続・はじめての「旅」
昨日の続きです。
さて「東京」の第一印象はどうだったのでしょうか? 夜行列車は上野に着いたはずですが、覚えていません。
すぐに上野駅で、あることに巻き込まれました。この話は、俺の記憶もあいまいだったので、最近父親に聞いて確かめました。つまりこういうことがあったようです。
あるおばさんが俺たちに声をかけてきました。一枚の紙を見せて、ここに行きたいんだけれど、どこまで切符を買えばいいでしょうか?と、訛りのきつい東北弁で聞いてきたのです。おばさんは、券売機の周りで人に聞いたらしいのですが、あまりにも訛りがきつくて誰もわかってくれませんでした。そのとき東北弁で話している親子をみつけたので、彼らだったら言葉がわかるのではないかと俺たちに助けを求めてきたということです。もっとも、おばさんはそう言いましたが、俺が父親とそんなに大声で話していたはずはなく、たぶん、言葉ではなくて、格好を見ただけで、俺たちは田舎から出てきたとわかったのかもしれません。
結局、切符は買ってあげましたが、あまりにも不安そうなおばさんをそのまま放って行ってしまうわけにはいかなくなり、その住所まで連れていってあげることにしました。飯田橋あたりだったようです。3人で住宅街を歩いているところは、今でもぼんやりと覚えています。おばさんの息子は大学のために東京に出てきたのですが、ずっと音信不通になってしまい、心配したおばさんは、息子を訪ねてきたという事情だったようです。でも、その住所に息子はいませんでした。そのあとおばさんがどうしたのかはわかりません。
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