癇の虫
「癇の虫」というのを聞いたことがあるでしょうか?
山形の実家に帰ったとき、前から気になっていた「癇の虫」のことを母親に聞きました。子どものころ、確かにこの「癇の虫」が出てきた想い出があるからです。ただ、もう40年くらいたってしまったので、それが本当にあったことだったのか、夢でも見たのか自信がなくなり、母親に聞いてみたんです。そしたら、夢ではなくて、本当に「癇の虫」を出したことがあるそうです。記憶は確かでした。ただ、子どもだから出たんだろうねとも言いました。今やっても出てこないんでは?というのが、母親の意見です。
その「癇の虫」は、どうやって出すのかというと、まずぬるま湯の塩水で手をきれいに洗います。その後、手のひらに筆を使って墨で「虫」と3回書きます。しばらくすると、指の先から白い糸屑のようなものが、ひょろひょろと出てくるのです。まるで、白くて細いミミズみたいに。それを「癇の虫」と言っていました。これを出すと子どもはおとなしくなるそうですが、一種のおまじない、風習みたいなもんだったでしょう。これがうちだけの風習か、全国的な風習かはちょっとわかりませんが。
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