2007秋、車中泊の撮影旅 (8) 伊勢神宮 外宮の「初穂曳き」
10月15日、月曜日、晴れ時々曇り
昨日は、「道の駅 伊勢志摩」に2泊目。今朝、6時半に起きて、伊勢神宮の祭りを見るため、伊勢市をめざす。
余裕を持って、早く行ったつもりだったが、外宮の駐車場は、祭りの駐車場ではないということで、入れてもらえず、かといって近くに他の駐車場もなく、あちこち探したが、結局、おととい停めた内宮近くの駐車場まで行ってしまった。
4km離れているので、タクシー乗るかな?と思ったら、バスが待っていたので、それに飛び乗った。それで外宮まで戻ることができた。初穂曳きの車の出発地まで行ったら、ちょうど9時半で、出発式が行われているところだった。
車は全部で4台。一番車はこの町にある皇學館大学の学生たち、二番車は子供たち、三番車は町の大人たち、四番車は一日神領民の人たち。
車の上には、俵や初穂がおかれ、2本の白い綱をもった何十人、何百人が、綱を上下に揺らしながら、外宮まで引っ張っていく。勇ましい木遣り唄と、「エンヤ、エイヤラ」という掛け声をかける。ときどき、左右の綱を持った人同士が、ぶつかり合い、押し合う。
車は外宮の入り口までだ。そこからは、みんな4列になって、静かに中へ入っていく。五丈殿に初穂を奉納する。全国から送られてきた初穂も奉納される。「東京都神社庁」「岩手県神社庁」などの札も見えた。
厳かな雰囲気だ。かつて伊勢では、その年の新穀を神様に召し上がっていただくまで、人々は新米を口にしなかった、という話も伝わる。
しょっちゅう外国と比べて申し訳ないですが、祭りを見て、バリ島の思い出がよみがえった。神社の造りにしろ、祭りの雰囲気、稲穂を髪に飾っている女性を見つけたとき、「あっ、バリ島だ」と思ったくらい。稲にカミを見る感性は同じということだろうか。
ところで、一番車を曳いた皇學館大学は、1年生全員が参加している。ある学生に「楽しい?」と聞いたら、「いや~」と苦笑いした。「強制参加です。練習もしたことないし・・・」というので、「そしたら、声を出せって言われても、出ないでしょ?」と聞くと、「ノリですよ、ノリ」。なかなか正直な学生たちだった。
一日神領民として参加した3人のおばあさんたちは、「三重県北部の何とか町から来ました」という。「埼玉から来たので、その町わかりません」というと、「このためにわざわざ埼玉から?」と聞かれ、そうでもないんだが、「そうです」と答えてしまった。彼女たちは疲れた様子だったが、「参加できて良かったですよ」といっていた。「お気をつけて」と見送られる。
ところで、今日は初穂曳きとは別に、「奉納祭響演」ということで、全国から有名な祭りのパレードが参加して披露した。俺の出身地、山形県の花笠踊りも参加していた。なつかしい花笠音頭を聞いて、いつの間にか歌を口ずさんでいた。(やだねぇ、これって刷り込みというやつ?)
午後2時ころ、いったん伊勢市を離れて、昨日行くはずだった志摩市の「海苔ひび(養殖場)」のところへ。その前に、鵜方の手前にある「横山展望台」に上ってみた。
展望台から、入り組んだ地形の英盧湾の様子。雄大な眺め。真珠の養殖場が点在する。昨日写真を撮った海苔ひびも見えた。
国道に戻り、北へ少し行くと、穴川という駅があり、その近くに、海苔の養殖場が広がっていた。夕方まで待って写真を撮った。今日は、ヒツジ雲が出た。もうちょっと赤くなるのを期待したのだが。残念。
今日も「道の駅 伊勢志摩」に泊まろう。まるで定宿だ。3泊目だからね。明日も、伊勢市に戻って、内宮への初穂曳きを見ることにする。ほんとうは、外宮の祭りだけの予定だったが、面白くなってきたので、せっかくだから、最後の日も見ようと思う。稲作の写真を撮っている俺としては、この祭り、欠かせないともいえるのだ。
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