カテゴリー「旅(外国)」の363件の記事

2017/03/15

マレビト来たる

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先日、19歳になるドイツ人の女の子と会いました。

彼女は俺の知人の娘さんです。たまたま1か月間、日本に仕事の出張で来ていて、お母さんから娘と会えますか?と連絡があったのですが、ん~、でも彼女とはまったく関係がないし、しかも19歳だし…と、ちょっと渋ってしまいました。

彼女のお母さん自体、36年前に1度会ったきりの人で、当時はまだ14歳でしたが去年、俺のポストカードを見つけた彼女の娘さんが、ネットで俺を検索して探し出したのでした。

その話は、去年「36年前、スイスで出会ったドイツ人家族」に書いています。

そういう事情があって、娘さんとは何の接点もなく、どんな人なのかという情報もなく、会うのが正直億劫でした。

そしたら妻が「あなたも外国でさんざん人の世話になってきたんだから…」と言われて、それもそうだなと思いなおしました。結局妻といっしょに会うことにしたのです。俺ひとりでは、ちょっと荷が重いかなと思ったので。

会ってみたら、まじめな性格で、芸術家タイプでした。だんだん人となりがわかってくると、話もできるようになっていきました。19歳と言っても、政治の話もできるし、大人だなぁと感じました。懐石料理をごちそうしましたが、気に入ってくれたかどうか。

「外人なら秋葉原が好きだろう」というので、夕方、秋葉原のメイドカフェなんかも連れて行ったのですが、ここは、あまり興味を示されず…(女の子だしねぇ)。しかも、場末風メイドカフェの「天空の城」の、ありえへん設定に無理やり付き合わされて、正直、俺自身疲労困憊しました。

彼女は、日本でアートの勉強をしたがっているので、そのうち日本に住むかもしれません。

そうか、彼女は「マレビト」なんだなぁと思いました。

外部からの来訪者(異人・マレビト)に寝床や食事を提供して歓待する風習は、日本だけではなくて世界各地でみられるものです。その根底には、マレビト(稀人・客人)信仰があるとも言われます。

奈良時代の『風土記』にも、突然やってきた見知らぬ客を親切にもてなした者が幸運に恵まれ、逆に冷たくあしらった者が不幸になるという話が載っています。

マレビトは、時には旅人、時には鬼、時には乞食、時には芸能者などの姿をしたカミでもあります。

その信仰には、外部の人間との交流は、とくに昔の山間部の孤立した集団には、物理的、精神的なメリットもあったろうし、もっと深く、集団内の人間と結婚することで、優生学的なメリットもあったのでしょう。

ただ、マレビトは、異界から来た異質な人間なので、最初は警戒されます。たとえば、俺は昔北タイのカレン族から、病気を持ち込むのではないかとか、カレン族の文化を踏みにじるのではないか、とかいう理由で、村では外国人を警戒するんだという話を聞いたことがあります。

そのリスクも当然ありますが、それ以上に、トータルすると、やっぱりメリットが大きいから、こういう信仰が生きているんでしょう。なにしろ人には好奇心というものがあります。

「怖いもの見たさ」という言葉に集約されますが、異質なものに対する警戒心はあっても、それ以上に知りたいのです。そしてその好奇心が人間を作ってきたと言ってもいいのかもしれないのです。

チンパンジーは賢いですが、あまり他の個体に興味はないそうです。他人のことを気にしたり、世話したり、教えたりするのは、霊長類の中では、人間が一番。

その事実と「マレビト信仰」は重なっているように思えます。
 
 
 
 
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2017/03/08

『ライスロード Vol.1 世界の棚田米を食べてみたい』 Kindle版

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何でも棚田に見えてしまう「棚田病」に取りつかれた青柳が、世界中で棚田を探し、棚田米を食べてきた記録、旅行記。

https://www.amazon.co.jp/dp/B06XG9X7X7

フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 1190 KB
販売: Amazon Services International, Inc.
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中国雲南省のハニ族村で、偶然目にした雄大な棚田に感動し、それ以来、「棚田がある」と聞けばどこへでも出かけて行きました。

その中でも、今回(Vol.1)は、中国雲南省・フィリピン・イラン・マダガスカル・インドネシアなど、アジアとアフリカの棚田、棚田米、コメ食品を探し求めたときの旅行記です。
 
 
 
 
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2016/08/27

「ミャンマー地震 バガンの仏教遺跡にも大きな被害」のニュース

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8月24日、アマトリーチェなど、イタリア中部での地震被害がニュースになっていますが、ミャンマーでも地震がありました。

NHK NEWS WEB ミャンマー地震 バガンの仏教遺跡にも大きな被害

地震の震源地はパガンから30kmしか離れていなかったようで、パガンのパゴダ(仏塔)もいくつか被害が出ているようです。

ところで、バガンは世界三大仏教遺跡といわれています。他は、インドネシアのボロブドゥールと、カンボジアのアンコールワットですが、ふたつとも世界遺産に登録されています。

でも、意外なことにこのパガン遺跡だけは未登録です。どうしてなんでしょうか? それで調べてみました。

アセナビ「世界遺産に登録されない…世界三大仏教遺跡ミャンマーのバガンの悲劇」を見ると、

パガンがなぜ世界遺産に登録されないかの理由がわかります。

仏像の周りには、本来あるはずのない電飾が輝いているなど、原型を無視した修復の問題があるという理由がひとつ。たしかに俺も電飾は見たような気がします。

バガン地区内にゴルフコースを造った、高さが61メートルほどもある展望台を建てたなど、景色を壊してしまうようなことをしてしまったというのが二つ目の理由。

ただ、世界遺産に登録されないことが必ずしも「悪」ではないというところに俺も共感できます。

「世界遺産に登録されるということは、国際的に権威のある機関から価値が認定されることを意味し、多くの観光客が訪れる契機となることが多くあります。しかし、この認定は必ずしも現地の人に大きな価値のあるものではないのかもしれません。保護のために、建物内で線香を焚くことが禁止されるなど、いままでのように自由に参拝ができなくなることもあるのです。ミャンマー人からしたら、近代的なものを使って修復したとしても、「バガン」という遺跡自体は変わりないと思っているかもしれませんね。」

その通りだと思います。「遺跡」と呼んでいる時点でパガンを世界史の教科書にでも載せているような違和感はあります。パガンは地元ミャンマー人にしたら、過去の遺物という固定されたものではなく、実際日々の祈りの場所であり、刻々と変化する生きた文化施設であるとも考えられるわけです。

「オリジナル」とは何なのか、ということも考えてしまいますね。

世界遺産にならない方がいいかもしれません。個人的には、あんなにいいところが人が押し寄せる観光地になってしまうのもどうかと思いますし。
 
 
 
 
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2016/05/02

パスポートの要らない外国旅行 (西川口の巻 2)

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義理の妹夫婦が西川口に住んでいて、かなりディープな中国料理店に連れて行ってもらった話は、以前こちらに書きましたが、今回は、あれ以上のすごい店がありました。

客のほとんどは外国(中国)人です。日本語メニューもありますが、ほとんど中国語が主で、店員さんも日本語が流暢ではありません。

まるでパスポートの要らない中国旅行をしているようで、久しぶりで俺も中国語をしゃべることができて、テンションが上がりっぱなしでした。

店の名前は「小城」です。西川口駅の北側の古いビルの1階にあります。

基本、中国東北地方の料理ですが、なんといってもお勧めは、「カオヤンロウ(烤羊肉)」です。羊の焼肉ですが、「ジンギスカン」などと呼ぶ甘っちょろい日本料理とは違って、まさに、「肉を食らう」という表現がふさわしい野性味あふれる焼肉です。

前足、後足など、部位によって値段が違います。

●烤羊腿(前腿): 前足 3800円
●烤羊腿(後腿): 後足 4800円
●烤羊排: スペアリブ 3800円

俺たちは「カオヤンパイ(烤羊排 スペアリブ)」を注文しました。肉は切ってもらいました。(「切らないで」と注文すれば丸焼きでも提供可だそうです)

それで出てきたのが写真(↑)の大皿です。この盛り方も中国的で圧倒されました。5人で食べてもお腹いっぱいなるくらいの量がありました。

この肉と骨の塊を炭火で焼いて、トウガラシ、クミン、炒り塩?(何かよくわからない)の3種を混ぜたものを付けて食べるわけですが、この食べ方の豪快さと相まって、大陸風の匂いと味が口の中から脳天に突き抜けてゆきます。

日本人客が来た時のためでしょうか、「ジンギスカンのたれ」も用意してあります。市販のボトルをテーブルに置いてくれましたが俺は使わず、とくにクミンを付けて食べるのは相性抜群だし、現地ふうでもあるし、一番おいしく感じました。

他に、サラダや、ピータンや、羊肉炒めなど頼みましたが、どれも美味しく、しかも値段も安めなので、大満足です。ビールもおいしく飲みながら外国旅行の話で盛り上がるのは最高です。

最後に店員さんに「この羊肉はどこの? 中国産?」と聞いたら、

「シンシラン」

との答え。予想を外されて、少しショックが。いやいいんです。考えてみれば当然のことです。中国産の羊肉が簡単に手に入るとも思わないので許します。「シンシラン」とは「新西兰(ニュージーランド)」のことです。

ビル奥のトイレや廊下もインパクトありました。はっきり言って、あそこは日本じゃないです。

体中から羊の匂いが出ているのを自分たちでも感じながら駅の方に歩き、妹夫婦のマンションに戻りました。

新大久保も好きな街ですが、日本人客が多くなると、どうしても「日本化」が進み、本来持っている癖や粗っぽさや野性味が失われていくのはちょっと不満だったのですが、西川口は、まだ何があるかわからない面白さがあります。
 
 
 
 
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2016/04/17

「NHK-BS [体感!グレートネイチャー] アラビア 神秘なる黄金の大地 オマーン」は、4月25日(月)19:00~20:30

160417(オマーンの写真はないので、代わりにイラン・ヤズド)


海工房の門田修さんが制作統括した「【体感!グレートネイチャー】 アラビア 神秘なる黄金の大地 オマーン」が放映されます。

日時は4月25日(月) NHK-BSで19:00~20:30です。

門田さんと会うのは久しぶりです。それと去年「感動地球スペシャル・中川翔子のボルネオ」でしょこたんを案内した動物生態学者の安間繁樹さんや、昔週刊誌・グラフ雑誌などでお世話になったデザイナーとか、数人集まって、門田さんから番組の制作秘話などを聞くことができました。

オマーンという国は、砂漠やイスラム教徒や石油くらいしかイメージがありませんでした。まったく縁がなかった国のひとつです。

ただ考えてみれば、オマーン湾をはさんで、対岸はイラン南部なので、イランとは隣国と言ってもよかったのですが。なにしろ棚田がなさそうな国は、はなから眼中にないという俺の偏った嗜好も関係しています。

オマーンはアラビア半島の南東部に位置します。北部は険しいハジャル山地が連なっています。『アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)』のシンドバッドはソハール港から出港したとされています。

オマーンは最近、観光地でもあるらしい。しかもエコツアーも盛んだというのが意外です。ネットで調べたら日本からもツアーが出ていて、13万円代からあるんですね。知りませんでした。

門田さんに治安のことを聞いたら、隣がアルカイダなど最悪の治安と最貧国のイエメンであるにも関わらず、オマーンは裕福で、治安はいいとのことです。で、なければツアーも出ないんでしょうが。

アラビア半島は、昔から海になったり陸になったりを繰り返してきたらしいですね。だから地質学的にはおもしろいところで、「地質学のメッカ」とでも言えそうなところです。番組ではそのあたりを詳しく解説しているようです。もちろんアラビアの砂漠の風景も、中東のフィヨルドと呼ばれる絶景も出てくるようです。

門田さんの話がひと段落ついて、俺も少しだけ世界の棚田(とくにイランやマダガスカル)の映像を披露する時間がありました。みなさんからは「棚田の定義」について突っ込まれたりしながら、楽しく興味を持ってもらったのはありがたかったです。

門田さんには「そのうち世界の棚田の番組も作ってください」と、少し営業活動もしておきました。
 
 
 
 
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2016/04/12

映画 『ダイダロス 希望の大地』を観て

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映画 『ダイダロス 希望の大地』 を観ました。2012年公開のカザフスタン映画、2時間18分の大作です。カザフスタン映画というのは珍しいかなと思います。

ロシアからの独立20周年記念作品として国家史上最高額の8億円を投じ、国の威信をかけて製作された、迫力の歴史スペクタクル作品です。2012年度アカデミー賞・外国語映画賞エントリー作品になりました。

だいたいのストーリーはこんな感じです。

18世紀のカザフスタンが舞台です。モンゴル族(「ジュンガル」と呼んでいました)が押し寄せてきて、家族を殺されてしまいます。いったん山奥で暮らしますが、民族の誇りと愛する人を守るため、カザフ族の青年サルタイは同じ10代の勇士たちと報復を誓い、敵陣へと乗り込んでいく、というものです。それは何十年に渡るモンゴル族の迫害から祖国を開放する歴史に残る闘いになりました。

物語としてはそれほど複雑ではないのですが、圧倒的なスケール感と、なんと言っても大草原のすばらしさには涙が出そうです。

カザフについては特別な思いがあるからです。

カザフという人たちを知ったのは、中国新彊ウイグル自治区の北西、博楽市にサリム湖(賽里木湖)と呼ばれる湖があって、そこに写真を撮りに行ったときでした。

透明な水をたたえた海抜2073メートルの湖の周りは、カザフ族の夏の放牧地で、青々とした草原に白いユルト(移動式天幕住居)が点在していました。

カザフ族は今は完全な遊牧民ではありませんが、夏・冬と家畜を移動させて暮らしているので、持ち運びができるユルト住まいなのです。草原では、馬、羊、ラクダの放牧をやっています。

俺は湖畔のドライブインの宿に10日ほど泊まって彼らの写真を撮っていました。

夏の3ヵ月間、カザフ族はサリム湖畔で暮らします。秋になって草原の草が枯れ、家畜の放牧ができなくなると低地へと帰っていきます。

10日間で結婚式にも参加したし、男たちと酒盛りもしたし、ある家族とは友だちになりました。

そろそろサリム湖を離れようと思っていた日のこと。空は青く澄みきって、快い風が吹いていました。俺は高原の空気を満喫しながら、何度かおじゃましていたユルトのおばさんが淹れてくれたお茶を飲んでいました。そして、何気なく、

「どうして夏はここで暮らすんですか?」

と聞いたのでした。彼女にこう聞いてしまったあと、「羊や馬の牧草のため」と、答えは分かりきっているじゃないかと、くだらないことを聞いてしまったなぁと後悔したのですが、彼女はこう答えたのです。

「だって低いところは今とても暑いのよ。ここは涼しくて気持ちがいいじゃない」

これは予想外の答えでした。そして、

「嫌なことはやらずに好きなことをやればいいのよ」

と言っているように聞こえたのです(そう感じたのです)。

あとで日本へ帰り、カザフ族のことを調べてみると、中央アジアの大草原で遊牧生活を送っていた人たちの一部が「自由人」という意味で「カザフ」と呼ばれたのが、今日のカザフ族のはじまりだと知りました。彼らは文字通り草原の自由人だったのです。

こんな体験があって、俺も遊牧民みたいな暮らしがしたいなぁとあこがれて、2009年には1年かけて、奥さんとヴィーノを連れて、日本一周の車旅に出たきっかけにもなりました。

俺には「カザフ」という人たちは懐かしくも、大切な思い出のひとつなのです。
  
 
 
 
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2016/04/08

36年前、スイスで出会ったドイツ人家族

160408(スイス・マッターホルンと月 1980年夏の夕暮れ)


先日一通のメールが届きました。件名も文面も英文なので、迷惑メールのフィルターをすり抜けてきた怪しいメールだと思って削除しようとしたとき、最初の「Dear Kenji,」というのが目に入り、あらためてメールを見直してみると、なんと36年前の知人からのメールでした。

そのドイツ人家族とはスイスのマッターホルンで出会ったのでした。いい天気で、マッターホルンの山頂も青空をバックにくっきりと見えていたのをはっきり覚えています。

その後、記念写真を送ったりして、お互い文通を何度かしたと思いますが、そのうち、手紙も出さなくなり、いつのまにか連絡先もわからなくなりました。

今までも、スペインでローマ時代の遺跡発掘のボランティアで知り合ったスペイン人とか、雲南省で出会った日本人学生(現在は大学の先生)とか、何度かこういった突然の再会を果たす経験があったのですが、そのたびに思うのは、ネットのすごさということです。

名前だけで探し出せる世の中になったというのは驚きです。もちろん俺の場合は、プロフィールも公開しているし、HPも多いので、探されやすいということはあるかもしれません。(でも当時写真家になるなどとは言ってなかったですが)

一般的には、同姓同名もたくさんいるので、そこから特定するのはそんなに簡単ではないかもしれません。

実際、昔中国で出会ったドイツ人(カメラマン志望者)を探そうとしたことがありましたが、同姓同名らしい人物がたくさん出てきて、顔写真でも載っていないかぎり、アドレスもなく、本人なのかどうなのか確かめようがありません。だから条件によってはそんなに簡単ではないかもしれませんが。

そのドイツ人家族の当時14歳だった女の子は、結婚して娘さんもいるそうで、その娘さんが俺が昔出したポストカードを見つけたらしいのです。それで思い出して俺を探したらしいのですが、簡単に見つかったと書いています。英文のプロフィールにも、出会った年にヨーロッパ旅行していることは書いていたと思うので、それから確認できたのでしょう。

とつぜん36年前にタイムスリップした感じ。36年間思い出さなかったことが、ちゃんと思い出せるって、考えてみれば、記憶というのはすごいですね。この記憶のことは自分のことに関する「自伝的記憶」といいます。

そういえば、妻も20代のころはよく思い出せると言っていて、俺もドイツ人家族のことはすぐに思出せましたが、若いころというのは良く思い出せるものらしい。

これは確か心理学の教科書にも載っていたなぁと思ったので、調べ直してみると、「レミニセンス・バンブ」というらしい。「レミニセンス」とは「追想」で、「バンブ」とは「盛り上がったところ」という意味。

高齢者に過去の体験を思い出してもらうと、10~20代にかけてのことが比較的よく思い出せるというものです。この「よく思い出せる」」という部分の盛り上がった曲線のことです。

どうしてか?というと、この時期は初めての体験が多くて記憶に残りやすく、また人生で重要な出来事が集中していて脳が活性化しているからではないか、という説が有力らしい。

最初の海外旅行はやっぱりインパクトありました。たくさんのことを覚えているし、ドイツ人家族と同じように、きっかけがあれば思い出せるような気がします。

多感な時期に外国旅行していたことが、人生の「核」になっているのを感じます。自分では良かったと思います。
 
 
 
 
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2016/03/29

写真や旅がセラピストの役目を果たす

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放送大学の単位認定試験の結果、心理学科目修得単位はこれで38.5単位になったので、「認定心理士」申請の要件「36単位以上」は満たすことができました。

あとは申請する手続きです。これには3か月くらいかかるようです。まずは、修得単位の証明書をもらうために大学に単位表を送りました。それが返信されてくるのが2か月後らしい。

それから日本心理学会に本申請しなければならないので、もし落とされることなく、無事に資格を取れたとしても、今年の夏くらいにはなってしまいそうです。

急いでないので時間はとくに気にしませんが、景観や風景など、今まで関心があったことについて、もっと自信を持って原稿を書けるのはいいかなと思っています。

そして新しく、講演会やセミナーやトークショーの講師と主催者をマッチングするサイトに登録することにしました。

今までも講演会やセミナーは頼まれればやってきましたが、これからはもっと積極的にやってみたいと思います。

テーマはもちろん棚田や旧暦もですが、今度は心理学を生かしたテーマにも取り組んでいきたいと思います。芸術療法、表現療法、写真療法としての写真と旅について。

イメージを活用して自分の創作活動に生かしたいと思って心理学を勉強し始めたら、写真や旅がいかに元気をくれたか、生きる上での助けになったか、自分にとってはセラピストの役目を果たしていたことがわかってきました。

「写真療法」とか「表現療法」とか「芸術療法」とか、ちゃんと名前まであって、内容を知っていくうちに、これは俺が若いころからずっと抱えていた問題の解決策になるのでは?と思ったのでした。

それを発信する方法です。講演会やセミナーやトークショーは適しているのではないかと。

以前、バイオリニストの葉加瀬太郎さんのラジオ番組に出たとき、葉加瀬さんから「あおやぎさんにとって旅とは何ですか?」と聞かれた時、「やらざるを得ない、仕方ないもの」と思わず答えました。

「外に出たい」という強い衝動です。水や空気がないと死んでしまうように、旅がないと精神的に死んでしまうのです。だから逆に「旅しているときは精神的に安定する」と言うこともできるのです。

そのときは葉加瀬さんからも「なんて大げさな」とも思われたようだし、俺自身も、大げさな答えだなぁと少し恥ずかしくなりました。でも、今考えると、旅はまさしく俺のセラピストだったのです。無意識に答えことが、数年たって当たっていたことがわかりました。

詳しくは機会をあらためてまた書こうと思いますが、白いキャンバスに体を使って軌跡を描くようなイメージがあって、俺にとっては旅も「表現」のひとつなのです。

ただし、こういった切羽詰まった人は、一般的ではなく、特殊な人だけなのかもしれません。そこは自覚しているつもりです。副作用の強い薬の処方箋かもしれないからです。

でも、だからこそ、悩んでいたり、先行きが見えなくなっている人に少しは参考になることもあるかもしれません。
 
 
 
 
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2016/03/28

フランス・パリで出会った東洋人。「二重身の現象」について

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『河合隼雄著作集 ユング心理学の展開2』(岩波書店1994)に、「二重身(ドッペルゲンガー)の現象」というのが書いてありましたが、似たような体験があったので興味をひかれました。

ところでこの本によれば、江戸時代に「影のわずらい」とか「影の病い」と呼ばれるものがありました。またの名を「離魂病」。これは自分自身の姿を見ることだそうです。

自分の姿を見ると死ぬという言い伝えは、日本だけでなくドイツにもあるそうです。ただ魂が抜けた話でも、中国にはハッピーエンドになる話もあるようで、一概に自分の姿を見ることが悪いかどうかは言えないようですね。

「二重身」というのは、もうひとりの自分の姿が見えたり、その存在が感じられたりする現象のことですが、心の内に別人格があってそれが交互に出てくる「二重人格」とは違います。

芥川竜之介も二重身の体験があったといわれ、『二つの手紙』という二重身をテーマにした短編があるそうです。

二重身の体験には鏡が関わっていることがあります。フロイトもこういった体験がありました。旅行中、寝台車で、一人の老人が自分の部屋に入ってきたので、間違えてますよと説明しようと思ったら、ドアの鏡に映った自分の姿だったという体験です。

これは自分の映像を他人だと思ったので、二重身とは真逆の体験ですが、自分に対する存在感について不安を引き起こす点で、精神的には二重身体験と共通するものがあるのだそうです。

そこで、俺の体験はこういうものです。フロイトのと少し似ていますが。

それは20代に、ヨーロッパを旅していたときのことです。金がなくなって、いくつかバイトをしたのですが、最後に行き着いたのがパリの韓国系フランス人経営の日本・韓国レストランでした。

ある日、レストランが非番だったのか、街を歩いていたら、向こうから東洋人が歩いてきたのです。その姿はちょっと薄汚れていました。

当時は、薄汚れた格好をした東洋人は、日本人バックパッカーが多かったので、「あ、日本人だ」とピンときて、挨拶しようか、どうしようか迷いながら進んでいくと、向こうもこちらを見ながら歩いてくるのです。

そして、数メートルに近づいたとき気が付きました。そうです。それは店のガラスに映った自分の姿だったのです。

苦笑してしまいました。どうして自分だと思わなかったのかと。

長く外国へ行っている人は体験するのかもしれませんが、自分の目がフランス人になっているんですね。つまり、俺自身の姿(見かけ)も、周りのフランス人と同じだと思い込んでしまっていた、ということなんだろうなと思いました。あくまでも錯覚なのですが。慣れといってもいいかもしれません。

でも、この二重身の話を聞くと、この体験が別の意味を持っていたんだなとあらためて思うのです。

二重身体験の背後に、「ぼくは本当は何なのか?」とか「ぼくとは何か、人とは何か?」といった根源的な問いが存在していると、この本では指摘しています。

俺の体験で言い換えれば「日本人とは何か?」という問いになるでしょうか。当時を振り返ると、確かにそれはあったかな。

日本のど田舎から突然ヨーロッパへ行って、フランス人の中で暮らしていくということは、日本人というものを逆に意識せざるを得ない場面が多くあったはずです。

でも、「あの東洋人は、俺ではない」という否定から入っているわけですね。内心ではフランス人のようになりたいという(見かけも、文化的にも)願望があり、パリのレストランで働いてもいるし、既にそうなっていると自分では思っていたのに、でも、そうではないんだということを薄汚い東洋人の姿を見せつけ、俺に現実を突き付けてきた体験だったのかなと思います。

日本人はあくまで日本人でしかないんだということです。当時、正直言えば俺も西洋人に対して劣等感があったのは確かです。否定から入ったのはそのせいではないかと。今は、劣等感はなくなったと思っていますが、わかりませんね、心の中は。
 
 
 
 
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2016/03/20

今日は二十四節気「春分」、あけましておめでとうございます??

160320_1(エスファハン イマーム・モスク)

160320_4(エスファハン チャイハネ)

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新年あけましておめでとうございます。

はぁ??と思う人もいるでしょうが、今日2016年3月20日、イランはイラン歴1395年の元日です。

イランはイスラム教国ですが、大陰暦であるイスラム歴ではなく、太陽暦であるイラン歴を使用しています。

イラン暦の元日は「ノウルーズ」といって春分の日です。イラン以外にも、中央アジアからアフリカまで広い地域で祭日になっています。ヨーロッパなどでも、春分が春の開始とするところがあり、いくつかの国では休日だそうです。(Wiki参照)

ノウルーズでは、さまざまなもので飾って祝うそうですが、金魚鉢に入れた金魚はノウルーズに欠かせない飾りらしいですね。

そういえばイラン映画に『運動靴と赤い金魚』というのがありました。少年アリが、妹ザーラの靴を失くしてしまって、ふたりでアリの運動靴を共有しなければならなくなって、最後は切なくなるような結果だったような。新年には関係ない映画だったと思いますが、色鮮やかな金魚が出てくるのは印象に残っています。

国際連合総会は2010年、この日を「ノウルーズ国際デー」として正式に承認しました。国際的にみると、春分の日は大切な節目の日なんですね。

日本でも、二十四節気「春分」、七十二候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」です。

「春分」は昼と夜の長さがほぼ等しくなるときで、日本でも「春分の日」という国民の祝日になっています。


「春分」の期間の七十二候は次の通りです。

初候: 雀始巣(すずめはじめてすくう 雀が巣を構え始める)

次候: 桜始開(さくらはじめてひらく 桜の花が咲き始める)

末候: 雷乃発声(らいすなわちこえをはっす 遠くで雷の音がし始める)
 
 
 
 
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