猫の募金と、犬の物乞い
今、京都に怪しいボランティア団体が出没しているらしい。箱の中にはかわいい子猫たち。捨てられた子猫を保護するとかいう名目で、路上で寄付を集めている団体です。
テレビ報道では、この団体のメンバーが、お金で雇われたホームレスであったことや、あるメンバーが寄付金を自分の生活費に流用していることを紹介していました。(生活費に使っていることは本人も認めていましたが。活動費の一部だと言っていたようです)
何年か前、タイのバンコクで、犬の物乞いを見かけ、5バーツ恵んだことがありました。(俺はめったに募金したり、寄付したりしない人間ですが) 犬は、紙コップを前に置いて、じっと伏せていました。隣には、飼い主(先輩?)も同じようなかっこうで地面 に伏せていました。よくもまあ、こんな芸を仕込んだものだと感心したものです。(自発的に物乞いをやっているとは思えないので、当然、人間が教えたんでしょう)
附近には、目の見えない人や、片足を失った人もいたのですが、こっちにはあまりお金をあげないのに、この犬の物乞いには、バンコクの人たちもみんなお金を恵んでいるんです。
俺も、もし子供をだしにした悲惨な物乞いだったら「またいるな」という程度で通り過ぎたでしょう。ここで犬を使った大道芸をしていたとしても、やはり俺はお金を出したりしなかったと思います。この「犬の物乞い」が新鮮だったんです。人の心理をちゃんと研究している物乞い集団かもしれません。恥ずかしい話ですが、俺はまんまとはめられたのです。(バンコクの物乞い犬はたくさんお金を稼いでいると有名でした。今もいるのかな?)
「悲惨さ」が日常にあふれていて、確かに俺は「悲惨さ」に鈍感になっているところがあります。悲惨な人間よりも、かわいい動物に心を奪われてしまうという心理。当時イラク戦争がありましたが、その最中でさえ、「タマちゃん」報道の方が時には印象に残ったりして。
動物を出されると、警戒心が緩んでしまいます。それを逆手にとって金を騙し取るとは。何もわからず物乞いの真似をさせられる犬は可愛そうです。
(京都のこのボランティア団体が100パーセント詐欺かどうかはまだわからないですが。明らかに怪しいですね)
こういう団体を野放しにしておくと、まじめに活動しているボランティア団体とか、寄付を集めている団体は迷惑します。募金を集める場合の、なんらかの法的規制が必要だろうということを、報道では言ってました。
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