います。実は、途中5000m以上の峠を越していたと思うので(峠名忘れました)、標高的には、メコン源流が最高地点ではないのですが。

そして日本の山、と言えば、今のところ一番の関心は、もちろん「登山」ではなくて山の神の眷属である「オオカミ像」です。掲載の狼像は奥多摩の山の神の祠前に鎮座する狼像です。

山の神そのものは見えませんが、神の使いである「もの」としてオオカミがいます。具体的なオオカミの姿で、目に見えない神をより感じることができます。

 狼像が魅力的なのは、その背後に人知を超えたカミ(山ノ神)の存在を感じることができるためです。そしてそれは昔の話ではなくて、山で働く人たちにとって現代にちゃんと生きている「生の狼信仰」として続いていることがすばらしいのです。

実は、このメコン源流では、地元チベット人たちは、神が降り立ったとされるホホジョディ山のふもとの泉は、季節通して水が枯れたことがないザナチュ(メコン源流のチベット名)の源流であると信じていました。

だから、ここは後日調査された科学的・地理学的源流とは違っています。いわば、文化的・民俗的源流です。

チベット人にとっても山は神聖な場所です。

 

 

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2022/08/10

吉見百穴

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埼玉に住み始めて20年経ちますが、何度も近くを通り、いつか見よう見ようと思って、結局今まで実際に足を運んだことはありませんでした。

穴がたくさん開いていて、不思議な光景です。

調査の結果、従来は住居説などありましたが、古墳時代後期、死者を埋葬した墓穴であることがわかったそうです。

穴に入ることもできます。少し涼しいです。ヴィーノは地べたに寝そべって、暑い外へ出たがりませんでした。

また資料館では、吉見町で発掘された石器や土器、土偶、中世の壷などが展示されています。

その中に、動物型土製品も展示されていました。動物型土製品は、やっぱり猪のようです。「やっぱり」というのは、全国から出土している縄文時代の動物型土製品では、猪が圧倒的に多いからです。犬は少ないですね。

 

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