映画 『ユナイテッド 93』を観て (2)
昨日に続いて、映画 『ユナイテッド 93』 についてです。
安全でなければならない空のシステムが、予想もしない自爆テロによって、もろくも崩れ去っていく様子が、映画では描かれていました。俺たちは、世界貿易センタービルを見て、「資本主義」「欧米主義」を象徴するような「物」の崩壊を目の当たりにしたわけですが、映画を観ると、「物」ばかりではなくて、「システム」(つまりは思想)も崩壊していたんだなということがよくわかります。
ビルに突っ込んだ飛行機を見る管制官や軍人たち。目の前で起こっていることが、今までの常識(思想)では理解できず、ただ見つめるだけ・・・。(実際の管制官・軍人が出演しています)
それにしても、システムから見放され、孤立無援の飛行機が、こういう状況になった場合、俺は、何ができるのだろうか?と思います。乗客たちがテロリストに立ち向かっていったのは、情報が得られたからです。システムに頼らない、自分で手に入れた情報です。
外部との電話で、航空機2機が世界貿易センタービルに突っ込んだこと。5機(本当は4機だった)がハイジャックされて、その1機がこの飛行機であること。そして、パイロットが殺されたこと。この情報があって、テロリストは死ぬつもりであることを判断し、飛行機を奪い返すことを決心するのです。
映画は、9.11のユナイテッド93便の話だけれど、「テロリストに立ち向かった英雄たちの話」といった単純なものではなくて、人が死ぬか生きるかのぎりぎりの状況に陥ったときの、「命のせめぎあい」を見ました。例えは悪いかもしれませんが、黴菌と白血球の闘いと同じものを見ているように感じたのです。
「生きるとは、こういうことなのだ」といったことを見せ付けられたような気がします。
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