【ひとり会議 その七】 14歳少女の「無邪気な」反捕鯨活動
【ひとり会議 その七】 14歳少女の「無邪気な」反捕鯨活動 (団体名など、フィクションです)
さぶじい: またクジラをめぐってのニュースがありましたな。イギリスで、14歳の少女が父親と日本大使館に座り込み、「クジラはとても素晴らしい生き物で、権利や愛が与えられてしかるべき」と、捕鯨反対を訴えて騒ぎ、不法侵入で拘束され、警察署に留置されたらしいですな。
ボゾルグ: あの、無邪気さが怖いね。この前も、過激な環境保護団体「海のドーベルマン」について話したけど、この少女も同じ匂いがするよ。「捕鯨は残酷だからイケナイ」という一方的な主張を、相手の権利を侵してまでするわがまま・・・。
ビーノ: 14歳の少女は、かわいいの。ボクと同じ。あんな、いたいけな少女の気持ちは、大切にしないとイケナイでしょ。日本側が「悪者」に見えてしまうのはしかたないよ。
ボゾルグ: しかたないじゃすまないよ。それこそ危ない。少女が何で「捕鯨反対」を訴えているかというと、具体的な理由はなくて、子どものときに見た絵本にクジラが描かれていたことや、イギリスでは、動物保護のキャンペーンでクジラの写真を使っているということ。「クジラがかわいそう」という、ほんとに「純粋で無邪気な」理由だけなんだ。
ビーノ: でも、そいういう子どもたちの純粋さは大切なの。大人になると、それがなくなっていくでしょ。不純な大人が、世界をわるくしているの。
ボゾルグ: 子どもは純粋ねぇ。それはどうかなぁ? 無邪気だとは思うけど・・・。そして、父親がいっしょだったということも、なんか引っかかるねぇ。
さぶじい: これは子どもだけではなくて、反捕鯨国、一般の人たちの、正直で素直な感情・感覚だと思いますな。反捕鯨国では、「反捕鯨」を訴えても、当然ながら誰も傷つかないですし。言いたい放題できるということでもあるんでしょうな。
桃: 「捕鯨反対」という問題と、不法侵入の問題は、分けて考えなきゃね。もちろん、どんな人も、どんな意見を言おうが自由だけど、一線を越してはいけないということ。それはルールでしょ? だって、少女が座り込みしたのは、日本大使館だから、まだいいようなものの、これが個人の家、例えばロンドンに住んでる日本人宅だったら? やっぱり怖いわよね。そして逮捕されて当然だし。
さぶじい: 目的のために手段を選ばないという典型が爆弾テロですし。純粋な思いを持った子どもが、テロの訓練を受たりしています。しかし、子どもたちの「純粋さ」を、利用しているのは大人です。
ボゾルグ: 今回の件で言えば、「捕鯨反対」を訴えるには、14歳の少女は、かっこうの広告塔なんだね。少女がかわいくて純粋であればあるほど、捕鯨が、残酷であることを印象づけられる。この対比を利用している大人が影にいるってことだよ。父親といっしょに逮捕されたのに、少女だけがクローズアップされているのが何よりの証拠。
さぶじい: 「捕鯨反対」というスローガンを唱えている人たちは、たぶんイギリスでは好意的に見られているのでしょうな。もっと言えば、「捕鯨反対」や「動物保護」を訴えれば、ちょっとした「暴挙」も許されるという雰囲気があるのではないでしょうか。しかも、今回は、14歳の少女ですからなぁ。捕鯨が必要なのか、どうなのかという、本当に大切な問題は隠されてしまいます。
ボゾルグ: だから、そこが狙いなんじゃないの? 科学的に捕鯨を議論なんかしなくていい、ただ感情論で行け!っていう過激な反捕鯨主義者には。攻撃する対象がなくなると困るのも彼ら自身だからさ。
桃: 今、ロンドンの日本食レストランを経営している日本人には、脅迫電話がかかってくるらしいわ。在英日本人には、とばっちりね。今回、イギリスの警察が、少女たちを逮捕したのは、えらいと思うわ。
ボゾルグ: えらいわけじゃない。当然の仕事だよ。日本はイギリスに、クジラ肉を無償で輸出したら? そして実際に食べてもらう。クジラ肉を食べもしないで、クジラを語るなんて、100年早いよ。日本人は、クジラを愛しているからこそ、クジラを、ありがたくいただいてきたんだよ。それと、イギリスは、世界中を植民地化して、先住民族を痛めつけてきたことはすっかり忘れているようだしね。クジラだけじゃなくて、イギリスに住んでるアラブ系やアフリカ系やアジア系の人間にも「権利や愛が与えられてしかるべき」だと思うけどね。
桃: だめよ。そんなこと言ったら、過激な反捕鯨主義者の思うツボよ。敵が現れるのを、てぐすね引いて待ってるんだから。そして日本も、「捕鯨は文化だ」というだけでは、反捕鯨国の人たちを説得できない状況と時代になったということじゃない?
ボゾルグ: はいはい、反省します。でも、今回、桃は、俺の見方? もしかしたら、俺に惚れた?
桃: ばか! 私、「形容詞」に惚れたりなんかしないわ。
ボゾルグ: ????
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