東北の咲【わら】う桜 (09) 福島県南相馬市 小高神社の桜
南相馬市の小高地区は2012年4月16日、警戒区域から避難指示解除準備区域に再編されました。住民でさえ自宅に宿泊することはできませんが、昼なら自由に立ち入ることはできるようになったばかりでした。
市街地に入り橋を渡って旧小高城本丸跡に鎮座する小高神社へ行きました。「相馬野馬追」の舞台で知られ、境内では出陣式や野馬懸が行われます。
敷地内は桜が満開でした。特にしだれ桜が立派です。でも、鳥居や灯篭などは壊れたままでした。
時々地元の人がやってきます。携帯で桜の写真を撮っている夫婦に声をかけました。
彼らは郡山の仮設住宅からやってきたそうです。
「家にいっても電気がまだ来ていないので、掃除ができません。それで桜を見にやってきました」
「今年も咲いてるなぁ」
と、旦那さんは感慨深げでした。
そのあともちらほらと地元の人がやってきました。ブルーシートを敷いてどんちゃん騒ぎをするでもなく、10分間くらい静かに桜を眺め、携帯で写真を撮る。これが小高地区の人たちの「今年の花見」でした。
神社の修復をしている人がいたので話を聞きました。
「社務所は建物を建て替えるという話はもともとあったんです。かなり年代物でガタがきていたから。地震で柱も傾きました。7月には相馬野馬追いの祭りが行われるので、社務所と絵馬殿だけ、扉や窓が開くように大急処置をしています」
と話してくれました。
今年、2013年の元旦は、小高神社でも2年ぶりで参拝客を受け入れたそうです。
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