妻と犬連れ3匹の、日本一周の旅 (83) 犬連れ旅について
秋田県から山形県の実家に寄り、いったん埼玉の自宅に戻る。
犬を飼っている人も増え、いまどきは、日本でも「犬連れの旅」がそれほどめずらしくなくなった。とくに、車中泊の旅をしていると、犬連れ旅行者とよく会う。と、いうのも、犬を飼っている人が、犬といっしょに長期旅行をしようとすると、どうしてもこの形になってくる、日本のペット&旅事情が見えてくる。
ところで、このまえ青函フェリーで出会ったチャールズさんも言っていたが、アメリカのキャンプ場で「ペット<犬>禁止」は見たことがないという。日本では、キャンプ場でペット禁止のところは多い。とくに、オートキャンプ場など、有料のところは多いような気がする。
今回、キャンプ場に泊まろうとして、入り口に「ペット禁止」の看板を見て断念したことが何度かある。
「どうして日本では禁止なんですか?」とチャールズさんは聞いた。確かめたわけではないが、たぶん、マナーの悪い飼い主が、ウンコの始末をしなかったり、犬をキャンプサイトで放したり、鳴き声がうるさかったりということが理由なのではないかなと思うので、そう答えた。
アメリカ人が特にマナーが良いとも思えないので、たぶん、日本人は、犬に限らないが、ちょっとしたことに、クレームをつける人が多いということなのかもしれない。もちろん、俺も「犬好き」の部類ではないので、気持ちは分かるが。せっかく金を払って快適なキャンプをしようというのに、犬が騒いだり、ウンコを踏んだりしたら最悪だ。
お金があるなら、犬連れOKのホテルや旅館を泊まりながら旅することもできるだろう。しかし、そういう宿は、どこにでもあるというわけではないので、旅程は制限される。だから経済的な理由ばかりではなく、ある程度自由気ままに犬連れで長期旅行するには、車中泊(大型キャンピングカーも含めて)がベターだという結論になる。いや、今の日本の事情では、これしかないと言ってもいいかもしれない。だから道の駅では、犬連れ車中泊の旅行者に、やたら会うということになる。
「車中泊」というのは、犬連れの場合は特に「日本的な旅の仕方」と言ったのは、こういう理由からだ。
『妻と犬連れ日本一周、車中泊の旅』が、Kindle(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)から出版されました。 内容は、2009年から2010年にかけて約1年間、北は北海道から南は沖縄まで、妻とヴィーノを連れて全国すべての都道府県をまわった車中泊旅の旅行記です。ようやく書きあげました。文字数は約115000字(400字詰め原稿用紙290枚分)あります。 よかったら読んでみてください。amazonで販売中です。 なお、Kindleがなくても、Kindle無料アプリで読むことができます。(スマートフォン iPhone & iPod touch Android & タブレットPC iPad Android) 【目次】: 序章 第一章 遊牧民の旅を思いつく 第二章 旅立ち 東北の旅 第三章 北海道の旅 第四章 東海北陸の旅 第五章 犬嫌いになったわけ 第六章 四国・近畿の旅 第七章 中国・九州の旅 第八章 沖縄の旅 終章 51歳の男(私)。40歳の女(妻)。2歳のやんちゃなビーグル犬ヴィーノ。 偶然いっしょに暮らしはじめることになった血も種も越えた、2人と1匹の家族が1台の車に世帯道具を積み込み、車中泊しながら北海道から沖縄まで、全都道府県を旅した旅行記。総走行距離は約2万7千キロメートルになった。 もともと犬とは相性がよくない私は、中国で犬に咬まれて犬嫌いになったが、皮肉にも、妻の希望で犬と暮らすことになる。中国のカザフ族やモンゴル族の遊牧民の生活を見てから、彼らのような移動生活にあこがれていた私は、遊牧民的な旅をしてみたいと夢見ていた。ネットさえつながれば仕事ができるようになった今こそ、「新遊牧民」を実行できるチャンスと思い、妻と犬を連れて日本一周の車旅をすることにした。 やってどうなるか? どんな意味があるのか? 考えはじめるときりがない。それで、とにかく出ることにした。出てから考えようということだ。衝動的で無謀な計画だったかもしれない。 都道府県をすべてまわるということ以外、はっきりした目的地もなく、その日その日、行きあたりばったりの旅をした。当日の朝、地図を見て、おもしろそうなところへ行ってみる。夕方になったら温泉を探し、スーパーで買い物し、食事を作り、車の中で寝る…。3頭の「群れ(家族)」が移動するシンプルな生活。遊牧民と同じで、少ない装備でも長期の旅ができることがわかった。 移動する生活そのものがわくわくする。何を見るでもなく、何か名物を食べるでもないのに、なぜか楽しい。それはまさにカザフ族の生活で見つけた気持ちよさだった。 もちろんトラブルもたくさんあった。 「犬と暮らす」ということは、私たちにとってどういうことなのか、考えながらの旅になった。犬を通して日本を見る旅でもあった。 また、こういった車中泊の車旅をしている人たちが意外に多いことにも気がついた。とくに定年退職した年配の人たち。その数がだんだん増えているという日本の現状も知る旅になった。 そして、旅の最終ゴールは・ ・ ・。 |
こちらは『写真絵本:日本一周犬ヴィーノが見た風景』です。 この本は、ヴィーノの目線で日本の風景をとらえた写真絵本です。ヴィーノといっしょに美しい風景を旅した気分を味わってもらえたらうれしいです。 なお、写真は127点使用しています。 amazonで販売中です。 |
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車中泊で日本一周した犬連れ旅の写真が、「週刊朝日」の後ろのグラビアに6ページで掲載されています。(2010/10/5)
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コメント
cccoさん
「わさお」や小樽の「消防犬」のことを知ったのは偶然ですが、全国には、おもしろい犬がたくさんいるんですね。そういう犬たちを訪ね歩くのもいいかななどと、最近思っています。
日本の場合、「犬畜生」という言葉があるように、犬の地位は低く、日本の「犬文化」はまだ成熟していない気がします。犬を連れていると、迷惑そうに見られることも多いということに気がつきました。これは、単なる「犬が嫌い」ということだけではないようです。犬嫌いの私が、犬を飼うようになってわかったことですが。
山口県周南市中須北の棚田を拝見しました。犬だけじゃなくて、今回は、北海道で棚田を見たし、棚田も、まだ知られていないところがたくさんありそうです。
ところで、「昔は田んぼの中の神社」の写真は、不思議な光景ですね。
投稿: あおやぎ | 2009/08/03 08:40
最近は犬の話題が続いていて嬉しいです
小樽の「消防犬」は偶然見つけて、同行の元消防署勤務の父が大喜びしていました。
わさおは以前から好きで「わさおのブログ」で楽しんでます。青柳さんに撮ってもらって、幸せなわさおです・
4年ほど前に10日ほどかけて、スイスを列車で一周しましたが、犬連れの旅人に沢山会いました。
愛犬を連れての旅は当たり前みたいですね。
スイスの山を犬と一緒にトレッキングしている人も多くいました。上手くいえませんが、
何か文化が違う気がします。他人に迷惑をかけないように気をつける、責任感が根付いているのかもしれません。
今日山口の周南市の棚田に行って写真を撮ってきました。透明感がない写真が一杯撮れました(涙)
投稿: ccco | 2009/08/02 23:48