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2006/04/05

マダガスカルの旅(6) 首都、アンタナナリヴ

時間的にさかのぼりますが、「マダガスカルの旅」の初日に戻ります。

バンコクから9時間ほどでマダガスカルの首都アンタナナリヴの北13kmに位置するイヴァト国際空港に朝到着しました。
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さっそく声をかけてきたのは、自称「ガイド」だったのですが、彼が「親切にも」両替所まで案内してくれて、「諸物価高騰の折、アンタナナリヴ市内までのタクシーの相場は今は30000アリアリです」というのです。マダガスカルには現在でもふたつの通貨が流通しています。「フラン」と「アリアリ」です。

フランの札は街ではほとんど見かけませんが、田舎に行くとありました。触りたくないような、何万人の汗が染み込んだぼろぼろの札です。(何枚か日本に持って帰りました) 物の値段を聞いたとき、それがフランなのかアリアリなのか確かめないとダメです。これがややこしい。1アリアリが5フランです。着いたばっかりで、30000アリアリが日本円でいくらになるのか瞬間的に判断できず、「そんなもんか」と妥協して彼の白タクに乗ってしまいました。

その後何度か空港・市内まで往復することになりますが、30000アリアリはちょっと高い相場だったようです。15000アリアリくらいです。今、1000アリアリは56円くらい。(マダガスカルでは、最初に声を掛けてくる人間を振り切って進むと、もっと安くて質のいいものが手に入るという法則があるようです。乗り物でも土産でも。まぁ、この国だけじゃないですけどね)

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アンタナナリヴは丘がたくさんあり、坂道が多い街です。それがまたこの街の魅力でもあるのですが、暑い中歩くのはけっこう辛いときもありました。一国の首都としては、かなり「小さいな」というのが第一印象ですが、人口が1,690万人(2003年)の国ですからね。このくらいなのでしょう。(アンタナナリボの人口は484万人(2003年)になっていますが、これは郊外も含めた人口でしょう)

でも、何泊もすることになり、この街もまんざら悪くないなと思うようになりました。フランス人に言わせると「とても居心地のいい街」だそうです。そりゃぁそうでしょう。フランス人がこの国を植民地にして自分たちに都合のいいようにフランス化したんだから。

3月上旬はまだ暑かったのですが、下旬になると、だいぶ「秋」も深まり、日中でもしのぎやすくなりました。標高が1300mほどあって、高原の爽やかさを感じます。基本的なものは全部揃うし、歩いてまわれる大きさというのはありがたい。教会も多く、石畳の通りを歩いていると、まるでヨーロッパの田舎のようです。ただメイン通りは、物乞いと物売りがかなりしつこい。

中国人地区は、地元マダガスカル人からも「危ないところ」として敬遠されています。あるタクシーの運ちゃんは、この地区に入ったとき「シノワ・パ・ボン(中国人、良くない)」と吐き捨てるように言いました。とくにこの数年、中国大陸から渡ってきた新興中国人たちが増えて治安が悪化しているという話も聞きました。彼らの中には、不法入国者も多いようです。

新興中国人のカップルが開いている食堂で食事をしたことがありました。「リカントネ(広東ふうのご飯、つまり炒飯)」とか「ミサオ(炒麺)」とか、中華ふうの料理は、マダガスカルでも一般的な料理ですが、ここのはさすがに本格的な中華。トリのカレーと酢豚をとりました。

彼らに話を聞いたところ、2年前に広州からマダガスカルにやってきたといいます。俺が日本人だとわかると、どうして中国語をしゃべるんだと驚いていたようです。主人は、俺が店に入ったときから「いったい何者だ」と警戒しているようでした。すでに俺はかなり黒くて、地元の人間にかなり溶け込んでいたようなので。

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