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2008/05/27

朝青龍の「ダメ押し」は、モンゴル相撲のルール

070807
琴欧洲が初優勝して爽やかな笑顔を見せた話題よりも、朝青龍と白鵬との喧嘩(?)の方が大きく取り上げられてしまいました。

結びの一番で、白鵬が手をついて負けたのに、朝青龍が「ダメ押し」したことで、ふたりがにらみ合いになりました。そういえば、モンゴル相撲(ブフ)のルールは確か違っていたなぁと気がついて、去年書いた記事を見直してみました。

Ya_2「今、何かと話題のモンゴル」(2007/08/07)

「モンゴル相撲は、13世紀のチンギスハーン時代に、兵士の鍛錬のために行われたという説があります。日本とはちょっと違っていて、土俵というものがありません。モンゴル国の「ブフ」は、肘・膝・頭・背中・尻が地面に着くと負け(手をついても負けにはならない)。」

白鵬が手をついただけでは、モンゴル相撲のルールでは、まだ勝負は決まっていなかったのです。朝青龍の肩を持つわけではありませんが、朝青龍は、つい、モンゴル相撲の癖がでてしまったのかもしれません。

だから、白鵬が肩で押したのは、完全にアウト。ふたりがにらみ合ったのも、横綱の「品格」上、アウトでしょうか。

「品格」が問題になりますが、この「品格」という言葉に俺はひっかかります。「アウトでしょうか」などと曖昧に書いたのは、何をもって「品格」と言っているのか、俺にはよくわからないからです。あまり「品格、品格」と言われると、へそ曲がりな俺は、反発したくなってきます。

俺自身に「品格」がないのは当然として、さまざまな問題が起こっても煮え切らない相撲協会も「品格」はないし、いったい誰が「品格」を備えているというのでしょうか。「品格」がない人から「品格」がないと言われてもねぇ。

たびたび取り上げられる「品格」問題ですが、ここには、文化摩擦があるのではないでしょうか。

去年の記事でも書きましたが、もう一度書きます。

日本の相撲は、神事でした。だから、単なるスポーツではなくて、もっと日本人の精神的なところに深く入りこむ文化でもあると思われます。

その大相撲力士の頂点である外国人横綱の「ふさわしくない(もしかしたら、モンゴル人には気にならないかもしれない)言動」によって、日本人の心をかき回されるのは、気持ちが悪い(癪にさわる)ということはあるかもしれないなぁと、俺自身の気持ちを探っていくと、そう思います。

文化摩擦が起こるというのは、「相撲」の国際化(現代化)の途中であることの証拠だろうし、もし、「相撲」が、「SUMOU」になることを「良し」とするなら(俺は、それが良いことかどうかわかりませんが)、避けては通れない「生みの苦しみ」なのだろうと思います。

「SUMOU」の「品格」は、こうやって議論や喧嘩(?)しながら、徐々に作られていくのでしょう。いや、難しいかなぁ。日本人には、天皇制を初めとして、「何も変わらない」ことが「良い」という伝統が根強くありますから。


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コメント

祝融さん
私も同感です。外国人力士たちは、がんばって日本の大相撲をささえてくれていますよね。もちろん、今回の「にらみ合い」は、美しくなかったですが。朝青龍も個性的過ぎるかもしれません。
でも、そんなに日本流の「品格」が大切なら、弱い日本人力士たちの相撲に満足して、最初から外国人を受け入れなかったら良かったんです。受け入れた以上、いずれ、こういう問題が起こることは、予想できたでしょうに。
相撲は、変わっていく。今は、その過渡期にあると思いますね。

投稿: あおやぎ | 2008/05/28 11:49

琴欧州が初優勝しましたね。
彼は謙虚で爽やかな印象だから、横綱になって欲しいですね。
白鵬と朝青龍の横綱同士の対決、睨み合いを見て、日本の大相撲というより、モンゴル相撲??と思いましたね。
普通の日本人が日本の伝統文化についてよく知っている人は少ないのに、外国人力士達はよく頑張っていると思いますよ。
母国の文化を表に出さないで、日本の伝統文化や大相撲のしきたりを学んで身につける訳ですから、すごいと思います。(^^)

投稿: 祝融 | 2008/05/27 23:55

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