トンネルを抜けると、桃源郷だった (1) 映画 『トンマッコルへようこそ』
桃の花が咲く峡谷をどこまでも進んでいくと、そこには平和に暮らす人々の村があったというのは、「桃源郷」の話。
「桃源郷」に限らず、「理想郷」や「シャングリラ」に辿りつくには、かならず、飛行機が墜落したり、険しい山越えをしたり、暗くて狭い場所を通過しなければならないようです。
韓国映画 『トンマッコルへようこそ』を観ました。この映画でも、桃源郷に辿りつくまで、みんな死ぬ思いをしています。いや、死ぬ思いをするから桃源郷が現れるといってもいいでしょう。そこにはやっぱり「死と再生の儀式」が必要なのかもしれないですね。俺にとってのトンネルのように。
韓国軍兵士、北朝鮮軍兵士、アメリカ軍兵士が、偶然にも、桃源郷の村「トンマッコル」に迷い込み、最後は、村を守るという話です。「殺しあう」「闘う」ことが馬鹿らしくなるほど、村人は素朴で善良です。実際兵士たちは、敵ながらも、お互いを認め合うようになります。
巨大イノシシが出たところは『もののけ姫』、村を守るところは『七人の侍』を思わせました。いろんな映画の要素は感じましたが、村人や兵士たちのユーモラスな描写に暖かい気持ちになり、好きな映画ですね。
ただ、最後、村を守るために、やっぱり兵士たちが闘ってしまうのは、しかたないことなのでしょうか。
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