2007秋、車中泊の撮影旅 (17) 上勝樫原の棚田、木頭ゆず畑、宍喰の水床湾、馬路村千本山
10月24日、水曜日、晴れ
昨日は鳴門市でブログをアップしたあと、徳島市を抜け、県道16号線に入った。上勝町の中心に着いたのは、午後4時過ぎ。夕暮れには間に合った。
そこから樫原の棚田までは6kmくらい。そのまま県道を西に進み、狭い山道に入り、九十九折の坂をどんどん上っていく。県道からは3kmくらい。ひとつ集落を抜け、次の集落の入り口、水車小屋が見えたらそこが樫原の棚田だ。車が2、3台停められるスペースがある。このあたり、何も変わっていない。
ここを訪ねたのは、5回目くらいだろうか。でも、この時期は初めて。稲刈りもすっかり済んで、棚田はひっそりとしていた。ススキが多い。13日月が山の上に出ている。
暮れていく棚田を静かに眺めていると、近所の民家の犬が吠え出した。この時間帯は特に吠えられる。俺は犬が不安になる匂いをしているのかもしれない。
月とススキを入れて写真を撮った。
写真を撮ったあと、徳島市のスーパーで買ったおにぎり弁当を食べる。棚田米じゃないのが残念だけど、棚田でごはんを食べるのは、やっぱり美味しい。
暗くなってから、坂を下りて、町へ戻り、月ヶ谷温泉に。この温泉も何度も入っている。500円。弘法大師が修行中、この温泉を知り、効能を民衆に伝えたとかいう伝説があるらしい。
直売所「いっきゅう茶屋(日浦休憩所)の駐車スペースで泊まる。
今朝、6時半に出発。県道16号線を西へ進む。八重地トンネルに入ったら、出口は遠い山並みだけで、道が途切れているように見えた。まるで、空へ続いているような。
そこが、上勝と木沢の境。道は急坂を下っていく。野生のシカがいた。まだ若くて、柔らかそうで、美味しそう。シカが増えてきたので、食肉として販売を始めた地方があったと思う。一度、宮崎県で、シカ刺しをごちそうになったことがあるが、なかなかいける。
ところで、今日見たあのシカ、俺の手で捕獲して食べても、いいのだろうか。野生動物保護法とかいう法律あるはずだけど。どうなんでしょう。もっとも、俺に捕まるシカは、絶対いないだろうけど。
すごい風景。大きな谷の反対側斜面の上のほうに、民家が見えた。川からは、100mくらい上だ。どうやってあそこまで行くんだろうか。もちろんどこかに道は続いているんだろうが。
下りきると、国道193号線に出る。それを左折、南にいく。那賀川の出合橋で、国道195号線に入る。橋を渡り西へ向かう。
木頭村は木頭ゆずの産地。役場で栽培場所を聞いた。「このあたりはどこでもゆずを作ってますよ」というとおり、役場を過ぎて1kmくらいもっと西(高知県境側)に走ると、道の両サイドにはゆずの木が。ゆずの黄色が朝日に輝いている。目のさめるような色だ。
ある集落に降りていった。神社があって、そこに車を停め、ゆず畑のほうに歩いていくと、おばあさんが休憩中。ゆずの畑の写真を撮りに来ましたというと、@@さんのところは、もう熟しているから、その畑がいいでしょうと教えてくれた。収穫は11月になると最盛期を迎えるらしいが、ぼちぼち収穫している人の姿も見える。
ところで、このおばあさん、背中に何かの長い葉を背負って歩いていて、そこで休憩していた。最近ではなかなか見なくなった昔ながらの荷物の運び方。中国雲南省では今でも日常的に見るけど。ところがあとで、おばあさんは、車を運転して町の商店に買い物に来ていた。荷物の運び方も、新旧使い分けてるということだ。
商店に入ってみたら、ちょうど地元産のゆず商品が置いてあった。木頭産の契約栽培ゆず、国産蜂蜜、四国剣山系の地下水で作った清涼飲料水「ゆず みつ」(180円)。程よい甘さが喉に優しい。
それと、ゆず果皮と砂糖で作った「木頭ゆずカンロ」(370円)。今回は酒が飲めないし、甘いもの好きな俺としては、運転中に口寂しいときにはうってつけ。
195号線から海川口から橋を渡って、県道に入り、4km下ると、国道193号線に戻った。これで、太平洋にまもなく出るつもり、だった・・・。
ところが、この193号線は、すごかった。ほんとに国道か?と思うほど狭い道のカーブ連続で、それが延々と続くのだった。この道、通る必要あったのかな? と、言いながら、山越えの道、嫌いではない。すごい風景に出会うのも、こんな山道だから。
海南町に入ると、道はようやく国道らしくなったが、海まではまだ少しあるので、駐車帯で休憩。ブログを書く。静か。車がほとんど通らない国道193号線だった。
海に出て国道55号線を南に下り、宍喰町の水床湾に寄る。室戸阿南海岸国定公園になっている水床湾は、「阿波の松島」と呼ばれている、岬や入江が入りくんだリアス式海岸。閉鎖された国民宿舎の敷地から見晴らしがいいと聞いたが、それほどでもなかった。
国道55号をさらに南下。東洋町で国道493号に入る。山道だ。また193号のようなすごい道なのかと思ったら、意外とそうではなかった。峠を越して下り、北へ向かう県道12号線を右折。馬路村に入る。
魚梁瀬の手前、ダムの展望台に清掃中の作業員がいたので、「このあたり、美林があるそうですが」と聞くと、「それは『千本山』のことでは?」という。スギやヒノキの林なのだという。「きっとそれです」といって、行き方を聞いた。
村の入り口に案内板もあったし、「千本山」への立て札も立っていたので、迷うことはなかったが、遠かった。着いたのは、4時半を過ぎていて、うっそうとした林に夕暮れが迫り、ちょっと怖い雰囲気。当然、この時間では、もうだれもいない。木の葉が落ちてくる音に敏感になる。
ここは「土佐森林浴の森50選」にもなっているし、「千本山林遺伝資源保存林」にもなっている。天然魚梁瀬スギをはじめとする貴重な動植物の宝庫だそうだ。
千本山の頂上までは、登山道がついている。30分ほど、途中まで上った。そこから美しい自然林を眺めることができた。
車に戻ったときには、暗くなっていた。早く山を降りたい気分。俺は意外と臆病なところもある。
魚梁瀬を過ぎ、馬路村の中心部を通り、道に迷い、人に道を聞き、安田町の海に出た。国道55号線に戻って、北西へ。5km先に、「道の駅 大山」があった。ここでブログを書き、アップ。そして宿泊も。今日は一日山道で、さすがに運転は疲れた。
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