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2007/08/13

今、何かと話題のモンゴル(7) 「蒼き狼」の末裔、モンゴル相撲の力士

070813
草原ツアーに行った日の夕方、ハイラルの街に戻ってから、ナダム祭りのモンゴル相撲「ブフ」の会場で知り合った力士たちを、宿舎に訪ねました。

バォリタさんという青年は、今回の「ブフ」の試合で4位になった力士でした。

彼は、年に2、3回里帰りするそうです。

この辺(ハイラル郊外)では夏だけゲル(天幕住居)に住むのとは違って、彼の実家の田舎では、夏も冬も、1年中ゲルに住む、完全な遊牧民が多いところらしい。草丈が高く、冬でも雪が積もることはないので、冬も放牧できます。ただし、やっぱり冬はめちゃくちゃ寒いらしい。

ゲルには、電線など来てないので、ヤマハの発動機を使って、自家発電しています。夜は(昼もそうかもしれませんが)、家畜の鳴き声意外は何も聞こえないところです。隣のゲルは、とても遠いのです。遊牧をするには、かなりの面積の草原が必要です。

時々、狼が出没し、羊を食べられてしまいます。遊牧民にとって、一番怖いのが野生の狼です。

『元朝秘史』(Wiki 参照)には、「上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき。その妻なる惨白き牝鹿ありき。」とあります。昔、井上靖の『蒼き狼』というチンギスハーンの小説を読みましたが、モンゴル族の起源として、この一節が引用されていたような気がします。そして今年は、映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』が公開されました。(観てないですけど・・・)

狼はモンゴル族の祖先だと考えられていますが、「羊を襲う狼は、やっぱり悪いやつです」とバォリタさんは笑いながら言ったのでした。

ハルピンの体育学校に入るまで、彼はずっと田舎のゲルで暮らしていたので、モンゴル語だけで、普通話(北京語)もしゃべれませんでした。だから最初町に行ったとき、言葉ができなくて苦労しました。頼れるのは、自分の体と「ブフ」の才能だけ。言葉のハンデにも負けず続けられるのは、故郷の人たちの応援があるからだと言います。

今回「ブフ」の試合で勝ち取った4位の賞品は、羊1匹と洗濯機でしたが、田舎へのいいおみやげができて喜んでいるとのこと。

こうした青年たちが、モンゴル相撲で活躍するようになっていくんですね。田舎の期待を一身に背負って出るようなところは、日本の力士たちと同じです。朝青龍は、モンゴルという国を背負って相撲をとっているのでしょう。

ちなみに、朝青龍は、「15歳でモンゴル相撲を始め、ナーダムの相撲少年の部で優勝した。1997年に朝赤龍とともに日本の明徳義塾高校に相撲留学し、2年後に退学して角界に入門した(後に卒業が認められた)。」(Wiki「朝青龍明徳」から引用

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