先週の『日立 世界ふしぎ発見!』で、キルギス
先週土曜日、『日立 世界ふしぎ発見!』では、キルギスをやってました。
キルギス共和国には行ったことありませんが、中国新疆ウイグル自治区を旅したとき、キルギス族にはお世話になりました。
カラコルム・ハイウェイをロバ車で旅した話は、前にも書きましたが(「映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』を観て」(2008/06/22)でどうぞ)、雪が降って、死ぬかもしれない峠越えをした翌日、キルギス族村に泊まったのでした。
ムスターク峰、ゴングール峰というふたつの山に囲まれた静かなカラクリ湖。 2 キロ離れたところに泥作りの箱型の民家と移動式のテントが数戸づつ並んでいる、キルギス村がありました。
ロパ車を引いて村の中に入っていくと、恒例になった、番犬の恐ろしいお出迎えがあり、村人たちはその吠え声で、家から何ごとだろうと出てきました。
あるおばさんは、「うちにも泊まれるよ」というので、彼女の家に泊まることにしました。
日干しレンガ作りの民家の中は、一段高くなったところに絨毯が敷いてあり、そこが居間兼寝室でした。
おばさんの子供ふたりが山羊やヤクの放牧から帰ってきて、夕食になりました。ヨーグルト・ナン・キルギス茶、それに茹でた山羊の胃袋が丸ごとお盆に載せられて運ばれてきました。
俺たちは車座になり、各々が手に持ったナイフで胃袋を適当な大きさの塊に切り取って口に運びます。軽く塩味がきいた胃袋は、味はともかく(?)遊牧民料理の雰囲気が濃厚で、すっかり気にいってしまいました。もちろんナン(キルギス風パン)も村共同のかまどで焼いたもので、ヨーグルトもクリームのように滑らかで美味しかったです。
さて、寝る段になって、ひとつの毛布をふたりで共同で使うことになりました。この隣に寝ている髭づらで口臭のひどいおやじは、いったいだれなんだ ? そもそも俺も他の人に紹介された訳でもないので、このおやじも俺が何者なのかわからないはずなのです。不思議じゃないんだろうか? まったく気にしないで隣で寝ることができるというのは遊牧民の感覚なんだろうか?
疑問は増すだけでした。でも聞いたところで言葉がわからないし、まぁここではこんなものなのだろうと思いました。
そう、旅をしていると、素直にそのまま受け入れるしかない状況があります。たとえ彼が何者か知ったところでいっしょに寝るしかない状況は、変わりようがないのです。どうも、ここは宿屋で、隣のおやじはお客だったのかもしれません。
とにかく前日は、雪の降る峠越えの厳しい夜だったので、ストーブが一晩中燃えているというだけで、そこは天国なのでした。
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