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2006/01/21

『単騎、千里を走る。』 中国雲南省(その1)

060121
『単騎、千里を走る。』 (千里走単騎)が、1月28日(土)から全国東宝邦画系で公開されます。内容については、こちら公式サイトでどうぞ。

 公式サイト:http://www.tanki-senri.com/

チャン・イーモウ(張芸謀)氏が監督し、健さん(高倉健)が出演します。(日本でのシーンでは、降旗康男氏が監督) チャン・イーモウ監督は、健さんのファンでした。いつかいっしょに映画を作りたいと考えていたようです。

この前テレビで、この映画のメイキング映像をやっていました。それを見ると、雲南省麗江の他、麗江郊外の石鼓の村、元謀の土林などでも撮られているらしい。「長卓宴」という、ハニ族の「長街宴」と似た大人数の食卓風景も出てきますが、これはどこで撮られたのでしょうか。出演者(中国人)は素人だそうで、しかも実名で登場するらしい。チャン・イーモウ監督らしい映画になっているのか、まあ、いずれにしても、雲南の匂いを感じさせる、いい映画になっていればいいなと期待しています。

ya映画を観ての感想

ya麗江の写真

ya麗江ナシ族の写真

健さんは、中国人にはよく知られた俳優です。俺が初めて中国へいったのは1984年。その当時、長距離列車に乗ると、外国人はまだ珍しく、周りの中国人の乗客から質問攻めにあうのでした。「中国にいつ来た?」から始まって、「中国料理はおいしいか?」「仕事は何?」「給料はいくらか?」「この靴はいくらか?」「この旅行は、自費で来たか、それとも公費か?」「父親の仕事は何か?」「父親の給料はいくらか?」といった質問のあと、「ガォ・ツァン・ジェン」の「ツィ・ブー」がどうのこうのというのです。

まだ中国語がわからなかったので、「ガォ・ツァン・ジェン」も「ツィ・ブー」も何のことやらわからず、紙に書いてもらうと、「ガォ・ツァン・ジェン」とは「高倉健」のことで、「ツィ・ブー」とは「追捕」のことだと判明。もちろん健さんのことはわかりました。でも、日本では「ガォ・ツァン・ジェン」ではなくて「タカクラケン」ですと教えても、中国人は、漢字を中国語以外で発音する(読む)人たちがいることをなかなか理解してくれませんでした。

同じ理由で困惑したことがあります。「シャン・コウ・バイ・ホェイ」なんて知らないと答えたら、ほんとに日本人か?あんなに有名な歌手なのにと言われて漢字を書いてもらったら「山口百恵」のことでした。「ヤマグチモモエ」と教えても「違う。シャン・コウ・バイ・ホェイだ」と言い張りました。

ところで、この「追捕」とは、いったい何なのか? 漢字を書いてもらっても、まだわかりませんでした。それで、「知らない」と答えると、「お前、日本人のくせに『追捕』も知らないのか?」と軽蔑されるしまつです。

あとでわかったことですが「追捕」とは、映画「君よ憤怒の河を渉れ」の中国でのタイトルだったので、俺が知らないのも仕方のないことだったのですが。この映画によって健さんが中国で人気を博したとのことです。公式サイトによると、チャン・イーモウ監督は27年前にこの映画を観たと答えています。ということは、1979年ころですか。(日本では1976年に公開されたそうです) 健さんは昔から中国人にも憧れの俳優だったんですね。

 

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コメント

ryoさん

コメント、ありがとうございました。

>古い中国の発音を基にしているようです

ですね。日本に漢字が入ってきた時期と、場所が関係しているのでしょうね。

投稿: あおやぎ | 2007/03/06 19:05

>でもなんで、同じ漢字なのに、読みが違うようになったのですかね?!

漢字の日本での発音は、古い中国の発音を基にしているようです。(「基にしている」のであって正確に真似は出来なかったようですが。)現在の標準中国語はもともとは北方の方言で、古い中国語とはかなり発音が変わっています。南方の中国語は現在でも、北方の中国語よりは昔の発音を保っていて、従って、日本語の漢字の発音に近いみたいです。中でも、現在の中国語で一番日本の発音に近いのは南方の客家語だと聴いたことがあります。例えば、
http://ja.wikipedia.org/wiki/客家語

投稿: ryo | 2007/03/06 06:43

コメントありがとうございます。

同じ漢字なのに、国によって発音が違うって面白いと思いませんか?

漢字の読み方は、なにも外国だから違うということでもなく、中国国内でも違っているようですが。中国は方言が多いですよね。たとえば俺の名前「青柳健二」を、北京語では「チン・リュウ・ジェン・アール」のように発音しますが、確か広東では「チェン・ラオ・ギ・ニ」といったふうの発音だったと思います。

さらに日本には、「音読み」と「訓読み」があります。漢字は中国から輸入したものですが、簡単に言うと「音読み」は中国から入ってきた中国風読み方、「訓読み」は日本語の意味に合わせた日本風読み方と言えるでしょう。「音読み」は、日本に入ってきた時代によって読み方も違っていました。

詳しくはこのサイトに出ています。

[日本における漢字Wikipedia]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%BC%A2%E5%AD%97

俺も、中国に行くまでは、「毛沢東」は「モウタクトウ」だと思い込んでいたし、本当は「マオ・ツェ・ドン」だと知ってびっくりしました。さすがに中国人の名前を訓読みして「ケザワヒガシ」などとは読まなかったんですね。

「青柳」を「アオヤギ(訓読み)」ではなく「セイ・リュウ(音読み)」と発音すれば、もっと中国風の「チン・リュウ」に近くなるわけです。

投稿: あおやぎ | 2006/01/23 00:03

あおやぎさんの1984年のお話、すごく面白いです(笑)

わたし、中国語を勉強したての時
自分の名前の読みが、中国語読みだとぜんぜん違くなることを知り
「へぇ~。」と思ったことを思い出しました。

その後
「名前は名前だよ。
日本読みで呼んでくれればいいのに。」
と思ったりもし

最近は
「日本でも中国人の名前を
モウ・タクトウとかコ・キントウとか・・・
日本読みしたりする時もあるから、お互いさまか。」
と思うようになりました。

でもなんで、同じ漢字なのに、読みが違うようになったのですかね?!

投稿: Miki | 2006/01/22 21:07

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