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2017/08/29

【愛犬物語 其の百八十六】 神奈川県川崎市 元住吉の「ブレーメンの音楽隊」像

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神奈川県川崎市の元住吉駅西口を出たところの商店街は、「モトスミ・ブレーメン通り商店街」といいます。

「ブレーメン」と聞けば、「ブレーメンの音楽隊」の童話が思い浮かびます。そして「ブレーメンの音楽隊」と言えば、ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリの動物たちです。「犬像」に関係するということで、訪ねました。

駅の入り口に、この「ブレーメンの音楽隊」像が立っています。台座の説明プレートにはこうあります。

「グリム童話で有名な『ブレーメンの音楽隊』をもとに、1952年、ドイツ・ブレーメン市庁舎の西側に、彫刻家ゲルハルト・マルクスによってこの像が建てられました。年老いた動物たちが、ハンザ同盟の貿易港であるブレーメンに職を求めて向かうという物語は、当時のブレーメンの繁栄とあこがれがよく伝わってきます。この像のロバの両足を両手でさわると、幸せがおとずれるという言い伝えがあります。」

また、裏側の説明プレートによると、

この像は、北海道中札内村の農村休暇村フェーリエンドルフの代表取締役 西惇夫氏が、2012年に寄贈したもの。ちなみに、1989年、ドイツにある像の型を採って制作したものだそうです。

ドイツ・ブレーメン市の像と同じものらしい。でもなぜ、ここがブレーメンと関係があるのか、調べてみたら、意外なことが…

1988年、元住吉商店街をリニューアルしたそうですが、そのときに、テーマを「中世ヨーロッパ風」として商店街の新しい名前を公募したそうです。それで採用されたのが「ブレーメン」なのです。だから「ブレーメン」が先にあったわけではないのですね。

1990年には「元住吉西口商店街」から「モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合」に名前が変わりました。

1991年3月には、ブレーメン旧市街のロイドパサージュ(商店街)と友好提携を結び、以来、長年交流が続けられてきました。

また、駅前の像とは別に、駅から200mほどいった商店街インフォメーションセンター前にも、「ブレーメンの音楽隊」像が飾られていますが、これは1998年、ブレーメン通り商店街の10周年記念に、ドイツ・ブレーメン市とロイドパサージュから贈られたものです。


ところで、「ブレーメンの音楽隊」の童話もいろいろと解釈されますが、心理学的にはどうなんでしょうか。

「高齢者の生き方やリハビリテーションを描いた物語という側面もある」というのは、精神医学の高橋正雄氏です。(『中高年の心理臨床』 p181)

動物たちは、結局、ブレーメンで音楽隊に入ることはやめて、途中の泥棒の家に住み始めますが、高齢者同士で助け合いながらいっしょに暮らすというグループホームに安住の地を見つけます。邪魔者扱いされた高齢者の話で、切なくなりますが。

彼らの中で、とくにロバが中心的な役割を果たしていますが、「専門家」としてではなく、同じ立場としての「ピア(仲間)・カウンセラー」的な支援をしています。他のメンバーに、魅力的な課題を与えて、新たな生きがいや生きる張り合いを感じてもらえるようなケアです。

そう言えば、像の説明には、「この像のロバの両足を両手でさわると、幸せがおとずれるという言い伝えがあります」という一文がありますが、まさに、ロバがセラピストであることを示唆しているということではないでしょうか。

いや、実際ドイツでは、ロバの臨床心理的な役割がちゃんと意識されているのかもしれません。

偶然なのですが、ロバには特別な思い出と感情があります。俺もロバに助けられたことがあるのです。あの小雪降る峠越えの夜、ロバ(名前は「ドン」)と俺は日本語で会話した記憶がある(頭が高山病と寒さと疲れでもうろうとしていた)のですが、確かにロバはピア・カウンセラーだったかもしれません。

「こんな目に遭わせて申しわけないね」
「いいよ、気にしなくて」
「疲れたろ?」
「ううん、まだだいじょうぶ」

ところで、これは【愛犬物語】なので、最後に犬の話を。

駅前の犬像を見て、あばら骨が浮いているので狼を連想してしまいました。痩せた猟犬というイメージでしょうか。越後柴犬の「忠犬タマ公」と似ていなくもないかな。

商店街のプレートの絵姿も、歯が強調されて、まるで狼のようにも見えます。でも、西洋では「犬」と「狼」は混同しないということなので、やっぱり、これは「犬」なのでしょう。

犬も、老いぼれてきて猟に出れなくなり、飼い主に殺されそうになった時、ロバにブレーメンに行こうと誘われます。

泥棒の家では、泥棒の足に噛みついたのが犬でした。犬は、「噛みつく」ことで、仲間の役に立つことができて、自分の存在意義を再確認したともいえるでしょう。

歯が強調されているのは、そのあたりが意識されているのかな。

若者と比べてもしかたない。歳はとっても、自分にできることをやれば、それでいいという自己肯定にもつながります。

それを気づかせてくれたのがロバ、というピア・カウンセラーだったようです。
 
 
 
 
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