映画 『サン・ジャックへの道』を観て (1) 歩く旅
映画 『サン・ジャックへの道』を観ました。
亡き母親の遺産を相続するため、遺言によって、険悪な仲の兄姉弟が、フランスのル・ピュイからスペインの聖地サンティアゴ(サン・ジャック)まで1500kmの巡礼路を徒歩で旅をするという話です。
ネタバレというほどのこともないと思いますが、映画の展開は予想したとおり、兄姉弟はこの巡礼の旅で、仲良くなります。
歩いて旅して、人間関係を修復するという話は、他の映画やテレビドラマでもあります。四国巡礼を舞台にしたNHKのドラマ『ウォーカーズ』というのもありましたね。
この「歩きの旅」が何か人間を変えるんでしょう。途中で、兄のピエールが荷物を捨てるシーンがあります。無駄な荷物を持ってきたことを、実際に歩くことで、頭ではなくて、体でわかるのです。
最初から荷物を持ってこなかったのは、弟のクロードでした。アルコール漬けで家族にも見捨てられ、一文無しのどうしようもない人間として兄姉から嫌われています。
途中でいなくなったクロードを探してガイドが向かったのは、町のバー(一杯飲み屋)でした。相変わらず酒を飲んでいたクロードはガイドに言います。「バーとセックス、それが人生だ」と。
彼が一番身軽で、もとからの巡礼者であったということでしょうか。だから、この巡礼で何も変わらなかったのは彼だけだったようです。ということは、彼は、彼のままでいいということでもあるのかもしれません。
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