安曇野、白馬、糸魚川、黒部
2月4日、日曜日。
どうしてまた安曇野に泊まったかというと、昨日の朝、月が山に沈むところを見て、明日なら、太陽の光が山に当たったころちょうど月が隠れる位置にくるはずだという、今までの経験から、写真にはちょうどいいと思ったので、それを期待して、もう一回トライすることにした。
低気圧が近づいていて明け方まで雪だという天気予報。雪景色に月が見れるかな。天気予報は外れることも多い。
夜、冷えたようだが、明け方空をみたら、雲はあったものの、月が煌々と輝いている。天気予報は外れたようだ。雪はないが、月はいい感じだと、さっそく、昨日写真を撮ったところへ急ぐ。
月明かりが民家のトタン屋根に当たって光っていた。ゆっくりと周りがあかるくなってくる。それにしても風が吹くと寒い。雲南の大理で写真を撮っていたころを思い出す。あそこも、山が目の前に迫った広々とした水田地帯で、明け方は特に美しかった。暗いうちに宿を出て写真撮りにでかけた。でも、大理と違うのは、ここでは犬の襲撃がないこと。日本ではその心配がないだけありがたい。大理では、三脚を使って犬を追い払いながらの撮影もあった。俺も、犬も、お互いが怯えているんだよね。
山は上のほうからピンク色に変わる。白い山は神々しい。一番高い峰は常念岳だろういか。太陽の光は、だんだんと下の方に降りてきて、いつの間にか、俺の影も作った。スリムな影が、畑の奥まで伸びている。月は周りの明るさに目立たなくなり、山に沈んでいった。
地元の人が、犬を連れて散歩したり、ジョギングしたり。だんだん暖かくなってきた。また道の駅に戻ってコーヒーを飲む。
今日はどこを走ろうか。おおざっぱな予定は決めてきたが、細かなことは、その日、やる気と天気を考えて決める。これから、白馬村経由で日本海に出て、それから富山県、石川県を目指すことにする。今回は、輪島市の白米千枚田まで行くつもりだ。途中、おもしろそうなところを見つけたら、そこも寄り道。白米千枚田に着けるだろうか。いいかげん。
国道148号線を北上する。白馬村手前の峠にさしかかったら、日陰に雪が積もっていた。下り坂になっていたが、さっそく追突事故があったらしい。4台ほど。みんな表に出て、車を見たり、携帯かけたり。そんなにひどい衝突ではなかったようだ。
白馬村には雪が降ったらしい。みんな表に出て雪かきをしていた。周りの新雪が美しい。糸魚川に出るまで、途中、雪の積もった集落がいくつもあった。民家の後ろが急坂になっている。雪崩とか、心配はないのだろうか。
海をみたら、暖かい気分になるのかなと思ったら、海は日本海。波を見たら、かえって寒々としてきた。国道8号線にぶつかり、左折。西へ向かう。風が強い。どんよりした天気だったが、だんだんと回復してきた。
「ヒスイ海岸」という看板を見つけた。「ヒスイ(翡翠)」にひかれるものがあり、線路を渡って海岸までいってみた。というのも、「越」と「ヒスイ」の関係に興味があるからだ。
中国の、長江下流に昔、越の国があった。「呉越同舟」ということばの元になった国だ。日本の文化との共通性も言われている。そこで、この越の国だが、ヒスイが取れて、しかも、ヒスイがとても大切な意味を持っていた。ヒスイは王権の象徴でもあったようだ。今、旅先なので、詳しいことは調べることができないので、これくらいにしておくが、とにかく、「越」と「ヒスイ」なのだ。新潟県も「越の国」だが、糸魚川から富山県の境にかけて、ヒスイが取れるらしい。この「ヒスイ海岸」からも、ヒスイを拾えるらしい。これは偶然なのだろうか。
しかも、越は、稲作が盛んな国だった。紹興酒は当時から造られていたというモチ米の酒だ。新潟も米と酒が有名だ。これも偶然なのか。そうかもしれないけど、中国から「越人」がやってきて、新潟県に同じ名前の国を作ったと想像するのは、とても楽しい。
ところで、おじさん、おばさんが、ポケットに丸い石を詰めて海岸から戻ってきた。ヒスイではなかったようだが、いい形の石も拾えるらしい。10人くらいが海岸で石を拾っていた。
黒部市に入って、国道8号線から折れて、黒部川の堤防を走る。広々とした道。上流に向かって走ると、正面に雪山がドーンと広がっている。これが立山連峰だろうか。天気がいいので、山のピークがすべてはっきり見える。のんびり雪山を眺めているのは気持ちが良いなぁ。しばらくここで休憩、兼、日記書き。
堤防で夕方まで待って、山がピンク色に変わるのを待った。でも、それほどではなかった。こういうのは、気象条件に左右される。よほど条件がそろわないと、いい色には変わらない。今日は空気がきれいすぎて、紅くならなかったようだ。
富山市を過ぎ、新湊市の道の駅で泊まる。ここには夜遅くまでやっているレストランが併設されていた。国道8号線沿いだから、客は多いようだ。今晩も冷える(氷点下3度)と天気予報ではいっているが。
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コメント
コメント、ありがとうございます。
今日も、白馬と安曇野通りました。白馬の青鬼の写真を掲載しました。
投稿: あおやぎ | 2007/02/10 22:10
写真家の旅の実況を見ることができるなんて、とても楽しい。
子供の頃、夏休み・冬休みごとに安曇野や白馬をしばしば訪れました。
雪の上を渡ってきた空気の匂いが思い出されます。
明日も良い条件にめぐり合えますように・・・。
投稿: acorn | 2007/02/04 22:16