【ひとり会議 その二十】 地球温暖化祭り?
ボゾルグ: 去年はエコがブームになったね。今年も続くのかな。年が明けてからも、やたらと地球環境問題がテレビ、新聞、ラジオ、インターネットで取り上げられていることに対して、いちゃもんつけたら、また「KYな人」と言われてしまうのかなぁ。
ビーノ: だと思うよ。ボゾルグは、地球温暖化してないっていう意見だったよね。
ボゾルグ: そんなことないさ。温暖化してるかもしれないけど、「100パーセントはわからない」というだけだよ。
桃: ボゾルグは、疑り深いのよねぇ。
ボゾルグ: もちろん、地球環境問題についてみんなの関心が高まって、なんとかしなければと思うことは大切なことだと考えているよ。ただ、温暖化に関しては、CO2が「原因」なのではなくて、むしろ温暖化の「結果」としてCO2が増えるという研究もあるし、それどころか、温暖化ではなくて、寒冷化しているという発表まであるので、素人の俺たちには、ほんとうは何が正しいのか、正直分からないんだよ。俺は、わからないことは、わからないって言いたいだけ。それよりも、このお祭り騒ぎ、気になるんだよなぁ。
さぶじい: 急激な地球温暖化問題の盛り上がり方に、私も懸念を感じますな。そもそも、温暖化を含む地球環境問題は、すぐに解決するものはひとつとしてありません。被害者と加害者、敵と味方、といったものも見えずらい。だから、たぶん、何年もかかって、それこそ、「持続可能な」活動で、ようやく、何年後、何十年後かに、解決する問題なのではないかと思っています。
桃: 日本人の性格として、何か話題になると、みんながいっせいにそれに飛びつき、お祭騒ぎになり、お祭が過ぎると、何もなかったように無関心になるところがあるわね。
ボゾルグ: 俺の思い過ごし? それならいいんだけど。
さぶじい: 去年の洞爺湖サミット。洞爺湖サミットの直前は盛り上がりましたなぁ。終わったら、トーンダウンしたような気がします。やっぱり、政治との関係が深い・・・。
桃: 温暖化問題は、純粋に科学の問題だけではなくて、政治問題でもあると?
ビーノ: そんなら、ただ単に、地球が、温暖化してるかどうか、論争してる科学者はばかみたいだね。
桃: なんてこと言うの? ビーノったら。純粋に科学的な論争も重要なのよ。
さぶじい: やはり、環境問題というのは、政治問題でもありますなぁ。極端なことを言いますと、私は、地球が温暖化しているかどうかというのは、どっちでもいいのかなと思うときもあります。
ビーノ: どっちでもいい? どうして?
さぶじい: そもそも、この地球上に、人間が増えてしまった。その増えた人間を減らすことはできません。もちろん、増えないようにする努力はやっています。しかし、このままこの大勢の人間が、エネルギーを大量に消費し、地球環境を汚していったら、人類が破滅するのは明らかです。そうならないためには、やっぱり、低炭素社会は、あるべき姿かなとは思います。ただ、そうなると、今までの産業の構造では立ち行かなくなります。構造を変えねばなりません。仮に温暖化してなくても、変わらなくてはならないんです。
ビーノ: チェンジ! だね。
さぶじい: その全人類的な産業構造の変化と、思想の変化は、やはり、ある程度の衝撃がないと、前には進まないと思うのですがな。
桃: 多少の脅しも必要だってこと? このままでは、地球が温暖化し、大変なことになると。
さぶじい: そうです。温暖化という全人類的な危機感は、かっこうのきっかけなんだと思いますな。
桃: 利害が一致するんだわ。CO2を減らすことは。新しい産業構造を興し、自然エネルギーに関する雇用を作り出し、みんなを幸せにする、夢を与えるという政治の目的と。だから地球温暖化問題は、政治問題でもあると。たぶん、そうかもしれない・・・。
ビーノ: 自然エネルギー100パーセントの世界。クリーンな環境のバラ色の地球。なんて人間はロマンチックなの。たぶん、社会主義思想が生まれたときや、原子爆弾が発明されたときも、人間はバラ色の夢を見たんでしょ?
ボゾルグ: なんだか俺が言いたいことを、今回は、ビーノが言っちゃったかな。
さぶじい: でも、ビーノさん、ボゾルグさん。バラ色の未来を見せなくてはならないのが政治家の仕事ですからな。今できることは、それしかないと思います。たとえ、そのバラ色の世界の先に何が来るとしても。アメリカの新大統領オバマさんも、これからのアメリカの復興のカギは、グリーン・ニューディール政策だと言っています。良くも悪くも、アメリカが動けば、世界が動きますからな。ますます環境問題が、政治的になっていくでしょう。
桃: 自然エネルギー100パーセントの世界が実現したとき起こる新しい問題って、あるのかな?
ビーノ: やっぱり、ボクがにらんだとおり、なにか問題がある?
ボゾルグ: いや、まだわからないけど、何事にも、100パーセントいいことなんてないと思っているから。この前テレビで、ある科学者が、将来、自然エネルギーに100パーセント代わりますと、笑顔で予想してたけど、俺は、あの笑顔を見て、「怪しいな」と疑ってしまったよ。なぜって、一番良く知ってる科学者がだよ、100パーセント自然エネルギーになったとき、心配事が出てくるのは、当然でしょ? それなのに、「バラ色の世界」みたいなことしか言わない。しかも笑顔で。絶対、何かあると、俺は思ったね。
桃: ボゾルグは、ホント、疑り深いよ。
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