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2008/05/18

ミャンマーの穀倉地帯/エーヤワディー・デルタ 2

080517_2
ミャンマーの首都、ヤンゴンから、エーヤワディー川をフェリーで渡り、対岸の農村地帯を訪ねたとき、ある地主のおじさんと知り合いました。

おじさんは、自分の水田を案内してくれ、彼が雇っている農家を訪ねました。ある一家は、1ヶ月たった10ドルの小作料で生活していました。(下の写真)

おじさんは言いました。デルタとはいっても、ここは乾季は水がないので、1年に1回しかコメが取れない、と。意外でした。

暖かいデルタ地帯なら、1年に何度もコメを作っているのではないかというのは、俺の思い込みでした。やっぱり、水がないとどうしようもないわけです。それは、メコン河流域でも同じでした。そばに流れている大河の水も、ポンプがないときは、水を上げられなくて、稲作ができないという話を聞いたのでした。

サイクロンによる大量の水は、稲作地帯にダメージを与えてしまいました。水は人間にとっては、多くてもいけない、少なくてもいけない。この絶妙な自然のバランスは、「普通」に続いてきたので、人間がどんなことをやっても大丈夫だと思ってきましたが、これはたいへん脆いものであったことがわかってきました。

今回のサイクロンのコースが外れたというのも、近年、日本での台風の時期とコースが変わってきたのと同じように、地球温暖化が原因しているのではないか、とも言われています。

温暖化は、単純に気温が、2、3度上がるだけではなくて、一番問題なのは、気候が極端に変わってしまうことです。今回のサイクロンが、まさにそうだと思います。


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コメント

私のこの記事と、写真は、4年前のものなので、当然、今回のサイクロンですっかり変わってしまったことと思います。
1ヶ月10ドルでは、この一家、食べるだけでせいいっぱいという感じでした。(もちろん日本での10ドル感覚とは違いますが)
案内してくれた地主のおじさん自身が、「彼らは貧しい」と言っていたくらいなので、たぶんホントに貧しいのだと思います。
ただ、悲惨さはあまり感じません。それは気候があたたかく、贅沢はできませんが、とりあえず、食べるものはあるからではないでしょうか。

投稿: あおやぎ | 2008/05/19 00:05

今まで私は、中国(特に雲南省や四川省)やブータン、モンゴル、韓国ぐらいしか関心なく、
ミャンマーなど東南アジアには興味がありませんでした。
サイクロン被害でミャンマーを取り上げられるようになり、
それで図書館へ行き、ミャンマー関係の本を借りて読みました。
軍事政権のイメージが強く、怖くて(アウサン・スー・チーさんの事件で)、旅行には不向きな所だと思っていました。
でも、青柳さんの写真を見たら、今までの考えが変わったかな…?
しかし、小作料が一ヶ月で10ドルとは、いくらなんでも安すぎます。
彼らはちゃんと生活が出来ているのか、気になります…。

投稿: 祝融 | 2008/05/18 21:33

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