« 2013年5月 | トップページ | 2013年7月 »

2013/06/30

棚田がどうして美しいのか、生物学者長沼毅氏の話で気がついたこと

130630_1(元陽の棚田 6月)

130630_2(元陽の棚田 2月)

昨日、たまたまテレビを見ていたら、「科学界のインディ・ジョーンズ」と呼ばれる生物学者の長沼毅氏のインタビューがあって、「あぁこの人か」と、初めて名前を覚えることができました。以前からおもしろいことをやっている人がいるなぁと思っていたのでした。

深海の火山で発見されたチューブワームとよばれる生き物の話は興味深かったですね。海水から酸素を取り入れるのは普通の魚と同じですが、チューブワームがすごいのは、熱水噴出孔から出てくる、普通の生物には毒となる硫化水素というイオウの化合物をとり込んでいて、それを栄養にしていることです。絶対生き物なんかいないようなところにも生き物はいる。その驚きといったらありません。

チューブワームは、浅い海では天敵が多く、生存競争に負けた生き物が、深海で変化して生き延びた。環境に合わせて「はびこる」ことが、生命の強さであると。そんなふうなことを言っていました。

これを聞いて、ぴんとくるものがありました。

ちょうど世界遺産になったばかりの「ハニ棚田」については前回も書きましたが、棚田の形にも似たようなことがあるんじゃないかなと。

もともとハニ族の祖先は、チベット高原で遊牧をしていた人たちで、雲南に南下してきたとき、すでに低地(平地)では、タイ族系の人たちが稲作をやっていたので、山の上に住むしかなかった。(マラリヤに対する免疫がなかったという話もありますが) そこで稲作を学び、山の斜面に棚田を造って住み始めた、おおざっぱに言うと、こんな歴史だったと思います。

何がいいたいかというと、ハニ族が好き好んで雲南の山奥に住み始めたのではなくて、他民族に追われたり、戦いに負けて、しかたなく不便な斜面で暮らし始めたということです。でも、あきらめなかった。そこで棚田というものを造って生き延びたわけです。「負」の環境を「正」にしてしまうというところがすごい。

棚田の形というのは、チューブワームの形と同じように、「「負」の環境を「正」にしてしまった形」という意味なら同じなのではないかと思ったのです。棚田の形には、人間の、何としてでも生き延びるという意志、生命力の強さが現れていて、そこが「すごい」ところで、「美しい」と感じる点ではないかな、と。

初めて棚田を意識したのは、元江県で棚田を見たときでしたが、そのとき漠然と「これは何かすごいものを見た」という思いは、長沼氏の話を聞いて、少しだけ理由がわかったような気がしました。

それにしても、なんでもかんでも棚田に結びつけるのはやっぱり「棚田病」の末期症状にいよいよ近づいてきたかなと思います。ちなみに、南極にまた来たくなることを「白い病」と呼ぶそうですが、長沼氏も「白い病」にかかっているそうです。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/28

肉そば発祥の地、山形県河北町で開催 「山形 ご当地グルメフェスティバル 2013 in かほく」

070507

「山形 ご当地グルメフェスティバル 2013 in かほく」

日時: 2013年7月13日(土)~14日(日)午前10時~午後3時
場所: 山形県河北町・サハトべに花駐車場 ※小雨決行
主催: 山形ご当地グルメフェスティバル2013 in かほく実行委員会 (かほく冷たい肉そば研究会内

「山形県内には隠れた魅力的な食が数多くあり、食を通した「まちづくり、まちおこし」への取り組みがあります。そんな団体が一堂に会し、地域自慢の食文化と故郷の魅力を発信する「山形ご当地グルメフェスティバル2013」が、この夏、山形県河北町を会場に開催されます。」
山形の地域総合サイトyamagatalより http://www.yamagata1.jp/2618.html

出身地、河北町谷地(やち)名物「つったえ肉そば(冷たい肉そば)」も食べられるそうです。これは何度かブログで紹介している自慢のそばです。

「肉そば」とは何か? 鶏肉を使った甘い醤油味の日本そばです。

食べ始められたのは大正時代とも言われますが、初めは馬肉だったらしい。それが戦争で馬肉が手に入らなくなったので、河北町に当時たくさんあった養鶏場からの鶏肉を使い始めたそうです。

暖かいのもありますが、地元の人間は、真冬でもこの「つったえ(冷たい)肉そば」を食べます。どうしてかというと、そばのコシを生かすためです。暖かい部屋で、雪を見ながら食べるコシのある冷たいそばは格別です。もちろん夏も。

東京都内にも肉そばを食べられる店があります。

「河北や」

千代田区神田錦町1-2 完報神田ビル

http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13046519/dtlmap/
 
 
 
山形県河北町・サハトべに花駐車場の地図

より大きな地図で (サハトべに花) を表示
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/25

中国雲南省の世界遺産「紅河哈尼棚田群の文化的景観」の名称にひっかかるものを感じる理由

130625_1(元陽県 老虎嘴風景区の棚田)

130625_2(元陽県 老虎嘴風景区の棚田)

130625_4(元陽県 イ族)

130625_5(元陽県 イ族)

今回の第37 回世界遺産委員会プノンペン会議で世界遺産に登録されたのは、中国雲南省の「紅河哈尼棚田群の文化的景観」 Cultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces というものもあります。

ずいぶん前からいずれ登録されるだろうと言われてきましたが、ようやくですね。

俺が初めて紅河哈尼(ハニ)棚田群の中心になる元陽県に行ったのは、1994年だったと思います。

雲南の棚田自体は、その2年前の1992年に、元江県の山の中で見ました。このときの村滞在がきっかけで「棚田」に目覚め、アジア各国・マダガスカルの棚田を訪ね、日本の棚田百選もすべて周ることになったのです。

当時はほとんど観光客もなく、静かな山村でしたが、あれよあれよという間に、世界中の人がやってくる一大観光地になりました。観光客の多さに辟易している人もいるくらいです。そこで今度は世界遺産の登録です。ますます観光客は増えていくでしょう。

それにしても、「紅河哈尼棚田群」というこの名称、ちょっと誤解を与えるかもしれません。「紅河哈尼棚田群」といっているのは、「紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州の棚田群」だと思っていましたが、「紅河州の哈尼(ハニ)族の棚田群」という意味に受け取る人がいるかもしれません。

いや実際に、twitterやブログでは「世界遺産に登録された中国のハニ棚田」とか、「中国雲南のハニ族の棚田は・・・」と表現している人もます。でも、それが紅河州全体の棚田群を指しているんだとわかったときは、ちょっと違和感を持ちます。

ただ、これには事情があるそうです。紅河ハニ棚田に詳しい人に情報をもらったので、文を一部修正します。(2013/06/29)

実は、世界遺産の登録名称の「紅河ハニ棚田群」に限っては、紅河州全体の棚田群のことではなくて、実際には「元陽県の棚田群」らしいのです。だから名称には「州」が入っていません。(もちろん紅河県でもありません) それと「元陽県」も入っていません。提案した学者がハニ族だったので、とうぜん「ハニ」は入りました。そして「紅河」という知名度のある名前を付けて、ブランド化を狙ったものらしい。政治的な、民族的な理由でこのあいまいな名称になったという話です。

まぁそういう事情があるんだろうなという予感はしましたが。

世界遺産は、「ハニ族の棚田」ですが、棚田を作っているのは、ハニ族ばかりではありません。だからそういう事情を聞いた後でも、民族が混在しているところで、「ハニ族の棚田」というくくりには、やっぱり違和感を持ちます。

2000年の統計ですが、元陽県を例にとってみると、ハニ族52.6パーセント、イ族23.7パーセント。他にタイ、漢、ミャオ、ヤオ族となっています。

どうしてこんなことにこだわるのかというと、家に泊めてくれた人や、お世話になった人には、けっこうイ族の人が多くて、しかも、イ族とハニ族は、普段仲良く暮らしてはいるんですが、話を聞くうちに、関係は微妙なところもあって、はっきりいって「どうしてハニ族だけが注目されるんだ?」という不満もイ族からは聞いたからです。

まぁ、だから俺くらいは、イ族の話題を出してもいいかなと。どうせ放っておいてもハニ族の話題はみんなするでしょうし。

元陽の主要な風景区のひとつ、「老虎嘴風景区」のモンピン村にもイ族が住んでいます。夕日が美しい風景区ですが、あるとき俺は帰りのバスに乗り遅れて(バスが来なかったので、運休したのかもしれませんが)、この村のイ族の家族に泊めてもらったことがありました。

夜中、ネズミの運動会で熟睡できませんでしたが、翌朝「よく眠れたか?」と主人に聞かれて、俺は目に隈を作りながらも「よく眠れました」と爽やかに答えたのでした。
 
 
 
Ya_2写真ギャラリー「雲南省の棚田」(オリザ館)

Ya_2「元陽の棚田と春節」(オリザ館)

Ya_2「あるイ族村の涙ぐましい観光化計画(2008/07/31)」
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/23

「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に正式登録

130623_4

130623_1(静岡県御殿場市)

130623_2(山梨県南アルプス市中野)

富士山が世界遺産に正式に登録決定されました。「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」という正式名称の文化遺産です。三保松原も含まれます。

三保松原に関しては、構成要素からはずすように言われていましたが、「遠い」という理由ではずされるのは納得できませんでした。

文化遺産なんだから、ちょっとでも富士山が見えるところで文化的かかわりがあるなら、構成要素であってもおかしくないわけです。45kmなんて遠くないでしょう。そこを理解してもらったのも良かったと思います。関係者のぎりぎりまでの説得の成果ということでしょう。

ところで富士山が登録拒否されていたら、けっこう日本人のプライドが傷ついたんじゃないかなと思います。日本人の「文化」が否定されたような気になったかもわかりません。

個人的にも良かった。これで週刊誌のグラビアに「富士山が見える棚田」の写真が載ることになったので。これ、完全に便乗商法です。富士山の世界遺産登録に便乗して、棚田の宣伝をするいい機会なのです。

富士山は聖なる信仰の山であると同時に、ふもとの人にとっては日常的に見ている身近な山でもあります。とくに農民は春に現れる富士山の残雪の形「雪形」を見て農作業を行っていました。有名なところでは富士北麓から見える「農鳥」があります。富士山は「自然暦」の役目も持っていたのですね。

世界の「文化遺産」である富士山、そして先祖代々、自然とともに作り上げてきた農民の「文化遺産」である棚田。ふたつの「文化遺産」の競演、棚田ごしに見る富士山は、瑞穂の国、日本らしい風景といえるのではないでしょうか。
 
 
 
Ya_2「富士山が見える棚田」(オリザ館)

Ya_2写真ギャラリー「Mount Fuji」(aoyagikenji.com)
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/22

タイ料理には欠かせないパクチー(香菜 シャンツァイ)栽培に挑戦してみる

130622

数年前まで、パクチーを栽培していましたが、どうもうまくいったためしがありません。ある程度まで成長するのですが、食べようとする直前にしおれてしまったり、腐ったり。けっこう難しいようです。

最近、本格的なタイ料理がブームになっているようです。周辺のスーパーでは、いまだにパクチーを探すのは難しいので、ひさしぶりに再挑戦です。

種をまいて、10日経って、こんな双葉になりました。すでにパクチー独特の香りが。

ところで、こんな記事を見つけました。

好き嫌いくっきり「パクチー」 高収入者に「好き」な傾向
(瞬刊!リサーチNEWS http://news.nifty.com/cs/item/detail/shunkan-20130620-7362/1.htm )

あまり収入との直接的関係はないと思います。実際に俺を含めて俺の周りでパクチー好きな高収入者がいないし(というより、そもそも高収入者の知り合いがいないし)、日本に住んでいる東南アジア人が、高収入者とも思えないし。

もしかしたら、こういうことかなと思います。

いろんな外国料理を食べる機会が多い人は、パクチーに出会う機会も多くなり、パクチーに慣れる(はまる)人が多いということなのではないでしょうか。これは都会にパクチー好きが多いこととも符合します。

それと旅行者や友人たちを見ていると、女性の方が好きな人が多く、男性は嫌いな人が多い、という傾向があるように感じます。記事でもそう書かれていますね。

味に関して保守的なのは女性かなと思っていたら、むしろ男性かも。「何でも試す」ということは命を危険にさらすリスクもあるわけで、だから、女性の方が保守的だと思っていましたが、今は、違うようです。

俺は基本、クセのある食べ物は好きで、パクチーはもちろん、どくだみなどの香草一般、ナレズシや、クサヤなども大好きです。だから、逆に、なんでもかんでも「甘~いッ」とだけしか表現されなくなってきている日本の腑抜けた味の野菜にはちょっと不満です。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/21

新しい出版形態、電子版とPOD(プリントオンデマンド)で『編集後記 雑誌編集者の時間』出版

130621_1

130621_2

友人の編集者 勝峰富雄氏が『編集後記 雑誌編集者の時間』という本を出しました。

内容は、前職の学研「ムー」時代から、山と溪谷編集部員、ヤマケイJOY編集長時代、山と溪谷編集長時代の1995年~2008年までの約14年間にわたる全ての編集後記145編に大幅に補記を加えたものです。

これは、電子版とPOD(プリントオンデマンド/ペーパーバック=カバーなし)による新しい出版形態「Next Publishinng」による刊行だそうです。

販売ルート・形態は、本(ペーパーバック)の場合、Amazon POD版、および三省堂POD版があります。POD版は、注文に合わせて一冊単位で製本して送ってきます。電子書籍は、Amazon Kindle、kobo、Apple iBookstoreを選べます。

俺はAmazonでPOD版を注文しました。注文して2日後、送られてきた本を見て、意外としっかりしたものだなと思いました。もっとちゃちいのかと思っていたので。しっかりした印刷で小さい文字も問題ありません。

これだと今まで発行部数の関係で見送られていた企画も、「本」という形になりやすいかもしれません。ただ、本屋に並んでいる現物を見て、触って、気に入ったから買う、ということができないのは、電子書籍やPOD版ではしかたないかな。

情報提供の内容、たとえばガイドブックやマニュアルなら、これで十分でしょうが、ただ、「情緒」や「デザイン」も含めての「本」ということになると不満も出るかな、という感じです。

編集や雑誌に興味のある方は、こちら(Amazon)をどうぞ。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/20

『福井昭夫作品展 2013』のお知らせ

Fukuiakio

友人の絵描き、福井昭夫の個展情報です。大阪近辺の人はどうぞお立ち寄りください。

2013年7月1日(月)~6日(土) 11:00AM~7:00PM (最終日5:00まで)

マサゴ画廊
〒530-0047 大阪市北区西天満2-2-4 (裁判所西側の筋小山医院角入る)
06-6361-2255
 
 
 
マサゴ画廊の地図

より大きな地図で マサゴ画廊の地図 を表示
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/19

北海道美瑛町「丘のまち」 新栄の丘の畑

1300619

130619_2

北海道美瑛町を訪ねたのは、今から4年前。ちょうど今の時期です。

妻とヴィーノを連れての日本一周車中泊の旅ででした。

美瑛町は「丘のまち」として、景観条例も制定され、丘陵地帯の畑の景観を守っています。

雑誌で使うことになったので、久しぶりで北海道で撮影した当時の写真を探していたら、懐かしくなったのでアップします。

ちなみに、こちらのページにも掲載しました。

http://500px.com/photo/37936978

 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/16

イランの大統領選  ロウハニ氏勝利でどう変わっていくのか

130616

イラン大統領選 ロウハニ氏勝利
「核開発問題などで欧米と対立するイランの大統領選挙は、改革派の支持を受け欧米との関係改善などを訴えたロウハニ氏が過半数の票を獲得して、保守強硬派の候補に対し地滑り的な勝利を収めました。」
(NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130616/k10015334261000.html )

イランに行ったのはもう8年前になるんですね。ちょうどイランから出国する日、大統領選が行われました。そして現在の大統領、アフマディネジャド氏が勝利し、2期8年間大統領を務めました。

アフマディネジャド大統領は、核開発に関しては強硬路線を取りましたが、そのほかにも、2007年に、服装の取締りが行われたというニュースを聞いたとき「イランは変わるかもしれない」と思ったものでした。

旅行中は、意外と女性の服装がカラフルだったことに驚き、道のまん中で女子大生から握手を求められて、やっていいのだろうか?と、逆に俺が周囲の目を気にしたりして、でも、ちゃんとやりましたが、そんな開放感がありました。この大統領になってから、イランが一気に暗いイメージになったような気がします。

核開発問題を巡る欧米との対立が続き、制裁措置を受けてイランの国内経済が疲弊し、重苦しい雰囲気の社会に対して変化を求めた結果なのでしょう。

ケンタッキーもマックもありませんでしたが、ちゃんと似たようなファストフード店やハリウッド映画は人気だったし、「アメリカは嫌いだけど、イスラムの伝統を押し付けられるのも嫌いだ」というのが一般的な若い人たちの感覚ではなかったかなと思います。

核開発については、大統領が変わっても同じだという話しもあって、一気に欧米との関係改善に進むかどうかはまだ不透明です。実際このロウハニ氏が大統領になってどういう政策を打ち出すか、そこを見てからではないとわからないでしょう。

この大統領選の結果は、日本にも大きな影響があります。とくにエネルギー問題、原発問題に関わってきます。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/15

巨大な船が山越えする、映画『フィッツカラルド Fitzcarraldo』を観て (ネタバレ注意)

130615(写真はアマゾン川ではありません。マダガスカルの川です)

『フィッツカラルド』 Fitzcarraldo
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:クラウス・キンスキー
    クラウディア・カルディナーレ
1982年ドイツ映画

舞台は19世紀末、ペルーのアマゾン流域。アマゾン川の上流にオペラハウスを建設しようとするフィツカラルドという自称実業家が主人公です。オペラ好きがこうじて、巨大な船で山を越えてしまうという映画です。

こう書いてしまうと映画を見てない人は「何だ?」と思うでしょう。どうしてオペラと山越えする船が結びつくのか、そこからして奇想天外なのですが、主人公の情熱がすごいのです。ゴムの運搬業でお金持ちになってオペラハウスを建てる計画なのです。地理的な事情から、そこを山越えすると、今まで不可能とされていたゴムの積み出しができるようになるからでした。

巨大な白い蒸気船が川を上り、山を越えようとするシーンは迫力があります。CGではなくて実際に何トンもある船の山越えシーンを撮影したそうです。ここに、監督の「夢」といったらいいか、「妄想」といったらいいか、ちょっと狂気さえ感じるこだわりを見ることができます。そして監督の姿は、主人公フィツカラルドの姿とオーバーラップします。

先住民たちとのファーストコンタクトのシーンも面白かった。言葉が通じない中でも、船の山越えを先住民たちが手伝い始めます。

そしてとうとう船は山越えして、別な川へと無事に入ったのでした。フィツカラルドと先住民たちは成功を祝ってどんちゃん騒ぎをします。そのときはフィツカラルドは先住民と「一体になれた」と思ったんでしょうね。

ところがです・・・。

先住民たちはフィツカラルドの意に反する、ある行動に出てしまいます。だったらどうして山を登るのを手伝ったか?という問いに、先住民たちは、「急流の悪霊を鎮めるためだった」と答えました。

このあたりの問答、なぜか小気味良いのです。

どうしてなんだろうと考えたら、先住民が住んでいるのにもかかわらず勝手に植民者がその土地を売買している様子に「当時はそうだったんだろうな」と、仕方なく思いますが、植民者の勝手な思いが、先住民の思いとはまったく違っていたことに、監督の「文明人」に対する皮肉というか、ちゃかしているような感じがしたからではないかなと思います。

とにかく、この映画は「夢」がどれだけ人を強くするのか教えてくれます。物語の結末は意外なものですが、悲壮感はなく、むしろ明るく、すがすがしい感じがしました。

壮大なスケールの映画で、先住民とのファーストコンタクトもあり、好きな映画です。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/12

トルコの反政府デモは、オリンピック招致に影響があるのか

130612(イスタンブールのスレイマニエ・モスク )

反政府デモが続くトルコのイスタンブールのタクシム広場で、デモ隊に対する強制排除が行われました。

これで収束するとも思えません。

2年前からのイスラムの国々で吹き荒れた「アラブの春」運動は、同じイスラム圏でも、トルコは政教分離だし、ヨーロッパ化が進んでいるので、そういうのとは無縁かなと思っていたので、大きな反政府デモが起こったことに驚きました。

それにしても、オリンピック招致活動に影響はないとは言われていますが、そんなことはないでしょう。絶対あります。

猪瀬知事は内心、「それみたことか」と思っているのではないでしょうか。いや、もちろん猪瀬知事に、「トルコのデモについてどう思いますか?」と質問しても、本心は明かさないでしょうが。前回の「イスラムは喧嘩ばかりしている」発言で懲りているでしょうから。

猪瀬知事発言の騒動は、あの時期だったので、傷が浅くて済んだ、と逆に言えるかもしれません。あれがなかったら、今回のトルコのデモについて「だからイスラムの国でのオリンピックはだめなんだ」とか、言っていたかもしれません。そうなったら取り返しの付かないことになっていたでしょう。

猪瀬さんは前回の発言の反省点として、発言の、ここまではいい、ここからは悪いという線引きが出来たことは良かったみたいなことを言っていたので、トルコのデモについては、沈黙を守る、ということになるでしょう。

(2013/6/13のインタビューではノーコメントでした)
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/11

茨城県大洗町で撮影 サーファーのいる大洗海岸&めんたいパーク

130611_0

130611_3

130611_4

この週末、ふたたび茨城県大洗町に。

FBの知り合いからの情報で、週末はサーファーがいっぱいいるとのことだったので行ってきました。今回はサーファーのいる海岸の風景写真を撮りに。(掲載写真はありません)

昨日、たまたまサーフィン始めそうな人に声かけて写真撮影OKをもらったのは、海外にホテルを持ってる人物でした。「それほどうまくないですよ」と謙遜していましたが、なかなかどうして。素人にも上手下手は、少しはわかるようになりました。

撮影終わってから、めんたいパークへ寄ってみました。以前から気になっていた場所です。明太子の老舗、かねふくの明太子のテーマパークでした。

工場見学もできるし、明太子の軍艦巻きの試食もできます。ここも311の津波で被害を受けました。水没してしまっためんたいパークの建物の写真が貼ってありました。今はきれいに直されていて、津波の爪あとはわかりません。次から次へと観光客がやってきて、大洗の観光ポイントになっています。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/07

ロシア映画『夏の終止符』を観て (ネタバレ注意)

130607(写真は映画とはまったく関係ない「逆さ富士」)

原題「Как я провёл этим летом/HOW I ENDED THIS SUMMER」)

2010年ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)/銀熊賞(芸術貢献賞)
監督:アレクセイ・ポポグレブスキー
出演:グレゴリー・ドブリギン、セルゲイ・プスケパリス

日本では「三大映画祭週間2011」で上映されたそうです。

ロシア映画といえば、昔、名画座がまだ都内に複数あったころによく観たアンドレイ・タルコフスキー監督の『サクリファイス』、『ノスタルジア』、『惑星ソラリス』などを思い出します。あの重苦しい感じがまた良かったりしました。この映画にも少し共通するかな。

ロシア北極圏にある辺境の島の観測所。やたら景色が美しい。放射線量を測るシーンが冒頭にあったので、てっきり「核戦争後の世界」が舞台なのかなと誤解したくらいでした。

この観測所で放射能の数値を測定し、データを送る仕事をしているのが、ふたりの男、セルゲイとパベル。セルゲイは昔かたぎのまじめな男で、パベルはヘッドホンして音楽を聴きながらパソコンでシューティングゲームを楽しむ若者。

登場人物は(最後のシーンを除いて)、このふたりだけです。ある日、セルゲイはパベルに観測をまかせて釣りにでかけてしまいます。そのとき、バベルは寝坊して観測時間を守らなかったり、本部から、セルゲイの家族がたいへんなことになったと報告を受けながら、帰ってきたセルゲイに言いそびれてしまったり。それがきっかけで、ふたりの間には緊張関係が生まれ、やがて銃で撃ち合う事態にまで悪化します。

でも、どうしてパベルが本当のことを言わないのか、まどろっこしくなるし、銃で撃ち合いしなければならないのか、どうして最後は簡単に和解するのか、という感じで、わかりやすい映画ではありません。正直、訳がわかりません。

ただこれを「抽象絵画」だと思って観ると、何か得たいのしれないもの、たぶんそれはソ連時代の過去の遺物である基地の残骸とか放射能を出す機械とかが未だに今のロシア人を縛っていて、しかも世代間ギャップも感じながらいるロシア人の苦悩みたいなものが感じられたりしました。

悲しくなるほどの美しい北極の風景の中であればこそ、人間のそういったどろどろしたものが浮き彫りになってくるということはあるかもしれません。

恐ろしいという感覚でもないんだなぁ、どう表現すればいいのかわかりません。ロシア人だけではないですね。現代の人類が背負っている得体の知れない圧迫感といったらいいか、そんな感じかな、この「抽象絵画」を観て思うのは。解釈は人それぞれ、ということでしょうが。

とにかく自分で観て感じてください、としか言いようがないですね。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/06

全国都道府県の魅力度ランキングについて

130606(これも茨城県 五浦海岸六角堂)

茨城県の撮影から戻りましたが、たまたま昨日、全国都道府県の魅力度ランキングがニュースになっていて、茨城県をはじめ、群馬県、栃木県、埼玉県などが下位に陣取っている話を書きました。

全国都道府県、すべてを周った立場で言うと、たしかに、この北関東の県よりは、北海道、沖縄県などが、何度でも行ってみたくなる土地であるのは確かです。

そこで思い出したことがあります。311の直後でした。近所の散歩のとき、おばさんたちが立ち話をしていた話題が耳に入ってきたのです。

「ここ(埼玉県)はいいわね。津波も、土砂崩れも、洪水もなくて。私たち幸せね」

と、いうものでした。まぁ、あれだけ大きな震災直後だったですからね。こういう「安全」が幸福度(あるいは魅力度)を測る目安になっているのは当時はしかたなかったかなと俺も思います。

でも、考えてみれば、魅力的な場所というのは、意外と災害と隣合わせのところが大きいんだなと。とくに風景の美しさに関しては。

だから津波も、土砂崩れも、洪水もないからといって魅力的な場所にはならないし、むしろある程度の災害があるところの方が、風景は美しいともいえるかもしれません。そして災害は覚悟しながらも、美しい風景のところにより引き付けられてしまうわけです。

もちろんこのランキングは、風景だけではありませんが、風景の写真を撮っている立場から見る、このランキングの意味というのは、こんなところです。

ところで、俺はアマノジャクなので、ランキングが低いところの方を応援したくなってきます。

ランキング上位のところは放っておいても大丈夫でしょう。それよりも、人が気がつかない魅力を見つけたり、おもしろい場所を探すのが楽しいので、これからもそういう意識で写真を撮っていこうと思います。これが俺にできる恩返しだと思ってもいるし。
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (3)

2013/06/05

全国人気度ランキングで下位の茨城県。大洗磯前神社の月光海の鳥居

130605

昨日に引き続き、掲載の写真は、大洗海岸、月光の海にたつ磯前神社の鳥居です。(昨日の写真の30分後の写真)

「うどん県」(香川県)や「おしい!広島県」など、全国でPR合戦が行われていますが、今度は高知県が広末涼子を起用して「高知家」という移住促進キャンペーンのPVを公開しました。

全国人気度ランキングで、茨城県が下位だそうです。資料「都道府県の魅力度ランキング」では群馬県が最下位)。いずれにしても北関東の茨城、群馬、栃木、そして我が埼玉県も下に陣取っています。

最近縁があって写真を撮りにでかけている茨城県。いいところたくさんあるのに。だから、個人的にはこのランキング、納得できません。

ただ、たまたま昨日も大洗町で撮影しましたが、大洗って、茨城県だよね?(確認)と、いうくらい、いいところが「茨城県」と結びつかないところがあるのは俺も感じています。

首都圏に近いので、ハングリー精神がないということは地元の人も認めているくらいだから、ある意味幸せな県といえるのかもしれません。


大洗磯前神社の鳥居の写真を使ったショートムービー『月柱』です。


 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/04

茨城県大洗町を撮影 月光の大洗磯前神社の鳥居

130604_1

今日は、旧暦四月二十六日。日の出前の月はきれいでした。

大洗磯前神社は、海上の岩の上に鳥居が立っていて、「大洗の写真といえば、ここ」みたいな有名な場所です。

月光に照らされた海をバックにシルエットになった鳥居の写真を撮影しました。このあと撮影した日の出の写真はまだ使えないので、今日はこの写真だけアップします。


大洗磯前神社の鳥居の写真を使ったショートムービー『月柱』です。


 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/03

茨城県大洗町を撮影 マリンタワーからの眺め

130603

梅雨に入ったばかりなのにこの天気。撮影のことを考えれば、悪いことではありませんが。

夕方、大洗マリンタワーに上りました。360度の展望です。なかなかすごい眺め。空気が澄んでいたら富士山も見えるとのこと。さすがに今日はガスっていて見えませんでした。

ただ、一番撮影したい方向に、ビルの角が来ていて、けっきょく撮れなかったのは残念。

メインの撮影は明日の朝なので、早めに寝ることにします。

 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2013/06/01

「田毎の月  The moon reflecting in the individual rice fields 」の動画アップしました


撮影場所は、山梨県南アルプス市中野の棚田、長野県千曲市姨捨(おばすて)の棚田、岐阜県恵那市坂折の棚田です。

2014度版の「旧暦棚田ごよみ」のPVでも使えるかなと思ってます。

 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

« 2013年5月 | トップページ | 2013年7月 »