「ゴミタワー」を「創作」したオヤジ
「犯罪」と「創作」は紙一重のところがあるんですよね。などと、以前書いたことがあったと思いますが、まさに、このゴミタワーは、そのことと関係があります。
“築10年”10メートルゴミタワー解体
(スポニチ http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/03/02/01.html 参照)
ゴミを自宅の屋根に積み上げた、いわゆる「ゴミ屋敷」の変型版。高さは10m以上にもなっていて、見たところ『ハウルの動く城』みたいです。ゴミタワーの中には、「菜園」まであって、植物も栽培されているし、片付けている作業員たちはさかんに「臭い、臭い」と言っているので、何かが発酵しているのでしょう。微生物たちにとっては天国なのかもしれません。
ここで問題になっているのは、住宅街にこれを「創作」してしまったことでしょう。隣近所の人たちにしてみれば迷惑な話です。
だから、周りに民家もない場所でこれを「創作」したとしたら、たぶん、ゴミタワーのオヤジが「芸術です」と訴えれば、みんな「そうですね」と納得するかもしれません。仮に積極的にホメることはなくても、迷惑でないかぎりにおいて、消極的には認めてくれると思います。
さかんにレポーターは、「どうしてこんなことをしたの?」とオヤジに聞いています。でも、オヤジは、わけのわからないことを繰り返すだけです。「どうして」なんて、オヤジにもわからないんではないでしょうか。これを「創作」せざるをえない心の状態だったと、俺は想像するだけです。「もったいない」という無意識の「表現」なのかも、と。
これを「創作」するのに、10年以上かかったらしいですね。よくここまでやったな、という驚きを与える「作品」です。人の心を揺さぶる作品を創るのが芸術家であると定義するならば、このオヤジもそういっていいのかもしれません。芸術に、道徳とか、法律とか持ち出してきても、あまり関係ないでしょうからねえ。
もちろん、俺は、ある人たちとって「ゴミ」でも、別な人たちから見たら「芸術」にもなりえる、そしてそのふたつの境界は意外とあいまいだと言いたいだけであって、オヤジを全面的に支持したり、賛同したりしているわけではありません。念のため。
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