地球上で最も幸せな国はバヌアツ??
asahi.comに、「地球上で最も幸せな国はバヌアツ」という、記事がありました。
「地球上で最も幸せな国は、人口20万人で経済活動も小規模な南太平洋の島国バヌアツ共和国――。英国の独立系シンクタンクが12日公表した「地球幸福度指標」で、このような結果が出た。先進国は軒並み順位が下で、日本は対象178カ国中95位、英国108位、米国150位などとなっている。」
(以上、asahi.comより引用 http://www.asahi.com/international/update/0713/015.html)
バヌアツってどこよ?
地図で確かめたら、日本の南、オーストラリアの東、南太平洋上に浮かぶ島国でした。イメージとして「南の島」は暖かくてのんびりしているし、確かにそうかもしれないと、一瞬納得してしまいそうになるのですが、この「地球上で最も幸せな国」という表現は、ちょっと問題があるらしい。
そもそも、この「地球幸福度指標」とはHappy Planet Index (HPI) のことで、その計算方法は以下の通りだそうです。(ますたぁ日記(一語一会)より引用 http://d.hatena.ne.jp/baymaster/20060713)
HPI = ( Life satisfaction x Life expectancy) / Ecological Footprint
Life satisfaction……人生の満足度
life expectancy……平均寿命
Ecological footprint……地球占有度
ここで、仮に分子が同じだとすると、分母になるEcological footprintとは、生活を維持するために必要とされる土地をどれだけ使っているかということなので、発展途上国と言われるところはこの値が少なくなり(幸福度指標は大きくなる)、反対に先進国は多くの土地(資源)を使うのでこの値が多くなる(幸福度指標は小さくなる)傾向にあるのです。だからこれは「どれだけ環境とうまく付き合っているか」という指標であって、「人間がどれだけ幸福か」という指標ではなかったようです。Happy Planet Indexを「地球幸福度指標」と訳していますが、「幸福な地球であるための指標」というニュアンスのようです。
ところで、分子に来る「Life satisfaction……人生の満足度」なんて、どうやって数値化しているんでしょうか? この値が一番高い国はスイスだそうですが。「あなたは満足ですか?」と聞いて「満足です」と答える人が一番多い国ということでしょうか。それなら、その時点で、一番幸福な国はスイスでいいと思うんですが。
でも「幸福だ」と思う人が多い国、少ない国があるのはわかるとして、結局個人の幸福は、人とは比べられません。俺と、バヌアツの青年実業家と、イラクの煙草売りのおばあさんと、アメリカの連続殺人犯と、スイスの美少女ハイジと比べて、「だれが一番幸福だ」なんていえないですからね。
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