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2008/12/16

テレビドラマ 『TSUNAMI 津波』 を観て

081216
『TSUNAMI 津波』 (2006年イギリス/アメリカ)
出演: サムリット・マキエルセン、トニ・コレット
監督: バハラット・ナルルーリ

2004年12月26日、インドネシア・スマトラ島沖の地震によって津波が発生し、インド洋沿岸国では死者22万人、被災者500万人という、未曾有(下々の人間は「みぞうゆう」とは読みません)の被害が出ました。

日本でも大々的に報道され、募金活動やボランティア活動も行われました。あれから4年。被災地はどうなったでしょうか。

このテレビドラマは、タイ、カオラック・リゾートが舞台で、当時の被災者の証言や取材を元に作ったドキュメンタリーふうで、第一部と第二部で構成された185分という長時間のドラマです。劇場公開されていませんが、DVDは出ています。 

津波の混乱に乗じて、村人の土地が開発業者に奪い取られる話とか、少しだけ現地人の状況が語られていますが、ほとんどは、津波に遭遇した2組のイギリス人家族が中心に描かれています。

伝染病を防ぐという理由もあったのでしょうが、身元確認もせずに、遺体が勝手に火葬されていることに反発する欧米人たち。「葬式」と言えば「火葬」することが、何ら違和感を覚えない人たちと、「葬式」と言えば「土葬」が中心の人たちとの感覚のズレも描かれていました。

自然災害ではあっても、避難指示がなかったのは人災でもあり、娘が行方不明になった父親は、イギリス大使館員を責めます。誰かを責めるしか、自分の心を落ち着かせる方法がないといった感じです。被災者たちの心の混乱を、この父親が代弁しているようでした。

しかも、この責め合いは、夫婦にまで及びます。津波に飲み込まれたとき、父親は濁流の強さに耐え切れず、娘の手を離してしまったのでした。だから行方不明になったのだと、妻は夫を責めるのです。しかし、夫は言います。「そのとき君は、ダイビングへ行っていて、現場にさえいなかったではないか」と妻を責めます。結局、責め合ってもしかたないことに、ふたりは気がつきます。

俺は、また2002年の、バリ島の爆弾テロの現場を思い出してしまいました。人々の混乱は、実際ドラマと同じような狂気を伴っています。突然の悲劇は、人を狂わせます。俺も、こんな状況になったら、どうなるか、耐えられるのか、まったく自信がありません。


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