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2008/12/09

「チロちゃん」の復讐をした小泉容疑者と、カラスに餌やりをする夫婦

081209
元厚生次官と家族を襲った小泉容疑者が、犯行の動機としてあげたのは、「34年前に保健所で処分された犬の敵を討ちたかった」でした。それを聞いて、たいていの人は、「嘘だ! きっと、裏には別な動機があるはずだ」と思ったに違いありません。マスコミも、厚生省を狙った連続テロだと大騒ぎしたくらいですから。

俺も最初テロだと思いました。嘘をつくにしても、もうちょっとマシな嘘をつけばといいたいくらいでした。それだけ不自然(理解不能)だったのです。

ところが、調べていけばいくほど、どうやら、ほんとに愛犬「チロちゃん」の復讐らしいということが分かりました。10代のころから厚生大臣を標的に復讐を考えていたと言います。(もっとも、まだはっきりした事実関係はわかってないので、やたらなことは言えませんが)

この件に関して、ある知人から、こんな話を聞きました。欧米では「アニマル・ライツ」(動物の権利)というものを錦の御旗にして、過激な行動を取る人たちもいるらしいというのです。

彼らの過激な主張によると、「動物を殺した人間は、殺されてもしかたない」ということらしいのです。その思想からすると、小泉容疑者の犯行が理解できると。(「理解できる」とは、もちろん「同情できる」という意味ではありません。念のため)

「動物の権利(アニマル・ライツ、animal rights)とは、動物には人間から搾取されたり残虐な扱いを受けることなく、それぞれの動物の本性に従って生きる権利があるとする考え方である。・・・中略・・・動物を搾取し苦しめる行為を全面的に廃止するべきだと訴え、人々にベジタリアニズムの実践を呼びかけている。」(Wiki「動物の権利」参照

小泉容疑者が、ベジタリアンにまで「到達」していたかはわかりませんが。

ところで昨日、テレビのニュース番組で、東京都内に住む夫婦が、カラスに餌やりを続けて、周辺住民が迷惑しているという報道がありました。

レポーターが、その夫婦にしつこく食いさがってインタビューしたのを聞いて、彼らも、「アニマル・ライツ」の思想のもと行動しているのではないか、と最初思いました。でも、話を聞くうち、そんな思想はなさそうです。単なるカラス好きが、動物保護の仮面をかぶっているというだけかもしれません。

「知能があるカラスが駆除されるのは悪いことだ。カラスには生存権があり、自分たちが餌やりを続けないと、彼らが困る」といったようなことを主張しました。

彼ら夫婦がカラスを救っているというのは、まったく彼らのうぬぼれにすぎないですが、それを大目に見ても、彼らの主張を受け入れることはできません。

「カラスに生存権がある」とか、「動物に生きる権利がある」という彼らの主張は、この一点については正しいでしょう。もちろんそうかもしれません。(「動物」とは何かをまず考えなくてはなりませんが) ただ、バランスが悪いということで、彼ら夫婦の主張は受け入れられません。

人間の生存権、生活権を犯してまで主張するカラスの生存権とはなんでしょか? この考え方のバランスの悪さは、例の、環境保護の過激派、「しー・しぇぱーど」と似た匂いを感じます。まぁ、もっとも、「しー・しぇぱーど」は、環境保護団体の仮面をかぶった、パフォーマーにすぎないと思っていますが。

独善的な考え方ほど、迷惑なことはありません。

カラスが好きなのは、夫婦の勝手。それはいいです、どうでも。レポーターが、「カラスに餌やりがいいなら、鳩はどうですか?」と聞いたら、「鳩については知りません」との答え。鳩には関心がないんですね。このあたりも勝手です。たぶん、カラスは守るべき動物で、鳩はどうでもいい動物という考え方も、彼らの頭の中には何か納得できる勝手な理屈があるのでしょう。俺には理解不能ですが。

小泉容疑者も、たしかに「チロちゃん」はかわいかったのでしょう。ペットが年間何万頭も処分されるということも悲劇でしょう。でも、犬やカラスの生存権だけを、異常に大きく持ち上げて、だから、「犬を殺した人間は殺されてもかまわない」とか、「カラス以外の生き物は迷惑してもいい」という考えには、やっぱり矛盾を感じます。


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