2007秋、車中泊の撮影旅 (20) 泉谷棚田、城川町茶堂、四国カルスト
10月27日、土曜日、晴れ時々曇り
今日の撮影地は3ヶ所。
写真、上から順に、内子町(旧五十崎町)の泉谷棚田、城川町の茶堂、四国カルストの放牧。
道の駅を7時に出て、旧五十崎町の山の中へ。泉谷の集落は、県道から2kmほど奥まった谷にある。ここを訪れるのは数年ぶり。前回来たのは、5月の夕方だった。夕日を待つカメラマンが数人来ていた。棚田は変わっていないが、水車付の小屋、トイレ、遊歩道ができていた。山から出た朝日が、泉谷の谷を照らしていく。
看板には、「標高470m、4haに、95枚の水田を、5戸の農家で組織する「泉谷地区棚田を守る会」が中心となって、ほとんどの棚田を耕作している」とのこと。それと「おいしいお米を作っています。育てる喜び、食べる楽しみ。いっしょに体験してみませんか?」
県道に出て、山越えした。すばらしい景色。ところどころに民家が見える。河辺村のほうに降りて、国道197号線に戻り、南下。城川町へ。ここの道の駅で、「茶堂」について聞く。
地図をくれた。でも、特別「これ」という茶堂はないそうなので、自分でいい茶堂を探さなければならない。でも、それがいい、ともいえる。自分で探すことのおもしろさ。そもそも、茶堂が何であるかさえ知らないで来た。なので、「茶堂って何ですか?」と幼稚な質問をしてしまった。
駅の人は、「お遍路さんたちにお茶をあげたりしたのが始まりらしいです。今でも、何かあると村人が集まる集会所みたいになっています」という説明に納得。
実際、城川町をあちこち周ってみた。最初見つけたのは、県道2号線沿いの茶堂。屋根つきの休憩所のようで、石仏などが祭られている。これはいい。山の景色を見渡せるようなところもあった。
道沿いにあるものはわかるが、ちょっとでも外れていると見えない。でも、だんだん茶堂に目が慣れてくると、林の奥にひっそりたたずむ茶堂や、集落の屋根の重なりの中から茶堂が見えるようになるから不思議なもんだ。
城川町は、美しい棚田が多い。写真を撮っては止まり、撮っては止まりしているので、なかなか前に進まない。
ある集落の商店で飲み物を買ったついでに、近くの茶堂について聞いた。商店のおばあさんは、この上にある集落の茶堂では、毎年お盆のとき、村の人が集まってお祈りしたり(びわの葉を使って何かやるらしい)、そのあと飲み食いしますよ、と教えてくれた。そういう伝統的な祭りをやっているのは、ここくらいなものらしい。
もちろん、昔は、それぞれの茶堂でも、同じような祭りがあったのだろう。おばあさんの話から想像すると、茶堂は、お遍路さんへのお接待のためというより、この地区ではもっと宗教的なものだったらしい。お寺の代わりをする場所?
その村は、郵便局の脇道を上のほうに1kmほど上るとあった。村の入り口に茶堂の屋根が見えてきた。そして、
「すごい」
なんと、そこから、谷を挟んだ向こう側の斜面が、棚田になっているのが見える。下から上まで、100m以上はあるかもしれない。ここは、もちろん「棚田百選」ではないが、これだけのは、「棚田百選」の中に入れてもぜんぜんそん色ない、すばらしい棚田だ。
城川町から、野村町、柳谷村と、山の上のほうに上っていった。高知県と愛媛県の境の尾根道なので、両県を出たり入ったり。
四国カルスト県立自然公園。ごつごつしたカルストの中で、放牧が行われている。それにしても、今日は風が強い。寒くはないが、体が飛ばされそうになりながら写真を撮る。危ない。
でも、だからこそ、雲もすごい速さで移動するので、いい光が高原を走り、写真的にはいい日だった。そしてこれだけ上まで上がってくると、紅葉がちょうど盛り。明日、日曜は、ここで「紅葉祭り」があるそうで、野外ステージを組んで、準備中だった。明日は、渋滞するらしいよ。(今日来ておいて良かったかも)
夕方、カルスト台地の北側へ降りた。
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