海外の日本食に農水省がお墨付き?
海外の日本食レストランに対して、日本の農水省がお墨付きを与えることが検討されているそうです。
まず、農水省のホームページには、「海外日本食レストラン認証有識者会議の設置について」がありましたので紹介します。
海外では、日本食レストランと称しつつも、食材や調理方法など本来の日本食とかけ離れた食事を提供しているレストランも数多く見られます。
このため、海外日本食レストランへの信頼度を高め、農林水産物の輸出促進を図るとともに、日本の正しい食文化の普及や我が国食品産業の海外進出を後押しすること等を目的として、海外における日本食レストランの認証制度を創設するための有識者会議を設置します。(http://www.maff.go.jp/gaisyoku/kaigai/ 参照)
最近は、日本食ブームで、形だけまねをしただけの「ニセモノの日本食レストラン」が多くなり、とくに、寿司などは生ものを扱うので、正しい知識がないと、実際危ない。「生食が危ない」となると「生食をする日本食が危ない」というようなイメージになっていく可能性もあり、日本の食文化が誤解される心配があるとのこと。もっともな考えに一見思えますが・・・。
俺が20数年前、フランスのパリでバイトをしていた話は前に書きましたが(「フランスでアルバイト」2005/5/8)、「ニセモノの日本食レストラン」で働いていた立場から言わせてもらいます。
白状します。実際、料理人はみんな素人でした。俺も料理人が休んだとき、厨房に入って料理を出したこともあります。ほとんどは日本人だったので、生ものの扱いはある程度分かるので、食中毒問題は起こさずにすんだのですが。ただ、料理については、「これが日本食?」と思うのも、実際出していましたねぇ。(経営者は、日本人ではなくて、韓国系フランス人だったので)
大使館員や駐在員などが現地の日本食レストランに入って、「これは違う」「まずい」「まともな日本食を食わせろ」と怒っているからこういう話が出てきたのではないかと、俺は勘ぐっています。
「ちがう」とか「まずい」とか思うんだったら、行かなきゃいいんですけど。でも、「まずい、まずい」と言いながら日本食レストランにしか行かない(行けない)日本人がいるのはよく聞く話です。とくに仕事で行っている人は、けっして現地が好きで自分から行ったわけではないので、なるべく現地の料理は食べずに生活している人がいるのも知っています。旅が好きな人間からみると、もったいないと思うんですが。
そして、どうなんでしょうか。日本にも怪しい「フランス料理」「ベトナム料理」「タイ料理」などありますよね。昔は、とても「本物だ」とは言えないものがたくさんありました。日本人の口に合わせた嘘っぽい料理でした。最近は、タイ人、ベトナム人がやっている本物の料理店が増えてきたので、だいぶましになったのではないでしょうか。
フランスでバイトしたあと、日本に帰国した当時、フランスパンが食べたくて探しましたが、だいたいは「フランスパン」という名の「ふ」みたいなパンしか売ってませんでした。「これのどこがフランスパンなんだ?!」と憤慨したものです。(実は今も売ってるよ。「●●パン」のフランスパンだよ! がっかりだよ!)
よほどやり方をうまくやらないと、これは世界中から非難を浴びそうな微妙な問題を含んでいます。そもそも「正しい日本料理」なんてあるのかなぁ? 日本では「エスニック料理」と称して、めちゃくちゃな料理を食べているくせに、日本料理だけ「正しい日本料理」しか認めない日本人、なんていうイメージで見られたら、それこそ国益を損なうことになってしまうんじゃないでしょうか。
さて、今日は東京に出たので、昼食はマクドナルドで「照り焼きバーガー」を食べました。でも、これって、日本食? それともアメリカ食? アボカドを使った寿司「カリフォルニア・ロール」は、アメリカ料理? それとも日本料理? 俺が考案(?)したヨーグルトにつぶあんを混ぜたものは、和風のデザート? それとも洋風のデザート? バンコクで見かけたタイ風寿司(上の写真)は、日本料理? それともタイ料理?
きりがないねぇ。まぁ、どっちでもいいや。おいしければ。
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