匿名の著作権は?(1)
昨日、写真無断使用のJTBの話を書きました。今後、著作権の問題は、ますます複雑に、また大きくなっていくと思われます。
その話の中で、写真をなくされると悲しいと書きましたが、この感覚が最近変わってきています。それはデジカメの場合、オリジナルの写真(スライド)というものが存在しなくなったからです。
データなので、コピー(どっちがコピーで、どっちがオリジナルかなんていうのも意味ない)が手元に残るし、「なくされる」ということ自体がなくなりました。ただ、「勝手に使われる」ということはデータになったことでますます多くなってしまうでしょうが。いずれにせよ、10101010・・・といったデータそのものに愛着が沸くことはなく、「悲しい」という感情はありません。元データからいくらでも再生できるので。
これからの「写真」というものの意味を考える場合、アナログからデジタルに変わるという、その技術的方法からだけではなく、もっと精神的・心理的な変化を考えないといけないのかもしれません。
突き詰めていけば、10101010・・・という数列に、「オリジナル」を感じる、感じなければならないわけです。(そういう意味で、DNAなんかもそうです) ただ、今の俺は、その感覚をすんなり受け入れるには、かなりハードルは高いですね。そのうち慣れるんでしょうか。デジカメを使っている人は、そんなこと気にしないんでしょうか。引っかかっているのは、また、俺ばかり? だから、今のところ、結局、プリントした時点で、ようやくオリジナルが発生するというふうに考えています。
ところで、ホームページを開いて間もないころ、「面白い」嫌がらせのメールがきました。こんな内容でした。
「勝手に人の写真を使ってホームページを作るな。恥ずかしいぞ」
というものでした。著作権を侵害しているというのです。もちろん、ホームページの中に使っている写真どころか、地図や絵さえも、自分で作った100パーセントのオリジナルだったので、俺はそのとき、バカ正直にその相手に返信し、自分の写真であることを丁寧に説明しました。それに対する返事はもちろんありませんでしたが。
それにしても、「人の写真」というくらいだから、どこかで俺の写真を見ていたのでしょうか。そして、「いい写真」だったから、こういうメールも来たんだと、俺は、いい方に解釈して、匿名のメールに対するもやもやした鬱憤をはらしたのでした。いや、正直言うと、俺は打たれ弱いので、今でもこのメールに対してはもやもやしたものを持っています。
匿名の快感は俺もわかります。匿名の意見の有用性もわかります。匿名の方がいい場合もあります。俺も匿名になることもあります。ただ匿名というのは、実体がない、それこそ10101010・・・というデータに思えることもあります。データと喧嘩するつもりはありません。
匿名で著作権を主張できるのでしょうか。だれか知ってたら教えてください。
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