関東地方晩秋の旅(7) 山の向こう
那須岳(茶臼岳)から見た北側の山並みです。那須高原の北は、東北地方、みちのくです。
高校時代は、実家のある山形県河北町から8km離れた寒河江市まで自転車で通っていました。ある日の夕方、いっしょに帰っていた友人が遠いところを見るような目をして、ふとこんな言葉をもらしました。
「あの山の向こうの人たちも俺たちど同じように、いろんなことに悩んだり考えたりしているんだべがねぇ」
俺たちが住んでいたのは盆地の中にある町だったので、いつも視会には山が見えていました。だから、いつも「あの山を越したら・・・」とか「あの山のむこうは・・・」と、山の向こう側に、見知らぬ世界、見知らぬ人々はもちろんですが、将来の夢や、希望や、あこがれや、不安なども見続けていたような気がします。
20 代後半から雲南の山を歩いて少数民族の村を訪ねて写真を撮るようになり、山道の峠にさしかかると、ふと山形の盆地を思い出してしまいました。そしてあの峠を越したら、どんな風景になるのだろう、どんな人たちが住んでいるのだろうと、峠の向こう側に思いをはせる感覚が、高校時代に山の向こうを想像していた感覚と同じような気がしてなりませんでした。
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