中国・貴州で数万人の暴動
(写真は貴州省黔西南プイ族ミャオ族自治州。市場へ向かう人々)
リンク: <女子中学生殺害>事件のもみ消し、住民数万人の暴動に―貴州省 - 速報 ニュース:@nifty.
容疑者のひとりは、公安幹部の息子だったという噂が流れ、暴動が拡大したらしい。
中国ではこのところ、当局の不正に対する抗議活動が各地で相次いでいましたが、数万人規模の暴動は異例とのことです。隠しておける規模ではないし、ネットで画像が公開されてしまったので、中国メディアも報道したようです。
貴州省は、雲南省、四川省、湖南省、広西チワン族自治区に囲まれた内陸の省です。今回、暴動のあった黔南プイ族ミャオ族自治州甕安(おうあん)県というのは、貴州省南部にあり、少数民族、プイ族、ミャオ族、スイ族なども多く住んでいます。少数民族の割合は57パーセントで、漢民族よりも多い州です。
俺は、この州を通過したことはありますが、滞在したことはありません。ただ、この自治州の隣、貴陽市、安順市、黔西南プイ族ミャオ族自治州、黔東南ミャオ族トン族自治州には、何度か行っています。なので、どんなところか、だいたい想像できます。
中国の経済発展からは取り残されたような山国。産業といっても、棚田や段々畑で営まれる農業が主で、80年代から90年代にかけて行っていたころ、正直、けっして豊かだなと思った記憶はありません。
いつも雲南省と比較して見ていました。明るい印象の雲南と比べると、天気も悪いし(貴州の省都、「貴陽」という地名は、太陽の光が貴重だから、というふうに聞いています)、町に行くと、建物もくすんでいたし、乞食や引ったくりや泥棒も多く、暗い印象でした。路線バスでは、デイパックをナイフで切られたし、怪しい詐欺師にひっかかりそうにもなりました。大きな町以外、田舎は今も、それほど変わらないかもしれません。
やりたい放題の特権階級や、貧しさに対する不平・不満が、日ごろからたまっているところではあったかもしれません。今回の大規模暴動の背景には、そのことがあったのは間違いないでしょう。それは、貴州省だけではなくて、中国内陸部はどこもそうなのでしょうが。
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