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2007/05/31

2007初夏、車中泊の撮影旅(12) 島根県石見銀山

070531
5月31日、木曜日、曇り

昨日の夕方、出雲大社から、国道9号線で多伎町へ。ちょうど、「いちじく温泉」という看板を見つけて入った。400円。露天風呂もある。癖のない湯質で、長風呂が気持ちいい。

お湯から上がって休憩所のテレビを見ていたら、今日行こうとしていた、石見銀山のことをやっていた。

近くの道の駅、キララ多伎に泊まる。

☆☆☆☆

そして今日31日、午前7時に道の駅を出る。大田市から県道46号線、山陰道で、石見銀山のある大森に。Pのマークに導かれてたどり着いたのは、大きな駐車場。今、博物館が建設中。ここに車を停めて巡回バスで銀山跡にも行けるらしい。でも、結局大森まで戻り、銀山公園の駐車場に車を停める。

まだ8時前なので、ほとんど観光客もいない。静かな大森の街を歩いた。観世音寺の境内から町並みを望む。

小さな商店があったので、メロンパンとコーヒーを買った。すると、店の主人が「寒いですから中でどうぞ」といってくれた。店の奥には椅子があり、ストーブが燃えていた。たしかに今朝は寒く感じる。

主人のおじいさんは、来年で90歳を迎える大正生まれ。顔の色艶も良く、とても元気で、89歳とは思えない。昔は、徴兵検査があって、鍛えられたし、好き嫌いがないので風邪もひいたことがないという。今の若い人は、根気がないというか、持久力がないというか、理屈だけいって、行動が伴わないという。主人からみたら、俺もその「今の若い人」に入るかもしれないが、耳が痛い話だ。

この銀山は大正12年に廃坑になった。それまで賑わっていたらしい。今は、世界遺産に登録申請準備中。地元の人は、賛成する人もいるし、反対する人もいる。比較的若い人は、賛成らしい。やっぱり観光客が増えて、にぎやかになることを望んでいる。反対する人たちは、うるさくなることを心配する。まぁ、今でさえ、平日でも昼間は観光客がたくさんやってくるところだが。

主人は「ゆっくりしていってください」といって、お茶を出してくれて、どこかにいってしまった。俺が店番? その間お客さんはこなかったから良かった。

しばらくして主人が戻ってきた。銀山の観光地図をくれた。この先、町並み交流センターというところに行けば、ビデオも見れますとのこと。それで主人にお礼をいって、さっそく行ってみた。

その建物は、旧大森区裁判所だった。中に入ると、いろんな資料展示と、銀山や町並み保存に関するDVDを見れる席もあった。俺も石見銀山について、にわか勉強をする。

銀山が発見されたのは、「銀山旧記」によると、1309年(鎌倉時代)で、自然銀を採取していたらしい。本格的な採掘は、1526年に博多の商人神谷寿禎が発見してからとのこと。戦国時代は、軍資金としての銀の価値が高く、争奪戦が繰り広げられた。16世紀はじめまで、銀を輸入していた日本だったが、1528年には輸出するようになった。17世紀全般の最盛期には、日本の銀生産のかなりを石見銀が占めていて、しかも世界の3分の1を日本が占めていた。当時石見銀山は「佐摩(さま)銀山」とも呼ばれていて、外国では石見銀のことを「ソーマ銀」と呼んでいた。(以上、パンフレットからの抜粋)

銀山公園から約2km奥に、一般公開されている坑道「間歩」がある。龍源寺間歩だ。1715年に開発され、なんと昭和18年(1943年)までの228年間掘り続けられた。

入場料400円。中に入るとヒヤッとする。当時、ノミで削ったあとがそのまま残っている。狭い間歩もたくさん空いていたが、どうやって掘ったんだろうと思うような、狭い間歩もあった。こうした山の中での過酷な労働が、日本の貿易を支え、今に至っていることを考えると、銀山跡という、「なんだか地味な世界遺産候補だなぁ」と思っていた俺の勘違いが恥ずかしくなる。

実際入ってみると、わかることがある。ベトナムのクチのトンネルもそうだった。こんな狭いところ、じめじめするところに長期に住んで戦えるベトナム人はすごいと思った。ベトナムがアメリカに負けなかった訳が、トンネルに入ることで、政治的とか、戦術的とかいうのではなくて、生理的にわかったような気がした。汗まみれになってトンネルを出ると、そこに冷たいコーラ売りがニコニコして待っているのが、またベトナム人のすごさかなぁ。

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