カテゴリー「文化と芸術について」の67件の記事

2018/10/09

玉川麻衣個展「死と乙女」と、板橋雅則展

Dn05rcqxsaabit4(玉川麻衣さんツイッターより)

Itabashi(板橋雅則展のDMより)
  
 
知り合い2人の個展をハシゴしました。両個展とも、まだ開催中ですので、ぜひ見に行ってみてください。おすすめです。
 
 
■ 玉川麻衣個展「死と乙女」
   会期: ~10月19日(金) ※15(月)休
   時間: 11時~19時
   会場: 八犬堂ギャラリー 
        世田谷区池尻2-4-5 IID-118 
        (世田谷ものづくり学校 118号室)

玉川さんの絵は、去年、オオカミ信仰を調べている中で、「狼伝承と登る七ツ石山展」で知りました。玉川さんは七ツ石神社の再建プロジェクトに協力しているので、丹波山村に玉川さんの原画を元にしたオオカミの絵の手ぬぐいがあるのですが、今回『犬像をたずね歩く』でも手ぬぐいの絵を掲載させてもらいました。
絵は、『鶴の恩返し』のツウが自分の羽をむしって布を織ったような、鬼気迫るものです。じっと見つめていると、異界に引き込まれそうになります。戻れなくなるような怖さも感じます。
 
  
 
■ 板橋雅則展
   会期: ~10月14日(日)
   時間: 12時~19時
   会場: ぎゃらりー由芽のつづき
        三鷹市下連雀4-15-2-101

板橋さん夫婦とは、昔、中国雲南省のシーサンパンナのタイ族民宿で出会って以来の付き合いです。10年前くらいまでは、板橋さんの絵には、人間の姿がありましたが、今回は、一見すると見当たりません。
でも、前より、視点が高くなったような気がします。前は、200m上空から見ているような絵だとすると、今回のは、もっと高度が高く、例えれば、Google Earthで地球のどこかを見ているような感じなのです。模様は道なのか、畑のあぜ道なのか、砂漠の遊牧民の家畜を囲っている柵にも見えます。人もいるんじゃないかとつい目を凝らして見てしまいました。
そのうち板橋さんの絵の視点は、もっと高度を上げていくのかなという個人的期待もあります。


タイプのまったく違った絵なのに、共通したものを感じます。いい絵かどうかは、どれだけ自分がその絵の中に入り込めるか、ということで、その内側の世界に共感できたということなんだと思います。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/10/07

『絶滅した日本のオオカミ』 (02) アイヌの「イヌ」と「オオカミ」

_87a2715(セタカムイ岩とヴィーノ)

_87a2825(セタカムイ岩と日の出)

_87a3203(新ひだか町アイヌ民俗資料館の北海道犬(アイヌ犬)の剥製)


前回に引き続き、『絶滅した日本のオオカミ』 の内容からですが、アイヌにとっても日本人にとってもオオカミは神、あるいは神の使いとして崇められていたという話は書きました。

でも、アイヌと日本人では、オオカミに対する認識の違いもあるという話です。

「恐らくもっとも基本的な違いは、日本人が低地の「現世の」農村と異なり、山をはっきりと他界とみなしたことだ。」と著者はいう。

日本人は、オオカミを山=他界に棲む生き物と考えたということでしょうか。

「韓国、中国から渡来した宗教の伝統(仏教が最有力)は、日本人のオオカミに対する態度にも影響し、絵馬・お札・石像などに見られるように、貴いオオカミを図像的な型の中に住まわせた。農村の「現世」確立と同じように、やがて、仏教の理論はオオカミを実体とはかけ離れた姿に遠く追いやった。」

とあります。

また、野生動物に対する人間の態度について、米・日・独の比較をした調査があり、その中で、「日本人は動物や自然に関する実体験よりも人工的、かつ高度に抽象化された象徴的なものを好む」と答えた。」とのことです。

確かに、お犬さま像やお犬さまのお札で表現されたオオカミ像は、実態とはかなり違う姿をしたものもあります。各地のお犬さま像はバリエーションがあり、そこが想像力の豊かさと言えるわけですが、あくまでも「お犬さま」のイメージです。

それとは対照的だったのが、アイヌの世界観です。

「アイヌにとって唯一の別世界はカムイモシリ「神々の地」だった。そこは人々も住むことができた形而上の世界だった。つまり、日本人と違ってアイヌは地の全ての生き物と分かちあう一つの世界の一員だった。アイヌにとって、動物と人間は同じ地球の生き物仲間として同じ存在空間を共有した。」

日本人が、オオカミを他界の動物ととらえたのとは違い、アイヌにとって、オオカミは、もっと近い関係だったということでしょう。

それとアイヌは「イヌ」と「オオカミ」をはっきりとは区別しなかったという話がありますが、同じ理由かもしれません。

『犬像をたずね歩く』に、北海道古平町の「セタカムイ岩」を入れたのですが、この「セタカムイ」とは、「セタ=犬」、「カムイ=神」なので、「犬の神」という意味だと書きました。

でも、地元にある資料には、「犬」ではなくて「オオカミ」という説もあるとのことでした。どうしてだろう?と思ったのですが、その理由らしきものがこの本に書いてあります。

アイヌは特定の場所をオオカミに結びつく名前を付けました。たとえば、三石と静内の間にある山を「セタウシヌプリ(オオカミが棲んでいた神の山)」、然別湖にある一つの山を「セタマシヌプリ(オオカミが天から降ってきた山)」と呼びました。

これらの山名の「セタ」をここでは「オオカミ」と訳しています。でも、「セタ」はアイヌ語で実際には「イヌ」を意味します。

「アイヌは意識のなかでいずれにしろ両者をほとんど区別していなかった。自然を識別し分類する際に、アイヌはイヌとオオカミの違いをあまり重要視しなかった。」

とあります。

村で人を助けるのが「イヌ」で、山でシカを狩るときは「オオカミ」になる。アイヌは二種類のイヌ科動物を同じように見ていて、どちらか区別が必要とされるとき、その状況次第で変わったようです。

イヌとオオカミの区別に鈍感ということは、区別する必要がなかったからで、元々アイヌは馬を飼っていなかったので、馬が食べられて、犬とは違った厄介な動物としてオオカミを意識することがなかったということでしょう。

あらためて「セタカムイ」の「セタ」はどっちだろう?と考えると、飼い主を待って、あるいは飼い主を慕って、あるいは猫を追って岩になった伝説なので、ここは「イヌ」でいいのかもしれません。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/09/27

「東北お遍路写真コンテスト2018」 作品応募の〆切は9月30日

Ohenro_photocon_2018_2


「東北お遍路写真コンテスト2018」 作品応募の〆切が近づいてきました。

〆切は9月30日ですが、最悪、プリントが間に合わなかったら、今回特別にデータでも受け付けることになりました。

添付先は、東北お遍路写真コンテスト事務局まで。

cxh05551@nifty.com

データ便をご利用されると便利です。URLをお知らせください。

また、データ便を利用されない方は、まず、長辺500pixcel~1200pixcel程度、500KB~1MB程度の軽い画像データを、メールアドレスに添付ファイルとしてお送りいただきます。その後、入賞した場合は、プリントをするため、大きな画像(オリジナルの画像データ)をお送りいただきます。

なので、オリジナルデータが、どれだけの大きさがあるのかも、あらかじめお知らせください。(あまりにも小さい写真ですと、展示ができませんので)

なお、募集要項は、こちらのページに掲載しています。

http://asiaphotonet.cocolog-nifty.com/blog/ohenro_photocon_2018.html

  
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/09/26

『松田重仁 彫刻展 水の祈り・いのちの輝き』

Img_20180926_154728033


『松田重仁 彫刻展 水の祈り・いのちの輝き』開催中です。

■会期:2018年9月26日(水)~10月2日(火)
■会場:西武池袋本店6階(中央B7)=アート・ギャラリー

命の源である水を得て、植物が芽を出し、育ち、実をつけて、やがて朽ちていく、そういった命の循環を表現したものです。

木彫なので、曲線に柔らかさがあり、植物の芽の表現にはぴったりです。

松田くんとは、10月下旬、二人展『水を掬う』をやることになっています。お互い、写真と彫刻、会場の半分くらいづつ展示する予定ですが、松田くんの木彫には大きな作品もあるので、搬入は大掛かりになりそうです。

それで俺もなるべく、大きな写真パネルを使うことにします。

水がテーマなので、メコン河と棚田の写真で構成します。

地元チベット族がメコン河の源流だといって案内してくれたところは、海からの龍神様が下りたという聖山ホホジョディのふもとの水たまりでした。

そして、メコン河口に小舟でたどり着いたとき、水平線から天高く湧き上がる雲はまさに龍であることに気が付きました。メコン河でも水の循環を感じることができたのです。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/09/04

『2018それぞれの猫展』のお知らせ

E4dd48


友人のグループ展です。
「猫」をモチーフにした絵画・版画・イラストレーション・羊毛フェルトetc.

『2018それぞれの猫展』
9/10~9/16 (11:00~18:30 最終日16:00)
銀座 ギャラリーあづま
東京都中央区銀座5-9-14
銀座ニューセントラルビル1F
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/08/01

『縄文 JOMON 一万年の美の鼓動』展

287a3391

287a3394

287a3398


9月2日まで東京国立博物館で開催中の『JOMON 縄文 一万年の美の鼓動』展へ。

ここには、今年4月に犬像本に掲載するために撮影させてもらった、栃木県藤岡神社遺跡から出土した犬形土製品も展示されているということで、犬像に再会するため、という意味もありました。

今回の展覧会は縄文時代の国宝6点がすべて集結するというぜいたくなものです。史上初だそうです。ただ6点すべて揃ったのは、昨日からでした。それまでは4点だけ。だからなのか、昨日はけっこう混雑していました。

国宝は、5点が土偶、1点は火焔型土器です。すべてすばらしいのですが、特に気にいったのは、「縄文の女神」と「合掌土偶」です。

「縄文の女神」は縄文時代中期のもので、山形県舟形町で出土しました。

正面からの写真を見ていたのですが、実物を真横から見ると、この女神像のユニークさが際立ちます。世界的に女性像はたくさん出ていて、たいていお尻が大きく誇張されているのですが、こういった形は初めて見るものでした。

「合掌土偶」は縄文後期、青森県から出土した座った人が合掌しているものです。縄文の祈りの姿を表しているそうです。

どうしてこんな発想や造形が生まれるんでしょうか。素晴らしさに言葉が出ないですね。カンボジアのクメール石像も好きなのですが、縄文にもクメールにも、原初的なエネルギーを感じます。

ところで、犬像ですが、この藤岡神社遺跡の土製品だけでした。半年ぶりの再会です。動かないようにテグスで固定してあって、それは大切な出土品を守るにはしかたないのですが、大きな像ではないので、鑑賞するにはテグスが気になってしまいました。

とにかく、あと2週間で、この犬像が掲載された本が本屋に並ぶことを想像するとワクワクします。

それと、珍しいと思うものに、岩手県で出土した狼形鹿角製品というものがありました。会場内はすべて撮影禁止なので、この写真はありませんが(こちらに画像があります。http://j-shibainu.sakura.ne.jp/pdf/Digest26.pdf)、長さは25cmくらいでしょうか、細長い鹿の角の先端に狼のような動物の顔が彫られて(造られて)いるものです。

近づかないとわからないほど小さなものです。何に使ったものでしょうか。似たものとして髪飾りがあったので、これも髪飾りなのでしょうか。

それと、説明文には「狼形」と書いてあったのですが、「犬形」かも。縄文犬は、ストップがほとんどなく、狼と似ているということはすでに書いた通りです。まぁ、どっちかは、作った人に聞かないとわからないかもしれません。

ある博物館の学芸員が「考古学が面白いところは、みんな、自由に想像できること」とも言っていたとおり、俺にとっては、狼でも犬でも、どっちでもいいのですが。

ただ、強いものを身に着けることで、お守りにするという目的なら、日常的に傍にいる犬ではなく、森の最強動物であった狼の可能性は、やっぱり高いのかもしれません。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/07/22

「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産推薦候補に選定

_mg_9333

_mg_9341

Img_0469

Img_0481


7月19日に開催された文化審議会世界文化遺産部会で、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が平成30年度の世界文化遺産推薦候補に選定されたというニュースが入りました。

これは2020年登録を目指す候補です。あくまでも今の段階では、「候補」で、他に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」があります。政府がどちらを推薦するかについて文化庁は「未定」と言っています。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成要素は、津軽海海峡を挟んで、北海道と北東北にありますが、その中に三内丸山遺跡や大湯環状列石が含まれています。

三内丸山遺跡は青森市の南西部に位置します。縄文時代前期中頃から中期末(紀元前3,900年~2,200年頃)の、日本を代表する大規模な縄文集落遺跡です。復元された建物や、出土した土偶などの展示品を見ることができます。

秋田県鹿角市の大湯環状列石は、「ストーンサークル」とも呼ばれていて、ミステリアスな雰囲気があります。

後期前半(紀元前2,000年~1,500年頃)の遺跡ですが、200年以上にわたって造り続けられました。大規模な共同墓地と考えられているようです。

メインとなる環状列石は直径40m以上もあり、「日時計」といわれる石柱が立っています。
  
  
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/07/01

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録

_87a3651(大浦天主堂)

Img_6064(大浦天主堂)

_87a3822(出津教会堂)

140926_1(崎津協会)

_87a4012(春日集落と棚田)

_87a4092(安満岳北麓の山野教会)

_mg_7330(原城跡)


先月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、国際記念物遺跡会議(イコモス)によって「登録が適当」とユネスコに勧告されたニュースはすでに書きましたが、6月30日、中東バーレーンで開催のユネスコ第42回世界遺産委員会でで正式に世界文化遺産に登録されました。

これで、日本国内の世界遺産は、昨年登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」に続き22件目になります。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素は12カ所ありますが、その中で次の5カ所を訪ねています。

大浦天主堂: ゴシック調の国内現存最古の教会堂

外海の出津集落: ド・ロ神父が私財を投じて建てた出津教会堂

天草の﨑津集落: 潜伏キリシタンがカトリックに復活した地、畳敷きの崎津教会

平戸島の聖地と集落(春日集落と安満岳): 潜伏キリシタンの様相をとどめる集落

原城跡: 島原・天草一揆の舞台
 
 
そしてたまたま偶然なのですが、今年連載中の「旅するヴィーノ」7月号は、この崎津教会でした。ヴィーノは、やっぱり、もってるなぁ。

3b510eaa
 
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/06/23

「犬形土製品 縄文の犬像、パリでお披露目 栃木・藤岡神社遺跡出土の国重文 10月の日本博で」のニュース

Img_6757(渡良瀬遊水地)
 
 
「犬形土製品 縄文の犬像、パリでお披露目 栃木・藤岡神社遺跡出土の国重文 10月の日本博で」のニュースがありました。

https://mainichi.jp/articles/20180613/ddl/k09/040/183000c

「栃木市の藤岡神社遺跡から出土した縄文時代の犬の像「犬形土製品」=国重要文化財=が今年10月、フランス・パリで開かれる日本博「ジャポニズム2018」に出品される。東京国立博物館(東博)で7月に始まる特別展「縄文 1万年の美の鼓動」での展示も決まっており、戌(いぬ)年の今年、国内外で脚光を浴びることになる。」

と、いうものです。

ようやく情報解禁ですね。このことについては知っていました。栃木県立博物館で4月に撮影させてもらった「犬形土製品」がついにパリでお披露目です。

縄文時代の犬形土製品は全国から約10体出土していますが(多くは猪形)、その中で代表的なものが、この藤岡神社遺跡から出土したものです。

前足をふんばって、大きな口を開けているものです。おそらく吠えている瞬間をかたどったものだと思われます。そのユニークな姿に一目ぼれしました。

土製品の写真については『犬像』の続編、現在編集作業中の『犬像をたずね歩く』に掲載するので、ここではアップできませんが、ネットで検索すればすぐ見つかります。

撮影したとき、係の人から「触ってもいいですよ」と言われたので、持ってみたら、意外とずしりと重かった。中は空洞ではないということです。

それと、面白いと思ったのは、肛門と、腹に「×」印がありました。これとは別の埼玉県加須市で出土した犬形土製品にも、肛門がありました。そこは共通しています。どうして「肛門」なのかはわかりませんが。

出土した藤岡神社遺跡は、渡良瀬遊水地の近くで、掲載の写真は、その遊水地の明け方の写真ですが、遠くには筑波山も見える広々とした場所です。縄文時代人も、こんな風景の中、犬と暮らしていたのかなぁと想像するとわくわくしてきます。

きっと、犬をよく観察している人たちだったからこそ、あんな素晴らしい犬像を作れたのだろうと想像します。日本文化紹介の展示で、犬形土製品が出品されることは、別に俺が犬像を作ったわけではありませんが、妙にうれしく感じます。あの犬像に「日本文化」を感じる人がやっぱりいるんだなぁと。

7月3日~9月2日には東京国立博物館でも展示されるということなので、今から楽しみです。しかも、ちょうど『犬像をたずね歩く』の出版が8月なので、展示と出版が重なります。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2018/04/08

高畑勲監督がなくなりました。ご冥福をお祈りします。

160206


「火垂るの墓」や「アルプスの少女ハイジ」などの名作を手掛けたアニメーション映画監督の高畑勲さんが亡くなりました。

2013年の『かぐや姫の物語』 は監督の好きな作品でした。

不老不死の月の世界が、けっして「生きる」ことを実感させない世界として匂わせている、と感じました。

だから月(理想郷)に生きる人(神?仏? 完全なる者)たちとの対比として、かぐや姫は、地上(現実世界)に生きる生々しい人間(不完全なる者)として描かれていました。

月に生まれたかぐや姫が、月からすればどうしようもない地上に「生きる」ことを見つけ、ここに残りたくなった、でも残れないという葛藤は切なくなりますね。

とくに、その内面が現れていたのは、屋敷から抜け出すシーンです。まるで殴り描きのような絵が画面を疾走する感じが、とてもよかった。「なんだこれはー!」という斬新な表現。「生きる」を感じさせます。

高畑勲監督は、肺がんだったそうです。享年82歳でした。

ご冥福をお祈りします。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

| | コメント (0)

より以前の記事一覧