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2005/10/05

やってみたいこと。「ターミナル」を観て

トムハンクス主演の「ターミナル」を観ました。

何ヶ月も空港ターミナルに住んで、仕事も、恋愛までもしてますね。ありえない話だけど、面白い映画でした。

観てない人のためにあらすじを書くと、クラコージアだっけ? 東欧の架空の国からアメリカへやってきた主人公が、空港ターミナルに着いたとき、祖国クラコージアがクーデターかなんかで国自体がなくなり、彼が持っていたビザが無効になり、アメリカに入国できなくなり、ターミナルにずっといるという話。

どうしてアメリカに来たか?という理由は、俺には説得力がなかったので、それは省略することにします。俺が興味を持ったのは、こういう状況になったとき、ターミナルで暮らしていけるのか?ということでした。

実は、今から10数年前、まだ写真だけでは食ってなくて、いろんなバイトをしているとき、新幹線の清掃のバイトをやったことがありました。夜中です。だからバイトを終えて帰る早朝、駅の売店から出た前日の大量の売れ残り弁当が山積みされていました。捨てられるんだろうか? なんて日本は裕福な国なんだ、もったいないなあと思いながら、それを横目で見て帰宅したのを覚えています。

これを食糧にすれば、駅で生きていけるかもと、ひらめいたのです。たぶん、ホームレスの人たちは、やっていることなんでしょう。ただそれだけでは面白くないので、いろいろ考えました。実際やるのは面倒くさいし、その実行力もないので、あくまでも想像の世界で、ある「男」を作り上げました。当時は安部公房をよく読んでいたので、「箱男」などから連想したのかもしれませんが、「山手線の内側で生きている男」です。

切符を買って一度改札を入った男は、一生改札を出ないんです。でも、改札の内側には、トイレもあるし、水場もあるし、今では、シャワーも、ヘアーカットの店さえあるので、基本的な生活はできます。旅行したかったら、電車に乗ってけっこう遠くまで行けます。改札さえ出なかったら、ただですから。

ただ、問題は、夜になると駅員から表に出されてしまうでしょう。それをどうするか。どこかに隠れるしかないんでしょうね。それをうまくクリアーできれば、ずっと暮らせるはずです。

映画の中では、主人公は頭を使って小銭を稼ぎました。主食は、売店の売れ残り弁当でいいですが、やっぱりたまにはコーヒーも飲みたいし、暖かいそばも食べたい。そして服もたまには着替えなきゃ。そのための小遣い稼ぎをどうやるか。きっと何かあるはずです。もっと、考えてみます。

ところで、暮らせはするけど、いったいそれは何のためなの?と聞かれると、ちょっと困るな。毎日ひたすら駅を行きかう人間を見てすごす男。人々の服装の違いで季節を感じ、顔の表情で景気がいいのか悪いのかを知る。

どうですか、こんな男。哲学的な人間が生まれそうです。そういえば、「箱男」は元カメラマンという設定でした。見ることと、見られることとの関係。箱をかぶることで、男は匿名性を得るのですが、「山手線の内側で生きている男」も似ているかもしれません。

なぜかわからないけど、いまだにやってみたい気がします。匿名で生きることは、気持ちよさがあるからかな。映画を観て、思い出してしまいました。


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