【ひとり会議 その一】 成人式の大騒ぎ
【ひとり会議 その一】 『成人式の大騒ぎ』(これはフィクションです)
さぶじい: 今年も成人式では、酒を飲んで暴れたやつがいたそうですね。
ボゾルグ: テレビ、見たよ。酔っ払ってパトカー壊した男もいたそうだ。ああいうやつらは、テレビ報道するとき、モザイクなんかかけないで、顔を出してやればいい。騒げばテレビに映ると思ってるやつもいるんだから、わざわざモザイクなんかかけてやらなくてもいいんだよ。馬鹿な英雄気取りさ。
桃: でも、それって、不公平じゃない?
ボゾルグ: 何が?
桃: それほどのことかっていうことなの。成人式で大騒ぎすることが。酒飲んで暴れるなんて、大人の世界じゃあたりまえでしょ? とくに、さぶじいと同世代のおじさんはね。帰宅の電車内での醜態。見てられないわ。酒に酔って喧嘩はするは、痴漢はするは。
さぶじい: ごもっとも、耳が痛いですな。
桃: 酒を飲んで騒ぐのは、それこそ「成人」のあかしなのよ。成人式で、酒を飲んで暴れるって、だから、今の日本を象徴しているんじゃないかしら。
ボゾルグ: 桃、あんたはどっちの見方なんだい? でも、そう思うなら、自分だけで騒げばいい。成人式を楽しみにしている人だっているんだから、その邪魔をするなんて、許しちゃいけないよ。
桃: 別に私は、あの暴れた人たちの見方でもなんでもないわ。ただ、ちょっと不公平だと思っただけ。だって、それこそ年金問題やら、薬害問題やらで、表に出さなきゃならない人は後ろに隠れてる。それなのに、たかが成人式で酒飲んで暴れただけで、顔まで出されて犯罪者(物を壊したら実際そうかもしれないけど)扱いするのは、どうも納得いかないわ。
さぶじい: わかりやすい人がスケープゴートにされるということでしょうかな。
ボゾルグ: スケープゴートって何だよ。
桃: 身代わり、生贄っていうことよ。
さぶじい: ほんとに悪いやつらは表になかなか現れませんねぇ。そういえば、ライブドアの堀江君だって、スケープゴートですかな。もっと悪どいことをしているやつらはいると言われてますからね。
桃: そうなのよ。見かけの悪人を非難している間に、もっと悪い人たちは、それを見て内心ほくそ笑んでいるのよね。
ボゾルグ: 単純さに騙されるなっていうことはわかるけど・・・。俺も単純だからな。でも、悪いところから直していかないと、ね? とにかく、ガキじゃないんだから。見苦しいよ。
さぶじい: 成人式の意味が問われてもいるんだと思いますよ。昔にくらべて、儀式としての意味がなくなってきましたから。彼らは、自分でもわからず、感情のおもむくまま、形だけになってしまった儀式に反旗をひるがえしているのかもしれませんよ。中には、同窓会気分でやってくる人もたくさんいるようですしね。何も問題意識を感じていない人たちね。そもそも儀式とは・・・。
ビーノ: 早く成人式やりたいな。お酒のめるんでしょ? それだけでいいの、ボク。
桃: ビーノ、あなた、今出てこなくていいの。まだ子どもなんだから。
ボゾルグ: まぁ、成人式をちゃんと待って酒を飲むような優等生は、暴れたりしないけどな。暴れるようなやつは、ずっと前から飲んでるはずだよ。
さぶじい: なるほどね。さて、儀式とは・・・。
桃: さぶじい、今日はもういいですってば。
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