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2006/04/10

マダガスカルの旅(9) 秘湯、ベタフ温泉

マダガスカルの首都アンタナナリヴから車で3時間南下したところにあるアンチラベ。しゃれた感じの街です。ホテルも多く、外国人密度も高いようです。焼き鶏ならぬ。焼きゼブ牛肉をつまみに酒を飲める店や屋台も何軒かあります。
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郊外にありとあらゆるものが売られている、大きな青空マーケットがありました。野菜が豊富ですね。それと今が旬の、柿。ある一角には、動物売りが並んでいました。ニワトリ、七面鳥、ガチョウなどなど。その中で猫も売っていましたが、ペットでしょうか、それとも・・・。写真を撮ろうとすると強く拒否されました。

アンチラベから、さらに22kmほど西にベタフの町があります。水田とトウモロコシなどの畑が交互に現れる田園風景の中を、タクシーブルースに乗って約40分。ベタフの中心に着きます。町といっても、もちろんアンチラベとは比べ物にならないくらい小さい。

立派なサレズィアン教会に面した広場はマーケットになっていました。昼近かったせいでしょうか、閑散とした感じです。町を抜けて北へ10分ほど歩くと、クタマリナ湖に出ます。その湖に面した高台にヴァキナカラトゥラ族の王(1740~1800年)の墓があります。声を掛けた自転車を押して自宅に帰ろうとしていた学生が案内してくれました。

ベタフの市場に戻り食堂で昼食。少し英語を話す従業員がいたので、ベタフ温泉のことを聞いてみました。町から国道を西へ3km。ただ場所はわかりにくいらしい。この炎天下、40分以上歩くのは辛い。それでプスプス(人力車)で行くことに。彼女にお願いし、プスプスの青年に交渉してもらい、4000アリアリで往復雇うことにしました。

ベタフからは下り坂になるので、すごいスピードが出ます。怖いったりゃありゃしない。ちょっとでもバランスが崩れたら、横転してしまったでしょう。

国道から左に入る道があり、小さな橋を渡って坂道を上るとそこが温泉。秘湯中の秘湯といってもいいでしょう。まわりには棚田とトウモロコシ畑が見えます。
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従業員のおばさんが、まるで俺たちが来ることを知っていたかのように笑顔で迎えてくれました。外国人の入浴料金は1000アリアリ(約56円)です。他にバケツに入った水が、1杯100アリアリ。3杯頼むと、女の子がどこからか持ってきて、部屋の中に運び込みました。

長屋の建物が2棟あり、全部で16の個室になっています。中は、3畳くらいの広さで、湯船が中央にあるだけ。扉にも鍵などないので、開かないようにレンガで内側から押さえます。湯船で体を洗って、バケツの水で洗い流すというのが入り方らしい。タオル、石鹸など何もないので、自分でもっていくしかありません。

日焼けした肌はちょっとひりひりしますが、温度はちょうどいいくらい。癖のない湯でしたが、少し塩分があるのかな。屋根があるから日差しも避けられるし、バリ島の温泉よりも、ゆっくりできて良かったですね。

10年ほど前、バリ島中央、バトゥール湖畔にあるホテルの中に露天風呂(温泉プールといった方がいいかな)があり、入ったことがありました。トヤブンカ温泉。ちょうど昼時。他には誰も入っていなかった理由がわかったのでしたが、あとの祭り。肌はひりひりするし、頭は痛くなるしと、さんざんな目にあいました。バリ島の温泉は炎天下入るものではありません。命にかかわります。

ベタフに帰る道は、今度は上り坂。仕事とは言え、なんだか俺はプスプスの青年を奴隷のようにこき使っているようなかたちになっていました。沿道の地元民たちも、青年に同情し声を掛けていました。「たいへんだねえ」と。やっぱりというか、当然というか、町に戻ったとき初めに約束した料金よりも1000アリアリ高く請求されたのでした。

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