小鹿野町 「出原の天気占い」 (2)
昨日「天気占い」が行われた出原集落は、両神山のふもとにあります。(写真は出原から見た両神山)
300年以上前、村人の先祖が、山を越え谷を渡って、ここにたどり着いたとき、「原っぱ」があったので、ここを「山から原っぱに出た」という意味で、「出原」という地名になったそうです。
最初は原始林が生い茂り、けっして住みやすいところではなかったはずです。それを何年もかけて集落を作り、耕作地を拓きました。
昨日、占いの後もらった「しとぎ」が、昔は、稗や粟で作っていたということを書きましたが、耕作地といっても、肥沃な土地ではなく、山の斜面で焼畑をしていました。
天気が、作物の出来不出来、ということはつまり、生死に大きく関わっていたのです。だから天気が一番の気がかりでした。
その年、占いでもし「日照り」になったら、雨乞いの祭りもやっていたそうです。「台風が来る」と出たら、背の低いそばを作ったり、「秋晴れが続く」と出たら、とうもろこしを植えるなど、作物の種類を変えていました。天気予報も何もない昔は、この「天気占い」はとても大切な行事だったんですね。
ところが、今は、「風雨」よりは、「スギ花粉」の方が、気になるようです。昨日の占いでも、「スギ花粉が良く飛ぶ」と出ました。占いも現代的に変化しました。
| 固定リンク
コメント