アイヌ民族の先住民決議
(写真は中国雲南省ミャオ族の帽子)
アイヌ民族:先住民決議 厳しい生活実態、実効性ある施策を
(毎日JP http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20080607ddlk01010283000c.html)
記事によると、「アイヌを先住民族と認めるよう政府に求める決議が採択され、政府も有識者懇談会の設置を明言するなど、アイヌの社会的・経済的な権利回復に向けた新しい取り組みが始まる。」とのことです。
30年前、初めてヨーロッパ旅行をしたときに、ある日本人旅者と会いました。南部フランスでヴァンダンジュ(ぶどう摘み)のアルバイトをしたときペルピニャンのユースで知り合った人です。
(この話は「フランスでアルバイト」2005/04/03でどうぞ)
なかなか仕事にありつけなくて、暇で、いろんな話をしている中、彼は北海道出身なので、アイヌ族という人たちの話題になったのでした。
「アイヌ」という言葉は知っていても、その具体的なイメージはありませんでした。昔、俺が子供のころ、「日本は単一民族」と教えられたと記憶しています。しかも、北海道には縁がなかったし、アイヌの人に関しての知識はほとんどなく、無関心でした。「コロポックル」の話は習いました。フキの葉で雨宿りするエピソードは、記憶に残っています。ただ、それは昔話だし、このアイヌの人たちも、昔の話だと思っていました。
まさか、ちゃんと、と言うのも失礼な話ですが、今も北海道に「アイヌ族」として暮らしているんだ知って驚いたことを思い出します。しかも、差別があること、だから自分が「アイヌ」だということを隠している人がいること、そして、あまりいい暮らしをしていないという話に、「そんなこと、今の日本にあるんですか?」と、彼に聞き返したくらいでした。
また、ある欧米の旅行者からも、「日本の北海道には、アイヌという少数民族が住んでいるでしょう?」と聞かれたとき、俺は、何も答えられず、恥ずかしい思いをしました。いや、正直言うと、そのときは「恥ずかしさ」もなかったのです。それだけ無知でした。
そんなことがあって、日本にも、「日本民族」以外の民族がいることはわかったし、数年後、中国に行くようになって少数民族の人たちを知るようになって、少しは「民族」に関心もできましたが、正直言って俺自身、アイヌの人たちに、いまだに関心が高いとは言えません。
チベット問題で騒いでいたけど、アイヌの人たちも忘れてはならないのですね。とくに、日本人にとっては。
今のタイミングで、アイヌの人たちの先住民決議が採択されたのは、07年9月、国連総会での「先住民族の権利宣言」も、影響あったかもしれませんが、7月の洞爺湖サミットを控え、その北海道に住む先住民族に対して、国際社会の関心を引く(何もやっていないと非難される)ことは必至だからではないでしょうか。
この時期に間に合わせたのではないか、と思われます。まぁ、結果として、アイヌの問題が、前進することなら、いいことだとは思いますが。
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