フランスでアルバイト
1980年にフランスに5ヶ月いたからといって病気になるかもしれないと恐れているわけでもないし、ましてや後悔なんかしていません。なにしろ、この経験がなかったら、そもそも写真家にはなっていなかっただろうし、「どんな生き方でもありなんだ」という今の考え方にはなっていなかったかもしれません。むしろ、フランス滞在はいい体験でした。
フランスのパリで自分が働くなどと想像もしませんでした。労働ビザなんてもちろん持ってないし、いわゆる、不法就労者でした。だから、レストランで働いている先輩からは、いつも観光客のように見えるようにと、カメラを持たされて出勤していたし、地下のワイン蔵には、奥の方に続く通路があって、もしイミグレが踏み込んできたら、ここから逃げるようにと教えられていました。
どうしてKで働くようになったかというと、その前に、フランス南部の葡萄摘み(ヴァンダンジュ)のアルバイトのことから話さなくてはなりません。
2ヶ月のつもりで日本から出てきたので、そろそろお金も尽きてきて、何か仕事をやらなければ旅は続けられない状態になってきました。9月ころでした。それでとりあえず、葡萄摘みのアルバイトをやってお金をためようと思ったわけです。スペインとの国境にも近いペルピニャンという町だったと思います。その町のユースへ行けばアルバイト情報があると、あるバックパッカーから聞いていってみたんです。でも、アルバイトを探すのはそう簡単ではありませんでした。
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