西海
10月30日(日)、晴れ
今日は、御荘町の道の駅を、朝の撮影をするために午前6時半に出た。
西海町を一回り。湾に養殖いかだが浮かび、ちょうど日が出た。きらきら輝く海は美しい。そこから、半島の北西側に「外泊」という集落まで。ここは「石垣の里」として有名。民宿も3軒ほどある。観光地だ。それにしても、石垣の見事なこと。
3日にお祭りをやるとかで、今日は村人総出で草を刈ったり道路の清掃をしていた。車の周りにおじさんたちが集まってきて「所沢って、埼玉じゃないか」と話し合っている。それで俺は「そうです。埼玉です」といった。「大変だっただろ?」と同情してくれた。
あるおじさんと話す。おじさんは昭和20年に生まれたが、そのときは、村の周りの畑がなくなりつつあった。今はまったくの森に返って、当時の面影はない。「みかんだったんですか?」と俺が聞くと「まさか。みかんなんて贅沢品は、昔は作らなかった。作っていたのは、わしらの食べる芋や麦だった」
おじさんは、体を悪くしてから漁をしなくなった。以前は、イカやタイを獲っていた。「漁師は体力つかうでしょ?」「漁師ばかりじゃないだろ。サラリーマンだって同じこと。みんな大変なんだ。楽しているのは国会議員の先生たちかなあ」
「筏で養殖しているのは、タイ、カンパチ、ハマチなど。シマアジもやっていたが、採算が取れないんでやめた。タイは、養殖ものができてから安くなってしまった」
漁師は、養殖ものと天然ものとの区別、つくんでしょう?と聞くと、「ハマチは独特の臭みがあってわかるが、タイはほとんど変わらん」
おじさんは、タバコをふかしながら、歩き出した。おじさんが、防波堤に寝そべる猫に呼びかけると、返事をした。「おじさんのこと、知ってるみたいですね?」というと、「俺が飼ってる猫だから。家じゃなく、港に住み着いた」といって笑った。それでも所有権はおじさんのものなのだろう。猫の名前は「ぶらっく」だそうな。なるほど黒猫だ。あとで、俺も「ぶらっく」と遊んでやった。
村を出て、高茂岬へ向かった。たしか「こうも岬」と読むらしい。どこかに「コモリン岬」というのがあったなぁと、どうでもいいことを思い浮かべる。断崖の道を走る。が、それほど狭い道ではない。景色がいい。たくさん写真撮った。
御荘に帰り、一路国道56号で北、松山、今治を目指す。お遍路さんをたくさん追い抜いた。天気がいいので暑くて疲れるだろう。俺も、こうして日本をまわっているが、これも巡礼みたいなもんだ。ニッポンを知る巡礼だ。
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