今、何かと話題のモンゴル(3) 相撲と朝青龍について
中国内蒙古自治区のハイラルで行われた祭り「ナダム」のモンゴル相撲「ブフ」で、優勝した力士に贈られた賞品は、白いラクダでした。(↑の写真) ちなみに、2位は馬、3位は牛、4位は羊と洗濯機でした。これとは別に行われた少年の部での優勝賞品は、大きなラジカセでした。
ところで、朝青龍の問題ですが、だんだん日本とモンゴルとの政治的・経済的な問題にも発展しそうです。
嘘をついて(仮病はもう疑惑ではない?)巡業を休むことは、理屈抜きで悪いので、2場所出場停止と謹慎処分はしかたないでしょう。厳しい処分ですが、そこはスポーツマンらしく、潔く受けて、再起してほしい。
ただ、引っかかることがあります。朝青龍が日本人だったら、このバッシング報道は、どうだったのだろうか?と、ひねくれ者の俺は考えます。
今回の件は、朝青龍個人の言動に関わる問題なのですが、背景には別な問題もあるように感じます。これだけ外国人力士が増えてきた角界そのものを、日本人はどう見ていくのか。外国人に日本の「相撲道」を求めることの難しさです。(それを覚悟の上で、朝青龍も日本に来たはずなのですが)
Wiki「相撲」によると、相撲は「もともとスポーツではなく、力のある男性が神前にてその力を捧げる神事であった。そのため神に対する敬意を示すための礼儀作法が重視されている。 」とあります。(モンゴル相撲「ブフ」の起源も、宗教的儀式でした)
相撲は、神事でした。だから、単なるスポーツではなくて、もっと日本人の精神的なところに深く入りこむ文化でもあると思われます。とくに、その大相撲力士の頂点である外国人横綱の「ふさわしくない(もしかしたら、モンゴル人には気にならないかもしれない)言動」によって、日本人の心をかき回されるのは、気持ちが悪い(癪にさわる)ということはあるかもしれないなぁと、俺自身の気持ちを探っていくと、そう思います。
日本人の妻をもらって、日本人に帰化して・・・そういう横綱だったら、もっと好意的に見るのでしょうか。「外国人」に風当たりが強いのは、なにも角界だけではありませんが、でも、とくに、日本人と似ているモンゴル人には厳しいかもしれません。近親憎悪というやつですね。むしろ、ハワイ出身の力士やブルガリア出身の力士の方が、顔形が違っているだけ、逆に「外人だから」と甘く見ることはないのでしょうか。
外国人力士を最初に受け入れた時点で、今回のような問題はいずれ起こるだろうと、予想されていたでしょう。今の日本人の若者は、相撲をやりたがりません。でも、大相撲を続けるためには、外国人を受け入れるしか、今のところ方法はないとすれば、日本人と外国人が、いっしょになって新しい大相撲を作り上げるしかありません。
朝青龍の問題で、角界の国際化の問題も再び浮き彫りになりました。
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