荒川静香選手とシャニー・デイビス選手の金メダル
シャニー・デイビス選手は、黒人選手としては冬季オリンピックで初めて金メダルを獲得しました。どうして彼のメダルが話題になるかというと、これは、富裕層と貧困層の問題、差別の問題ということをあらためて考えさせるからでもあるでしょう。
どうして黒人が冬期オリンピックで活躍していないか。アメリカのスポーツに詳しい人の話では、冬のスポーツは、設備投資がかかること、スポーツクラブに所属しなければならないが、そのためには資産がないとだめらしい。つまり、冬のスポーツは富裕層しかやれないものなのです。彼の金メダルは、そういった貧富の差の問題や差別の問題を乗り越えての快挙だということです。なおさら、拍手を送りたいと思います。
これはアメリカの話。でも、事情は、世界に広げても同じでしょう。以前のブログでも書きましたが、やっぱり冬のオリンピックは、裕福な国のものなのか、という疑問がわいてきます。そうすると、「世界の祭典」と言われるオリンピックに対する見方が、ちょっと変わってきます。
今回、フィギュアスケートで荒川静香選手がみごと金メダルを取りました。でも、荒川選手も、ある意味シャニー・デイビス選手と同じような境遇にあったろうことは想像できます。フィギュアスケートという欧米文化の中で、アジア人が頂点に立つことの難しさ。欧米人と同じレベルではだめなのです。欧米人に文句を言わせないだけの圧倒的な美しさと技術が必要でした。だから荒川選手の金メダルは、欧米選手が取る金メダルとは、質が違うと言ってもいいでしょう。もっと価値があると、俺は思っています。
俺はひがみっぽいのでしょうか。そうかもしれません。欧米人にコンプレックスを持っているのは俺も認めます。でも、実際、こういう話も聞きます。日本人が各競技で優秀な成績を収め始めると、日本人に不利なルール改正も行われるという話です。もちろん、日本人だけをターゲットにしたルール改正ではないでしょうが、どうも欧米人の意識の中に、「欧米人以外の選手から勝ってほしくない」という思いを感じるのですが。ただ、日本人にも問題はあるようです。日本人に不利になりそうなら、それに反対する強い抗議が必要なのに、それができていないそうです。言葉のせいでしょうか。
アメリカの新聞では、フィギュアはロシアの時代は終わり、これからはアメリカと日本の時代だ、みたいなことを書いているそうです。ほんとうは「アメリカの時代だ」と書きたかったのでしょう。でも荒川選手が金を取ってしまい、そう書けませんでした。荒川選手に続く日本人選手たち、安藤美姫選手、浅田真央選手は、これからもアメリカを悩ます目の上のたんこぶであり続けてほしいものです。
今回トリノでは、荒川静香選手がアジア人初の金メダル、シャニー・デイビス選手が黒人として初の金メダルを取ったことは、象徴的な出来事ではないでしょうか。冬季オリンピックの転換点であったかもしれません。意義深いオリンピックでした。
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コメント
「Madagasucar」にコメントが書けなかったので、こちらから失礼します。
最近更新されていないのでサビシイです・・・と
タイミングの悪いコメントを書いてしまっていましたが・・・
そうだったのですね。
写真、楽しみにしています。
お気をつけて。
投稿: Miki | 2006/03/29 18:02
この話題じゃないのですが・・・
最近、あおやぎさんのブログが更新されていないのでサビシイです。
撮影旅行中かな?!
いろいろとお忙しいのかな?!
また更新、楽しみにしています。
投稿: Miki | 2006/03/15 22:45