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2007/11/21

映画 『ビッグ・フィッシュ』を観て (2) 写真家もホラ吹き

071121
昨日、『ビッグ・フィッシュ』について書きましたが、今日も続き。

「嘘」を書いている小説で、「真実」を伝えると書きましたが、写真もそうですね。ある意味、写真家は「嘘つき」「ホラ吹き」です。

写真は、カメラという機械を使って事実を写しているんだから、真実を伝えるのは簡単でしょ?と言われるかもしれませんが、そうでしょうか。むしろ、その思い込みがある分、難しいかもしれません。

最近ではデジカメが普及し、パソコンでどんな画像も「事実」らしく作ることができるようになりました。だから、かえって、写真は「作られたものかもしれない」という疑いを持って見られるようになったので、むしろ、いい傾向だと思います。写真がすべて「事実」だという思い込みから開放されるという意味で。

まぁ、その問題は別な機会にということで、写真家は、たしかに「あること」「見えること」を写し撮ります。でも、写真家は「写さないこと」も意識してやっています。周りに「都合の悪いもの」があったら、それを「写さない」のです。「都合の悪いもの」などと書くと、ちょっと犯罪的なので、「表現したいことを伝えるためには、ない方がいいもの」と言い直すことにしましょうか。「写さないこと」で隠します。

まぁ、大げさに言うと、「嘘をつく」「ホラを吹く」のです。(言いすぎなら「誇張」≒「表現」です) そこに「都合の悪いもの」があったことは、写真家は知っているはずですが、その事実は隠されることになります。

写真家は意識して、何かを写し、何かを写さないのです。むしろ「何を写さないか」の方が重要なのでは?と、思うくらいです。それが写真家の「感性」とか「個性」とかに関わっていますが、「嘘」「ホラ」によって、写真家の内なる「真実」に迫るのです。


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