
ボゾルグ: 最近、「エコ、エコ」って、エコ自慢するタレントが増えてきたね。
桃: どんな?
ボゾルグ: 「私は、割り箸を使わずに、『マイ箸』(私の箸。つまり塗箸)使ってます」だの「レジ袋の代わりに、『エコバッグ』を持ち歩いてます」だの、どうでもいいようなことを自慢して、高感度アップを狙っている一部のタレント。
ビーノ: 実際、そうやってエコに取り組んでいるからいいじゃん。ボゾルグはそうやって、すぐイチャモンつける。
ボゾルグ: 別にイチャモンでもかまわないけど。ただ、よくもまぁ、恥ずかしげもなく、そういうことを言えるもんだなと。『マイ箸』だろうが『エコバッグ』だろうが、いいよ、使っても。その人の趣味なんだから。それは俺も認めるよ。でも、それを「私は地球環境を考えてます」みたいな顔して自慢されるのが嫌なんだよね。
さぶじい: そういえば、「森林保護のために割り箸を使うな」みたいな議論がありますが、ちょっとそれは違うようですな。
ボゾルグ: タレントならまだ許せるかもしれない。この前ラジオを聴いていたら、いわゆる「自然環境保護」を訴える学者が堂々と「使い捨てにする割り箸は良くないから、私は『マイ箸』を使ってます」と真面目にいっていた。ほんとかな?と思ったね。
桃: そうね。ちょっと、違うわよね。特に、日本製の割り箸は。あれは、間伐材の真ん中から柱などを取ったあとに残った、捨てられてしまうような端材で作る。だから、森林を破壊しているわけじゃない。むしろ「山を育てる」とも言われているわ。ただ、外国産の割り箸は、割り箸のために木を切って作っているのもあるから、そこが問題なのよ。環境意識が高いことをアピールしたくて、「割り箸を使わず、『マイ箸』を持ってる」と自慢したがるタレントの気持ちはわかるわ。その学者は、外国産の割り箸の話をしたんじゃない?
ボゾルグ: そうかなぁ。だったら、「マイ箸」は、環境にいいの? マイ箸だって、ちゃんと使ったあとは洗わなくちゃならないし、水と洗剤を使って環境に負荷をかけているだろ? 「エコバッグ」だって、最近は、ブランド物まででてきた。エコバッグが大量に売れることは、はたして環境にいいことなのか?と思うよ。
ビーノ: ボゾルグ、意外と細かいね。
ボゾルグ: いやいや、「敵」も細かいところを突いてくるんだから、こっちもそれに合わせているだけだよ。割り箸・マイ箸、レジ袋・エコバッグ、どっちにしろ、環境に負荷をかけるんだから。ほんとは、そんなわずかな差を自慢しても、どうしようもない。だって、そのタレント、テレビ局には、電車と歩きで来るのかな? そうじゃないだろ? タクシー使って来てるんだよ。だから、仮にマイ箸を使うことに、多少のメリットがあっても、タクシー使った時点で、前部帳消しになっちゃうんじゃない。
ビーノ: ほんとに細かい・・・。
さぶじい: ボゾルグさんがおっしゃること、わかりますな。でも、人によって、気になるところが違うだけ、ということかもしれませんよ。ある人は、割り箸を使うことには抵抗があるけど、タクシーをばんばん使っても気にならない。ある人は、割り箸は気にならないけど、電車じゃなくて、タクシーを使うことは、環境に悪いと考えてしまう。でも、なんだか、どっちもどっちではないかなと思ってしまいますなぁ。ところで、どうして、割り箸やレジ袋が目の敵にされてしまうんでしょうな。
桃: それは「使い捨て」ということが、後ろめたいからじゃない?
さぶじい: そうかもしれませんな。「使い捨て」ということに何か罪悪感を持つからでしょうか。でも、割り箸でも、レジ袋でも、燃えるごみに混ざっていたほうが、ごみは良く燃えて、環境に良いという説もあるようですし、「捨てる」ことが即「無駄」と考えるのは、間違っているのかもしれませんな。
ボゾルグ: そうなんだよ。「使い捨て」がすべて悪いというのは、思い込みだよ。だいたいにして、「使い捨て」が悪いといったら、医療ごみなんかどうなるの? 注射器も使いまわししたほうが、環境にいいのは分かりきっている。でも、そうじゃない。それは、環境と、健康とのバランスを考えたとき、捨てたほうがいいから捨てるようになったわけだろ? だから、俺は、割り箸も、レジ袋も、環境を考えるために、ちゃんと使い捨てしたいね。
ビーノ: ボゾルグは、あいかわらず極端で単純だね。僕はそもそも、箸もレジ袋も使わないから偉いよね?
桃: 何言ってるの? ビーノもエコ自慢する気? あんたの飼い主、レジ袋、たくさん使っているじゃない。
ビーノ: えっ?
桃: 知らなかったの? あんたのウンチを入れるのに、レジ袋が重宝だって言ってたわよ。でも、1回で捨てるんじゃなくて、何度も何度も洗って使って、最後は燃えるごみで出してるの。レジ袋がないときは、食パンの空き袋を使うそうよ。涙ぐましいわ。そこまで使われるレジ袋なら、エコだと思うわ。
ビーノ: そうかぁ、僕、気がつかなかったよ。だってウンチしているときは、犬にとっては一番無防備な状態なんで、周りに敵がいないか、そればかり気になっちゃってたし。それになんだか、僕の飼い主は、ウンチしているとき、じっと目を覗き込むんで、落ち着かなくってさ。
ボゾルグ: ビーノの周りは、敵ばっかりだろうしな。でも、なんだよ、桃。けっきょく、ビーノの飼い主のエコ自慢じゃないか。みんな、そんなにエコ自慢したいかな。
桃: したいのよ。しかも、「小さいエコ自慢」をね。だって、ほんとうの環境問題は、地球規模の大問題で、一人の人間がどんなに努力したところで、どうにもならない構造的な問題よ。ただ、それでも、「何か役に立ちたい」という気持ちの表れじゃないの? ボゾルグが目くじら立てることはないと思うわ。
ボゾルグ: でも、ほんとはそうでもないのに、「環境意識が高いです」みたいに装って、人気取ってるとしたら、一種の詐欺だろ? エコ偽装タレントだよ。
桃: そこまで大げさかな? だって、「マイ箸使ってます」とか、タレントが言っても、たいていの視聴者は、気にもしないし、信じない。そんなに視聴者は馬鹿じゃないわ。
ボゾルグ: それならいいんだけど。
さぶじい: ただ、「マイ箸使ってます」「エコバッグ使ってます」ということで、安心してしまっては元も子もないですな。あるいは、それを使ってるんだから、あとは、何をやってもいい、みたいな免罪符になっているとしたら、問題ありだと思いますが。
桃: そこね。エコ自慢はいいけれど、考えなくなってしまうことが一番ダメなのよ。
ボゾルグ: それなら俺は、わざと使い捨てをして、「罪悪感」を持ち続けながら生きていくよ。
ビーノ: ボゾルグ、えらいぞ。人間は考え続けろ!


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