聖火リレーで中国国旗を振る「小皇帝」たち
自分の姿を客観的に見ることができない人は悲しい。
今の、世界各地の中国人留学生のことです。
アメリカでは、中国人女子学生が、中国とチベットとの学生の間に立ち、「おたがい話し合いましょう」と言っただけなのに、今では、この女子学生はチベット側に加担した国賊として非難され、彼女の実家さえ攻撃されるというめにあっています。
留学生たちは、いったい何をしたいのでしょうか? そのあり余ったエネルギーを、ぶつけていかなければならないのは、中国政府そのものじゃないか?と思ったりもします。安易な愛国心に走り、外国を非難するだけではねぇ。
そういえば、中国の人口抑制政策、いわゆる「一人っ子政策」は1979年から始まりましたが、中国の子どもは、「小皇帝(女の子は小公主)」と呼ばれました。一人っ子なので、親からは過保護に甘やかされて育ち、手を付けられないワガママな子ども、という皮肉を込められた意味です。
20年前、中国を旅していたとき、そんな子どもたちが増えたら、この中国はどうなるんだろう?と、不安をもらした中国人に会ったことがあります。
彼の不安が今、現実となっているのでしょうか。世界中で中国国旗を振っているのは、まさにこの「小皇帝」たちなのです。
中国政府も、ワガママな「小皇帝」に手を焼いているふうに見えます。それでも、強く言えないのは、それこそ何をしでかすかわからない怖さを感じているからではないでしょうか? つまり「怖さ」とは、彼らの「愛国心」がいつか「民主化」というものに変わってしまうのではないか、ということです。
↑の写真は、1985年、桂林郊外で撮影したものです。当時小学生だったこの子どもたちは、30代。あの国旗を振っている世代よりは、ちょっと上。一人っ子政策直前の子どもたちです。だから「小皇帝」ではない最後の世代ということになります。
「小皇帝」たちは、外国の大学に入るくらいだから、勉強はできるのでしょう。でも、自分のことが見えず、世界の空気が読めないのは、若いせいなのか、それとも、一党独裁国家の国民だからなのか、どうなんでしょうか。
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コメント
祝融さん
中国人留学生たちの「愛国心」も、実は、すごく薄っぺらいものだと私は思っています。どう考えても、つい最近まで、欧米、日本が大好きな学生はたくさんいたし、今もいると思います。だから、彼らは、ただ騒ぐ理由が欲しいだけ。
昔の日本の学生運動もそうでした。彼らの主張が、どんなに薄っぺらい物だったか、簡単に変わってしまう物だったか、今となってははっきりわかりますからね。
きっと、中国人学生たちも、そうだと思います。「大人」になるための、通過儀礼なんです。
投稿: あおやぎ | 2008/04/28 23:33
聖火を「呪火」とネーミング。正にその通りかも知れませんね。欽ちゃんが市民とハイタッチ出来なかったと言ってましたし、韓国でも日本より物々しい警備。何の為の聖火なんでしょうね。
アメリカで、中国人女子学生が話し合いを呼びかけただけで、「国賊」扱い‥‥
中国人は一体何をしたいのでしょうね‥‥
政治に振り回されてる姿を見て、憐れみを感じるのは私だけでしょうか‥‥
投稿: 祝融 | 2008/04/28 18:40