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2005/10/22

新遊牧民

20代から旅をはじめ、そのほとんどはバックパッカーでしたが(昔は貧乏旅行者と呼んでいたな)、「棚田」と出会い、日本をまわることになって、旅のスタイルもちょっと変わってきました。

日本は宿泊費が高い。それでこの宿泊費をどうやって少なくするかと考えたとき、車に寝泊りするのがいいと結論を出しました。軽のワンボックスカーの後ろを平らにして、そこにマットを敷くとちょうど足が伸ばせる大きさのベッドの完成です。

もともと俺は「アウトドアー派」ではありませんが、昔ヨーロッパでバックパッカーをやっていたころは、ヒッチで野宿もやっていたし、「宿泊施設に泊まらない」旅に、それほど抵抗感はなく、それどころか、この車に寝泊りする旅が妙に肌にあっていて、面白さを感じています。

なぜ軽自動車か?というと、もちろん経済的な問題もありますが、棚田などの撮影に行くと、道は狭いし、運転に自信のない俺はなるべく小さい車にしたいという理由もありました。(恐れていた通り、初日に側溝に脱輪してしまいましたが) それと「自然」や「棚田」を撮影するのに、大きな車を使うことに違和感を持つからでもあります。とくに軽は長距離移動にはむかなくて疲れますが、なるべく必要最低限のもので(バックパッカーのように)旅をする精神(?)だけは忘れないようにしようと思います。

1999年の秋に「日本の棚田百選」をまわったときがはじめてでしたが、それ以降、日本を長期でまわるときはこのスタイルです。全国には「道の駅」があって、24時間水場とトイレが使えます。ここに車を停めて寝ます。こんな旅のスタイルは、ある程度定着しているらしく、全国の「道の駅」へ行くと、同じような旅人に出会います。

さて昔のエッセイにも書きましたが、こういった期間は、「旅」であると同時に俺にとっては「生活」でもあります。写真を撮るという「仕事」も兼ねています。パソコンを持っていって、メールをやり取りし、たまには、原稿なんかも送ったり、修正したりします。写真もデータで送ることが増えているので、デジカメとパソコンがあれば、全国どこへいても仕事は可能になってきました。

極端に言えば、定住する必要がなくなりつつあります。もともとこういうスタイルにあこがれていたんだと思いますが、「家」のような大きな物を持たなくても、生活はできるかもしれないなと、最近思っています。100パーセントそうするにはまだまだ問題はありますが、今は、実験段階といっていいでしょう。俺はこのスタイルを「新遊牧民」と呼んでいます。

ということで、24日から10日間ほど、またこのスタイルで旅をします。今回は、近畿、四国、中国地方を回る予定です。このブログにも、ほぼ毎日、日記を更新するつもりなので、興味のある方は、のぞいてみてください。


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投稿: バックパッカーガイド | 2005/10/28 06:58

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