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2007/10/20

2007秋、車中泊の撮影旅 (13) 室生村深野、吉野町「国栖の里」割箸作り、明日香村稲渕棚田、二上山

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10月20日、土曜日、晴れ時々曇り

今日は、朝から晩まで写真も撮ったし、取材もしたので、今日のブログは長いよ。覚悟して。

今朝、「道の駅 室生」を6時20分に出発。三重県名張市方向へいったん向かい、数km先から、左折して山道をひたすら登っていく。すると、深野集落に着く。一見していいところだなぁと思う。

ちょっと小雨もパラついたが、7時半をすぎたころから晴れたり、曇ったり。手前には、民家、柿の木、棚田。遠くの山並みが霧でかすんでいる。時々、日の光が当たって、山の稜線を浮き上がらせる。

集落の中に、深野神明神社がある。この前で写真を撮っていると、1台の車が止まり、カメラを持ったおじさんが降りてきた。「光があればいいんだけど」おじさんが来たとたん、曇ってしまったのだった。

おじさんは田んぼに植えてあるコスモス畑の中に入って写真を撮っていた。戻ってくると、「この近くにいいポイントがあるので、いっしょに付いてくるかい? にいさんが気に入るかどうかわからんけど」というので、「いいですか? 気に入らなかったら戻ってくるだけだから」

それにしても、地元の人の運転は速い(あとで、滋賀県人だと知ったが)。付いていくのがやっとだ。「近く」といったが、20kmくらいは走っただろう。狭い山道をすいすい飛ばしていく。

最後、標識もないせまい道へ入ってぐんぐん上っていった。そこが、おじさんお勧めのポイント。たしかに良いね。おじさんは何度も滋賀から車を飛ばしてここまで写真を撮りに来ている。2週間前に撮ったという、靄がかかったこの風景のプリントを見せてくれた。

谷を挟んで両サイドに民家がある集落はそれほど多くない。美しい山里だ。「ところで、ここは何ていう村ですか?」と聞いたら、おじさんはまったくわからなかった。道は知っていても、ここが何町、何村のどこかもわからないという。でも、写真を撮るにはそれで充分ということだろうか。あとで地図で見てみたら、室生寺の近くだった。

今日は、吉野町の「国栖の里」で、人と会う約束をしていたので、昼前までには着かなければならなかった。それで、このおじさん、いろんなところ案内してくれるというのだが、俺にかまわないで先に行っていいですよと断った。案内してもらったら、面白かったと思うけど、残念。

おじさんを見送ったあと、日が出るまで粘ってみた。そろそろ時間なので、切り上げ、いったん下の方に下り、向かい側の谷に上ったら、おじさんが言ったとおり、棚田があった。

どこをどう走ったのか、最終的には、県道16号線に出て、昨日通過した吉野町「国栖の里」に到着。11時半だ。約束した人というのは、ここの割箸協同組合の人。昨日電話して、割箸作っている人を紹介してもらうことになったのだ。

今回の旅、適当に旅しているように見えるでしょうが(実際、9割方はそうだけど)、どうしても、寄りたいところが何ヶ所かある。伊勢神宮の祭り「初穂曳き」もそうだし。吉野の木材を使った割箸作りの人にぜひ会って、あることを聞いてみたいと思っていたのだ。

協同組合の場所がわからず電話しようとしたが、俺のピッチは圏外なので、民家を訪ねて、場所を聞いた。でも、その人は、場所を知らなかったので、電話してもらい、それでようやく場所もわかった。(この人の苗字、昆布さんという。この話、長くなるのでこれ以上触れないが)お礼をいい、協同組合へ向かった。

そこは、観光協会も兼ねていた。迎えてくれた職員に、Tさんという割箸作りの人の工場を教えてもらった。

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Tさんに話を聞く。吉野の割箸は、スギとヒノキを使う、日本でも最高級の割箸を作っている。スギの間伐材の真ん中から柱などを取ったあとに残った端材で作る。中国の安い割箸の作り方とは違う。

端材で作っているので、木の有効利用だし、そうすることで、山を育てるということにもつながる。山に貢献していると思うとTさんはいった。

それで、俺が一番聞いてみたかったことというのは、いわゆる「自然環境保護」を訴える人に「割箸は、使い捨てだからいけない」という人がいる。たまたま、今回の旅の2日目、ラジオを聴いていたら、まさに、こういう人(学者だったかな?)がラジオで、堂々と「使い捨てにする割箸は良くないから、私は『マイハシ』(私の箸という意味だろうが。つまり塗箸)を使ってます」といっていた。

そこで、俺は素朴な疑問を聞いてみたい。どうして使い捨てにする割箸は悪くて、使い捨てにする注射器や浣腸器、(リサイクルされるというけど)使い捨てにされるパソコンは問題にしないのか?と。どうして、割箸だけが目の敵みたいに、「使い捨て」の標的にされるのか。森林保護というなら、些細な量の箸材ではなくて、建築材を非難すべきなのでは?と、俺は思うんだけれどね。

しかも、「マイハシ」を使ったからといって、それを洗剤つけて洗うんだったら、環境に対する負荷は、どっちにしろかかる。俺が嫌だと思うのは、「マイハシ」を使うことで、自分だけは環境に対して「いいこと」をしてる、みたいな匂いがぷんぷんすることだよ。

そこが、どうしてもわからない。俺を納得させてくれる理由があるなら、喜んで「マイハシ」を使わせてもらうけどねぇ。

それで、生産者はどう思っているのか、聞いてみたかった。

Tさんは、穏やかなものの言い方をした。「どっちが環境にいいかわるいかなんて論争はじめたら、しかたないことで、割箸にも、塗箸にも、それぞれ使い道があります。割箸文化と塗箸文化は違う、ただそれだけです」

割箸は使い捨てでけしからんという意見に「怒っています」というコメントを期待した俺は、ちょっと反省。そうなんだよね、Tさんが言うように、どっちが良いとか悪いという話ではないんだろう。両方とも、違ったものとして認め合わなければ。

俺は、別に、割箸生産者の味方ではないが、あまりにも不公平な扱いを受けているのを見ると、どうしても、肩入れしたくなってしまう。まぁ、へそ曲がりなんでしょ。みんなが、そうだと言えば、違うと言い、みんなが違うと言えば、そうだと言う。

ほんとは、もっと言いたいことあるんだけど、今日はやめておく。また、旅を終えたあとに書きます。

ところで、Tさんは、吉野の木材や和紙をもっと知ってもらおうという目的の「吉野山灯りコンテスト」に、行灯ふうの照明具を出品し受賞した。それを見せてもらったら、ぬくもりのある暖かい明かりを出す照明だった。毎年行われている。吉野の木と紙を使ったものならば、だれでも出品できるということなので、どなたか挑戦してみては。

Tさんと別れ、もう一軒、今度は和紙の工房を訪ね、乾燥中の和紙の写真を撮らせてもらった。

国道370号を西に進み、県道15号線を入る。狭い山道を抜けると、開放感のある谷に出るが、そこが、明日香村の稲渕。棚田百選の棚田がある里。案山子と彼岸花で有名な棚田でもある。ここへ立ち寄ったのは、数年ぶり。看板と駐車場と、直売所ができていたのが、以前とは違っているところ。あとは同じだ。

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まだ少しだけ黄色い稲が残っていたが、9割がた稲刈りは終わっていた。ハサ掛けされた稲の匂いがいいね。(写真)

ここは、石舞台古墳からも近いので、棚田を散策する人がたくさんいた。サイクリングする人たちも、ここを通るようだ。暑くもなく、寒くもない、絶好の棚田日和。

石舞台古墳のすぐ近くに、「太子の湯」という温泉を見つけて入った。500円。サウナもあり、浴槽には、テレビも完備。

久しぶりで観たテレビは、お笑い芸人の番組。なんだか、外国のテレビ番組を見ているような、遠い感じがした。俺は日本を旅しながら、外国人になっているのかもしれないと感じた。お笑いが、ぜんぜん面白くないのだ。なんだろう、この違和感。

桜井市に寄った。ここで一ヶ所、撮影したいものがあったが、役場でもわからず、駅の観光案内所も開いていず、場所がわからないので、今度にする。(このくらい、調べてこいよー)

西へ向かう。橿原市、大和高田市で道に迷いながらも、當麻町の「道の駅 ふたがみパーク當麻」へ。日暮れまでには間に合った。

ちょうどここが二上山のふもとにあり、道の駅に車を停め、近くの田んぼまで歩いて、田んぼと山の写真を撮る。ちょうど夕日が山の陰に落ちて、じゃっかん、雲がオレンジ色に変わった。

暗くなってから、ふたたび移動。桜井市まで戻り、マックでこのブログを書く。今日は長いので、アップするのもこんな時間になってしまった。今日はよく動いて、疲れた。


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コメント

太子の湯は稲渕棚田の中を抜け、高松塚古墳のほうへ行く道の途中を右に折れたところですよね。よく見つけましたね。稲渕は年に数回訪れていますが、まだ一度も入ったことがありません。今度入ってみようかな。
段々と我がフィールドに近づいてくるのが、なぜかドキドキするのはどうしてでしょう(笑)

投稿: 棚田へようこそ | 2007/10/21 13:29

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