« 2007秋、車中泊の撮影旅 (9) 伊勢神宮 内宮「初穂曳き」、紀北町 | トップページ | 2007秋、車中泊の撮影旅 (11) 風伝おろし、丸山千枚田、本宮大社、速玉神社 »

2007/10/17

2007秋、車中泊の撮影旅 (10) 紀北町、熊野市 「熊野古道」

071017_1
10月17日、水曜日、晴れ時々曇り

昨日、三重県紀北町の「古里温泉」から「道の駅 紀伊長島マンボウ」に戻って、土産売り場を覗いたら、「紀伊長島名物 いか飯コロッケ」(500円)というのがあった。サザエ、ホタテなどが入った炊き込みご飯をイカに詰めて揚げたもの。どんなもんか買ってみることにする。ついでに、「めはり寿し」(520円)もいっしょに買って夕食にした。
071017_2

「いか飯コロッケ」は、意外と油っぽくなくてうまかった。「めはり寿し」は、以前紀伊半島に来たとき、友人から教えられて食べたら美味しかったものの一つ。今回は、何度か食べる機会はあるだろう。

今朝、7時に出発。天気はまずまず。国道42号線を南に下る。紀北町と尾鷲市との境の峠、馬越坂の石畳道に寄った。(↑の写真)

桧とシダに囲まれて、苔むした石畳の道が2kmほど続いていた。説明書きによると、「くまの道と呼ばれた熊野街道の一部で、古代から熊野三山信仰に伴って開かれ、その後、大正初期に旧国道が整備されるまで、当地方の幹線道路だった。」とある。

熊野市に出て、そこから国道311号線で海側へ。この国道沿いも、熊野古道が点々と残っている。

その中のひとつ、二木島の「曽根次郎坂太郎坂」に行ってみた。ここを選んだのは、この古道に「猪垣(ししがき)」が残っていると聞いたからだ。今年、6月に大分県に行ったときも、シシ垣を見た。イノシシ除けに積み上げた石垣だ。これと目的は同じ。

二木島のバイパスを走ると、「古道」の標識を見つけたが、どうも入り口がよくわからない。うろうろしていると、ひとりのおじさんが「どこへ行くん?」と声をかけた。

「猪垣を見に来たんですが」というと、このあたりには、猪垣は多くあるが、ここの猪垣は特別りっぱだという。実はこのおじさん、このあたりの地主さんで、近くの「太郎坂広場」という展望台も自分で作ったらしい。

昔の殿様は、敵から攻められないように、道は山の尾根に作った。そして、猪垣は、イノシシに困った人たちの願いから、公共事業として作られたらしい。二木島の畑を荒らされないように。

「今もイノシシは出るんですか?」と聞くと「今こそ、出る。過疎化が進んで、人がおらんようになったからな」

入り口はあそこだよ、と言われたところは、バイパスから急坂を上る、幅50cmほどの狭い階段なのだった。ちょっとわかりにくい。

おじさんは言う。「猪垣記念碑があるから、必ず見るように。それと、刃物持ってる?」「何でですか?」「野犬が出るかもしれん」「出たら、カメラのフラッシュで撃退します」

071017_3
うっそうとした古道を登っていくと、大きな木の根元に猪垣記念碑があった。何か字が彫ってある。ちゃんと見たよ、おじさん。(読めないけど)

縦横3m、深さ3mの、「猪落とし」という落とし穴も残っていた。これもおじさん、言っていた。石垣は、2列になっていて、その間を走らされたイノシシは、最後にこの穴に落ちたという。(もちろん食べたんだろうね)

看板が立っていた。「この猪垣は、熊野地方でも群を抜いてみごとなもので、高さは約2~3mある。他の地域では見られない猪垣記念碑があり、寛保元年(1741年)3月上旬から翌年の2月までに1年がかりで築いたと記されている。食糧増産が至上命題であった戦時中の昭和20年前後は、この猪垣の下まで開墾され、イモ類、麦が作られた。その後昭和30年代後半になってミカン栽培が全盛期を迎えたが、高度成長期に入って作る人も減り、今ではほとんど荒れてしまった。」

2列になった猪垣の間を、イノシシになった気分で通ってみる。一番高いところで3mくらいあり、飛び越えられない。何枚か写真を撮る。

そこから15分ほど古道を歩いてみた。帰り、どこからかニワトリの鳴き声が・・・。中国雲南省の山の中を歩いていても、こんな感じ。ニワトリと、イヌの鳴き声が聞こえると、「村が近いな」とわかるのだ。

もう一ヶ所、賀田の猪垣も見に行った。その後、国道311号線を引き返し、白い砂浜がきれいだったので、新鹿海水浴場で、休憩、このブログを書く。季節はずれの海水浴場なので、誰もいない。静かだ。

午後3時。これから熊野市のほうへ戻り、このブログをアップ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ランキング参加中。クリックして1票お願いします。
Banner_01にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ

|

« 2007秋、車中泊の撮影旅 (9) 伊勢神宮 内宮「初穂曳き」、紀北町 | トップページ | 2007秋、車中泊の撮影旅 (11) 風伝おろし、丸山千枚田、本宮大社、速玉神社 »

コメント

wendyさん

中国雲南省の山歩きは、大好きです。ニワトリの声も。

投稿: あおやぎ | 2007/10/20 21:30

羨ましい!中国のこと好きですか?伝統的中国が好きですか?

投稿: wendy | 2007/10/17 17:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2007秋、車中泊の撮影旅 (10) 紀北町、熊野市 「熊野古道」:

« 2007秋、車中泊の撮影旅 (9) 伊勢神宮 内宮「初穂曳き」、紀北町 | トップページ | 2007秋、車中泊の撮影旅 (11) 風伝おろし、丸山千枚田、本宮大社、速玉神社 »