ローカル文化の復権が、日本の食糧自給率を上げる
(写真は佐賀県の浜野浦棚田)
昨日、報道番組で、日本の食糧自給率が40パーセントを切っている問題をやっていました。
その中で、減反政策に反対してコメを作り続けてきた農家の人が紹介されていました。
「どうしたら自給率を上げることができるでしょうか?」と尋ねると、「政府が何か決めることではない」、「日本人は主食を捨てた。そんな国は日本だけじゃないのか」、「消費者の食生活が変わらなければ」、「農家もコメの消費拡大のために、いろいろ努力しないとダメだ」という意味のことを言っていて、そうだなぁと納得させられる部分がありました。
とくに「消費者の食生活が変わらなければ」とは、俺も思います。戦後、「コメを食べるとバカになる」とか言われて、アメリカから小麦を買わされ、学校給食でもまずいパンを食べさせられ(強烈な思い出として残っているんですよね。これがうまいとみんな感じているんだろうか?と思ってました)、食文化は一気に欧米化してしまいました。
それと同時に「安いほうが良い」ということで、どんどん世界中から食糧を買いあさるようになってしまいました。あげくの果ては、日本の農業がダメになってしまいました。
イランの棚田地帯に行ったとき、ある30代の女性が、「太るからといって、コメを食べなくなっている人は増えています」と言ったことばに、ちょっとショックでした。この地方は、ひとり当たりの年間コメ消費量が90kgで、日本人の1.5倍コメを食べています。それでも、若い世代は、コメを食べなくなっているようです。
欧米とは敵対しているようなイメージのあるイランも、結局同じなのか。そういえば、マックやケンタッキーはないけれど、欧米ふうを真似たファーストフード店は多く、若者でにぎわってます。
アジアでは、経済成長とともに、コメ離れが進み、食生活が欧米化する傾向があるようで、イランもそうだし、日本も韓国も中国もそうです。どうして、欧米文化の真似をしたがるのでしょうか。もちろん、そこには「心地よさ」があるからです。だから、完全に否定することはできません。俺だって、欧米文化の恩恵は受けています。でも・・・。
「地産地消」といわれます。(80年代の「地産地消」の意味とは違うようです) 旅行者の立場からしても、その土地に合った作物を、その土地で食べたいとは思います。どこへ行っても同じ風景、同じ食事というのではなくて、土地の独自性が復活し、地方それぞれの違いを体験できるようになったほうが、おもしろい。
ローカル文化(とくに伝統食)の復権が、日本の食糧自給率を上げることにもつながっていくような気がします。
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